所用で久しぶりに来た六本木は、
思ったより人出も少なく、どこか焦燥とした空気。
コロナ騒ぎの行方も暗黙のまま、
やるせない気持ちを抱えつつ、
この街に来ると、やっぱり行きたくなる、
嘗て何度となく通っていた、「本むら庵」六本木店の後、
今は横文字の、「HONMURA AN」
六本木 「HONMURA AN」
午後13時ちょっと過ぎ、扉を開き入った店内は、
先客二組だけの、静かな空気。
どのテーブルにもアクリル板の敷居がされ、
通されたテーブルに腰を下ろせば、
やっぱりもう、懐かしくって…
お茶をすすり、品書きを見て、
昔はなかった、ランチセットがあるのにびっくり 。
お目当ては、なんと言っても「せいろそば」。
しかも、「本むら庵」の「親子丼」に「小天丼」なんて、
興味シンシン、食べてみたい
迷ったあげく、「小天丼」に決め注文。
頼めば程なく、薬味にもり汁が置かれ、
続いて置かれた「せいろ」に思わず息を呑む。
瑞々しく、透けるような繊細な細切りに、
きらきらと幾重にも粒が煌めく、
楚々と盛られた蕎麦の、その美しさ… 。
手繰った箸先から広がる、ふっくらとした香り。
水のヴェールをまとい、しっとりとした腰に、
ぷるると粒が口肌を撫で、
ふっと喉消え、香ばしく甘い余韻を残す。
なんてなんて、美味しい…
見事な粗挽き、そして短い、
でもでも、これこそ、私の愛していたお蕎麦。
手繰る毎に甘みが広がる蕎麦が愛おしく、
気付いた時には、笊は空。
程よく濁った蕎麦湯で余韻に浸っていると…、
すっと置かれた、蓋のされた二つのお椀。
豆腐となめこの味噌汁に、
「小天丼」は、舞茸に茄子、
蓋からはみ出る海老天は、
ぷりっぷりで食べ応え満点、これが旨い 。
添えられたお新香も美味しい糠漬けで、
ご飯は少な目というのもいい、
美味しくきれいに完食、大満足。
ローマ字でも、私の好きな「本むら庵」の蕎麦。
それが何よりも嬉しく、
しかも、馴染みだった花番さんが、
今でも覚えててくれたのが嬉しくて…、
ご馳走様でした~
感慨深くお店を後にし、
又来よう、「親子丼」も食べてみよう 。

「HONMURA AN 手打蕎麦」
港区六本木7-14-18
03-5772-6657
11:45~14:30 / 17:00~21:30
12:00~21:30(土日)
月曜、第三火曜定休
お店のHP
2015年 4月 3日 「青海苔刺身こんにゃく」「せいろそば」
2012年 3月29日 お料理あれこれ、「かしわ南蛮」
2009年 2月 7日 「華麗なる晩餐」
2008年 6月20日 掻き揚げ、鳥わさで一杯、せいろそば
2008年 5月27日 お昼に…
2007年12月26日 「HONMURA AN」に変わって初訪問
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