東京虎ノ門、ビルが連立するオフィス街に、
ふっと時代が取り残されたかのように静かに佇む、
大正時代の趣きを今も残す風格ある風情。
この場所にこうして残っている事が、もはや奇跡のよう… 。
虎ノ門 「虎ノ門砂場」
開店間もなくの、静かに落ち着いた店内で、
3年ぶりに会う蕎麦友と待ち合わせ。
3
懐かしくって、次々に言葉が溢れる中、
まずは、ビールで乾杯〜。。
充ては、ずらりと並ぶ「酒の肴」から、
すぐに出される「うにいか和え」。
これはもうお酒、ビールをチェイサーに、
「黒龍」 九頭竜 燗大吟醸
蓋をされ出される「揚げ出汁ご膳」は、
衣をつけて揚げた蕎麦がきで、
とろりとして、まるで揚げたとろろのよう 。
ふわんと香ばしく甘く、燗酒に旨し。
「茄子の田楽」も意表を突く、
素揚げした角切りの茄子に、甘めの肉味噌が絡まり、
茄子はジューシー、これも美味しい 。
「天ちらし」も美しい… 。
ぷりっぷりの立派な海老2本に、
ほこっと甘いさつま芋、茄子に椎茸、大葉と、
さくっと揚がった天ぷらは、流石老舗のなせる技 。
「〆張鶴」の熱燗を頂き楽しみ…、
お蕎麦の品書きもずらりと豊富。
中から選んだのは、「生野菜とささみの胡麻せいろ」。
年季の入った蒸篭にこんもりと盛られた蕎麦は、
外一で打たれた繊細な細切り。
きりっと絞まったコシに、すっと落ちる喉越し清涼、
これぞ江戸の粋、の気持ちよさ 。
器には、人参に大根、茗荷に紫蘇、鶏ささみ、
その下に胡麻ぺーストが仕込まれ、
上から汁をかけ、混ぜて手繰ると…、
まろやかな胡麻のコク香ばしさに、
茗荷の香りが弾け、鶏ささみはふっくら、
手繰る毎に楽しく、ん〜これは旨いっ。
汁の加減で、自分好みに調節できるのも嬉しく…、
一方、友人は私のオススメ、
メレンゲ仕立の「納豆そば」に、
さらに追加で「生しらすの天せいろ」。
そそり立つ見事なかき揚げに、
中かっらふっくらシラスが現れる。
熱々の蕎麦湯を胡麻汁に注ぎ、
最後にゆっくりと頂いて…
ご馳走様でした〜。
時代は変わっても、いろいろな毎日だけど、
蕎麦を手繰れば、心安らぐ。
それでも、それでも、
早く、あの頃の日々が戻ってくることを…。

「大坂屋虎ノ門 砂場」
港区虎ノ門1-10-6
11:00~20:00(月・火)
11:00~21:00(水~金)
11:00~15:00(土)
日曜祝日、第3土曜定休
禁煙
2020年 2月21日 「おしんんこ」「半かけと烏賊と葱のかき揚げ丼」
2016年 2月15日 蕎麦前を楽しみ「納豆そば」
2008年 6月 5日 「鴨南蛮」「納豆そば」
2007年 6月25日 仮店舗で昼蕎麦屋酒 「玉子とじそば」「納豆そば」
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