奈良での朝は、気持ちよく目覚め、
きんっとした冷たい空気漂う青空の下、
駅前からバスに乗り込み向かった、福智院町。
平城京の「外京」との「ならまち」は、
古の町屋の面影を残す小路。
その小路の、今西家書院の横の路地の奥に、
ひっそりと暖簾が下ろされた…、
何度か振られ、想い続けて十余年。
憧れの、憧れの奈良の「玄」 。
清酒「春鹿」で有名な今西家の別邸との古民家、
目の前に立っただけで胸がいっぱい。
奈良 「石臼挽き蕎麦 玄」
暖簾を潜り、その奥の扉を開き入れば、
すぐに丁寧に迎えられ、
「空いているところにどうぞ」と通された座敷の間。
使い込まれた畳の温もりに、
しっぽりと落ち着いた古民家の空気が体を包む。
出されたお茶がとても美味しい 。
目の前にも、後ろにも広がる、
手入れされた中庭をほっこりと眺め、
蕎麦は、「せいろ」と「田舎」。
それぞれ1枚づつ予約済みなので… 。
まずは、ここでの念願の蕎麦前。
お酒はすべて「春鹿」、
中から、「かすみ酒」純米吟醸生酒を。
添えられた「蕎麦味噌」はとろりとまろやか 。
充ては、幾つか並ぶ品書きから…、
「蕎麦豆腐」の「うにのせ」を 。
プリンのような蕎麦豆腐は、柔らかくさっぱり、
盛られた醤油豆の濃厚な味わいに、
雲丹はぷりっとしてとても甘い 。
静かな空間で、一人ほっこりと心安らぎ、
はぁ〜…、たまらない 。
そして…、お声かけしてお蕎麦をば。
置かれた瞬間、目が奪われる美しさ 。
極々細い、針先のような繊細な蕎麦が、
陽に透け、神々しくきらきら輝く。
手繰った先から広がる、ふっくらとした豊かな香り。
こんなにも細いのに、きりっとした腰に、
流れるように喉落ち儚く消え、
口いっぱいに満たす馥郁とした味わい・・・、
お、美味しすぎる・・・
手繰る毎にはっとする、蕎麦の美しさに見惚れ、
塩を添えて手繰れば甘みが広がり、
添えられたもり汁も、濃くまろやか、
そっと浸して又旨し、はぁ〜…。
続いて、「田舎そば」。
再び目を魅了する、
玄挽き粗挽きながら、この見事な細さ 。
玄挽きならではの、野趣あふれる香り。
喉元に感じるほのかなざらつきに、
カカオに似た、濃厚な味わい。
手繰る毎に、感動が押し寄せる…。
薬味の辛味大根を添えてと、
夢見心地の中、あっという間の素晴らしき二枚。
程よく濁った蕎麦湯を注ぎ、
たっぷりと余韻に浸り頂いて…
ご馳走様でした〜
念願の、夢みてきた「玄」は想像を遥かに越えて…。
これは是非、夜のコースも頂きに来なくては 。

「石臼挽き蕎麦 玄」
奈良県奈良市福智院町23-2
0742-27-6868
11:30~13:00(最終入店)
18:00~21:00
月曜、火曜定休
禁煙
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