この秋、急きょ店を閉じられた「吟」さん。
程なく届いた葉書に、鉾田のご実家に戻られたと知り、
最後にお会いできなかった事が心に悔やまれて…
帰省ついでに、ゆっくり話しをお聞きしたいと、
朝から小雨が舞い散り冷え込んだ今日、
車を走らせ向かった鉾田市街 。
鉾田 「手打ちそば 村屋東亭」
年月培った扉を開き入れば、
店内はほぼ変わらず、広々として落ち着いた、
由緒正しい老舗の空気 。
迎えてくれたのは、明るくにこやかな花番さん、
ゆったりとした座敷テーブルで品書きを開くと、
まず書かれた「玄蕎麦は茨城県産常陸秋そば」
蕎麦も、大きな変化はまだないようで、
これが嬉しい「けんちんそば」 。
早速私は、「けんちんそば」の「もり」に決め、
彼は、「若どりそば」に決め…、
程なく届いたお盆の、
湯気立つけんちん汁の美味しそうな事 。
蒸篭に盛られた蕎麦はきりっと角立ち、
躍動感のある凛々しい細切り 。
手繰ればふわりと広がる香りよく、
しゅっとした腰に喉越し爽快。
爽やかにそしてふくよかな、安心安定の美味しさ 。
続いてすすったけんちんが体に染みる 。
肉系は一切入っていたいのに、
滋味深く奥行のある、まろやかな味わい。
そのまま飲んでも美味しい汁に、
はらりと潜らせた蕎麦がたまらない。
にわか温まったそばから広がる甘みに、
豆腐を崩して蕎麦に絡める滋味深さ、
しゃくっと味の染みた熱々大根に、
蒟蒻に葱、人参に椎茸…、
それぞれの野菜に、蕎麦が色んな顔を見せてくる 。
あー、やっぱりけんちん蕎麦って素晴らしい。
一方の「若鳥そば」には、鶏肉がたっぷり。
注がれた汁は、けんちん汁とは又違う、
鶏の出汁が染み、これも旨いっ
蕎麦は、汁に浸ってもだれる事なく、
汁をまとって放たれる旨さがあり、
ふと、「吟」で食べた「卵とじ」そばを想い出しつつ…、
最後はちょっと蕎麦湯を注いで…
もちろんすっかり飲み干して…
ご馳走様でした〜
帰り際顔を出して下さったご主人と、
ゆっくりお話しまでさせて頂いて…。
移転されたことは寂しいけれど、
小平が更新時期だったこと、お父様の事など
お聞きするうちに納得し、
熱く語るご主人の言葉を聞いていたら、
これから徐々に、「吟」、草さんらしさが加わっていきそう。
「吟」さんの第二章。
これからも楽しみに、又伺わせて頂きます 。

常陸秋蕎麦 「村屋東亭」
鉾田町安房1418
0291-32-3173
12:00~17:00 (売り切れじまい)
水曜休
禁煙
駐車場いっぱい
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2005年 8月 5日 「もりそば」「天せいろ」
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