名古屋で乗り継いだ近鉄線で「榛原駅」を降りると、
きんっと冷たい、澄んだ空気が体を包む。
宇陀の山間を縫うように走る道沿いに、
そっと暖簾を下ろす、風情溢れる古民家。
又伺いたくて、伺いたくていた、
5年ぶりのお店を前に、胸がいっぱい…。
奈良 宇陀市榛原 「蕎麦・菜食 一如庵」
暖簾を潜り扉を開けば、
すぐに温かく迎えてくれる、女将さんに花番さん。
土間で靴を脱ぎ上がれば、古民家の心地良さ。
磨き上げた柱に、年月培った鴨居、
骨董の調度品に、柱時計がそっと時を刻む…。
足裏に心地のいい畳の間、
さりげなく飾られた野の花、
日常を忘れさせ、心癒される空間に…、
はぁ〜…
手肌に優しい木のテーブルに腰を下ろし、
5年ぶりのお店、まずは蕎麦前 。
三重 「作」 純米吟醸 穂乃智
駅まで迎えてに来て下さった、
久しぶりに合うご夫妻と、そっと乾杯〜。
程なく、盛り付けも美しい「前菜」。
浅漬けの紅芯大根に、白菜はしゃきっと甘く、
大和の伝統野菜、あすか茜の甘酢漬けに、
ひの菜の一本漬け。
そして、嬉しい「蕎麦寿司」 。
こりっとした椎茸は鮑のようで、
味を含んだ湯葉と、とても美味しい 。
前菜の後は、見ただけで感動〜 。
宝石のショーケースのように美しく並ぶ、
「旬菜の盛合わせ」
ふわりと香る「蒟蒻炒り煮ゆかり和え」
ほこほことしゃきしゃきの、
「ヤーコンとむかごのキンピラ」。
「ぜんまいの海苔和え」は、しゃくりと柔らかく、
歯ごたえの違いも楽しい、
「新じゃが芋とハヤトウリ、芽キャベツのクミン炒め」、
蕎麦の実を散らした「生麩と分葱の甘味噌和え」。
瑞々しい蓮根が甘い、
「蓮根とブロッコリーの辛子味噌和え」、
ぴりりと辛味と香りを利かせた、
十津川産「エリンギの一味山椒炊き」。
「黒豆とロマネスコの自家製ドライトマトのサラダ」に、
菊花がひらり「風呂吹き大根柚子味噌かけ」。
うっとりと甘い「紅はるかの焼きいも」、
奈良醤油で漬けた「塩ゆで生落花生」、
「金ゴボウ、柿、春菊の胡麻酢和え」、
十津川産「ひらきなめこの鬼おろし和え」
そして…、感動的な旨さ、
絶品!「原木椎茸の湯葉巻き寿司」 。
すべて、吉野の伝統野菜や地元で採れた旬の野菜。
蒸し、茹で、炒めと丁寧に手を加え、
野菜の持つ本来の力強さが心に滲み…、
奈良の120年の歴史を持つ酒蔵、
奈良 「梅の宿」 梅庵 純米大吟醸
そして…、「もりそば」。
淡い色合い輝く、まるで真珠のような美しき細切り。
手繰った鼻先にすぅ〜っと香り、
きりっと〆り、すっと喉落ちる軽やかさ。
淑やかで清楚な、甘みと香りが口に広がる 。
気付いたらあっという間に手繰り終え…、
続いて出された天ぷらも見事。
さくっとした衣を齧れば、ふかっと香り立つ、
ジューシーな舞茸天。
人参は、西洋人参と金時人参のハーフ。
湯葉を巻いて揚げられ、これがびっくりする程甘〜い 。
最後は、「九条葱のきざみ蕎麦」。
淡い琥珀に澄んだ汁の美味しいこと 。
やや幅広に仕立てた蕎麦は、
もちもちとして、風味が膨らみ、これが旨いっ。
しゃきっとした鳴門若芽の豊かな風味に、
汁をすったお揚げに、九条葱の甘みが広がり…
後はも〜う、一滴のこせず、完食完飲〜 。
とろりとした蕎麦湯を注いた、
もり汁の旨さをじっくりと味わっていると、
まるで絵画のように描かれた、
「ドライ無花果のガトーショコラ」
しっとりとした生地は、甘すぎず、
たっぷり盛り込まれた無花果が絶妙。
ん〜、これもう、うっとり〜
日常のもやもやも、時も忘れ、
感動が止まらない、これとないひと時に…
ご馳走様でした〜
5年ぶりに訪れた「一如庵」は、
さらにさらに、研ぎ澄まされ洗練され…、
ああ、できる事なら、季節折々伺いたい 。
Mさん、Aさん、ありがとうございました〜

「蕎麦・菜食 一如庵」
奈良県宇陀市榛原自明1362
0745-82-0053
昼 11:00~14:30 入れ替え制
夜 17:00~20:00 (要予約)
火曜・第1,3月曜定休
禁煙
Pあり
お店のfacebook
2015年11月19日 奈良の山奥での風雅なひと時
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