朝からどんよりとした雲が空を覆う中、早々にホテルを出発し、
青森駅で乗り換え、この旅の最終目的地、
幻の蕎麦を食べに弘前へ 。
さすがりんご県、駅前広場に出るとすぐ目につく、
りんごを手に持った男女の像、「りんごの風」。
そこから、桜で有名な弘前公園へと、
お散歩がてらに歩くこと数分。
前にしただけで、切なくなるようなノスタルジー、
公園すぐ近くの通りに面して佇む、
今は貴重な、昔ながらの「食堂」。
「津軽百年食堂」のモデル・ロケ地になった、
幻の「津軽そば」を作り続けているお店 。
弘前 「そば処 三忠食堂」
古くても暖簾は真っ白にぴしっと掛かり、
ガラガラガラと引き戸を開くと…、
どっぷり昭和、昔ながらの「食堂」そのもの。
昼ちょっと前、奥のテーブルには、常連らしい女性が一人、
普段着で静かに丼を啜り、
我々は、その横のテーブルに腰を下ろし…、
はぁ〜、懐かしい心地で胸いっぱい。
まずは、ビールをもらって乾杯〜 。
品書きは蕎麦にラーメン、カレーと、
シンプルな品書きを見ていると…、
「これ、良かったら食べて下さい」と、
ご主人がにっこりと出して下さった、
烏賊と山菜の炒め煮に、茄子の味噌炒め 。
家庭的な手作りの味が嬉しく、
お酒も追加、津軽の地酒「じょんがら」を 。
ついでに頼んだ「おしんこ」は、
大根や青菜などのもみ漬けで、
冷蔵庫に見えたコップ酒も頂いてると…、
「ここは初めてですか?」と気さくなご主人。
「津軽そば」を食べに来ました」と伝えると、
ぼそぼそと、でも嬉しそうに話し始めた「津軽そば」について。
「津軽そば」は、いわゆる手打蕎麦にと違って…
② 翌日、この蕎麦がきに蕎麦粉と大豆粉を混ぜて練り、
延して切ったら、又一晩寝かせ、
③ 翌日茹でて水にさらし、又一晩おくという、
手間と時間をかけた、郷土蕎麦。
途中で、「今練ったところだから」と出して下さった、
その「蕎麦がき」は、ほわっと柔らかく、とろりと甘く、
これだけでも美味しい 。
さらに、「津軽そば」の出汁は、他の蕎麦とは別に、
高価な「焼き干し」でとるのだそう。
「これがそう、齧ってみて」と出してくれた「焼き干し」は、
魚臭さ皆無、噛む毎に旨みが広がる 。
も〜う、食べたくてうずうず、早速注文〜、
頼めば程なく届いた、幻の「津軽そば」 。
お盆には、おしんこに小鉢も添えられ、
刻み葱に海苔、ナルトが浮く、
すっきりシンプルな景色。
早速、蓮華ですくった汁は、琥珀に澄み、
すすった途端に、思わずはぁ〜…。
なんて優しい・・・、
すっきりしてまろやかな、とても上品な澄んだ味わい。
蕎麦は、手繰ろうと思うとプツンっと切れる、
もはや腰というものはないけれど、
どこかお粥に似た優し口辺りで、手繰る毎にほっこり。
悪くない、悪くない、
いやいや、なんだかこれ、クセになりそう〜。
最後に、津軽そばの食べ方との、
(追加で頼んだ)塩むすびを汁に入れ…、
あー、これもいいなあ〜。
雑炊のようにさらさらと喉に伝い、
出汁がいいから、これも美味し〜い 。
すくいすくい、一滴残さず飲み干して…、
一方、他の一人は「中華そば」。
スープは、津軽蕎麦とは違う、
昔ながら〜の、優しい鶏ガラスープ 。
麺は、縮れた細麺、ぷりっとした食感に、
スープがよく絡み、中華そばも美味しい
もう一人は手打の「もりそば」を。
これは打ち立て茹でたての蕎麦。
きりっと腰あり、なになにどうして、
普通のお蕎麦、きちんと美味しい 。
最後に出された蕎麦湯で、
しみじみとした心地に浸り…
ご馳走様でした〜
創業明治40年ごろ、今のご主人は4代目。
厨房には、5代目息子さんも立ち…、
いいなあ、こうしてこれからも、ずっとずっと、
幻の蕎麦を受け継がいでいくんだなあ…

「三忠食堂」
青森県弘前市和徳町164
0172-32-0831
11:00~19:00
火曜日定休
「美味しい」「美味しくない」の一言では収まらない、
何とも言えない温かみがたまらないです。
きっと各地方にもこういうのがあるんだろうなあ、と…
いろいろ食べてみたいと思いました(u_u*)~
今週末、弘前行くので食べてくる予定。楽しみです。
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