扉を開き入れば、「いらっしゃいましっ」、
ﾋﾟｼっとした張りのあるご主人の声がお出迎え 。



にこっとしたご主人の笑顔がうれしく、
まずは、生ビールで、お疲れ乾杯～



程なく、かわいい小鉢の「前菜盛り合わせ」。

ほっくりと炊かれた「醤油豆」に、こってり「肉味噌」、
「藁のお浸し」に、こりっとした「山くらげ」。



どれもこれも美味しく、お酒がほしくなる味わいに…、



頼んだ「影虎」は、趣きのある骨董の酒器。



続いて…、温かい「蕎麦スープ」 。
雨降る寒い今宵に、心までしみいる優しい味わい。
ほっとするまろやかさに、啜る毎に陶酔～



うっとりと飲み干せば、
きゅっと巻かれた姿の美しい「そば寿司」。
酢〆加減に具とのバランス、素晴らしく美味しい 。



そして…、待ってました～、見る度に歓喜の、
ずらりと料理が並ぶ、見惚れる「八寸」 。

お気に入りの「茸入りの出汁巻き」に、
ふわっと蕩ける「稚鮎の山椒煮」、
嬉しい「竹の子煮」が添えられ…、



「空豆」に「板わさ」、「ミニトマトのワイン煮」はまるでスイーツ、
「酢ハス」に「さつまのレモン煮」、大の好物「子持ち昆布」 、
「煮ごぼう」に柔らかな「蛸の桜煮」、
ピリ辛「赤蒟蒻」に「メカジキの山椒煮」。

一つ一つ丁寧に仕込まれた料理は、
どれもピシっと決まった粋な味わい 。
長野「真澄」、福島「大七」とお替りをして…



掻き立てほかほかの「蕎麦がき」は、
ふっくらと香り、とろ～と滑らか、
香ばしくそして甘く、豊かな蕎麦の味わいに…、



これには、「白鷹」の熱燗を 。



「蕎麦クレープ」は、今日ははっとする鮮やかなローズ色。
ちょっとビーツを混ぜてみたそうで、
生地はほんのりと甘酸っぱく、これは新鮮 。

カウンター腰にご主人と交わす話も楽しく、
しっぽりとお酒を楽しんで…、



久しぶりの今日は、「二色せいろ」 。



ぬき実で打たれた、可憐な「おせいろ」に　、



玄挽き粗挽きの、野趣溢れる「深山そば」 。



きりっとした腰に、はんなりとした「おせいろ」は、
豊かな香ばしさに甘みが口に満ち、
はぁ～・・・、美味しい、手繰る毎の幸福感 、



「深山」は、もちもちとして、
玄挽きならではの豆系の甘みがむわ～り。

ああ、「志ま平」さんのお蕎麦、いいなあ～、
あとは夢中で、嬉しく手繰り…



ご主人の手から注がれた蕎麦湯を、
最後にゆっくりと頂いて…

ご馳走さまでした～

いつまでもここにこうして座っていたい心地になりながら、
今宵も、これとないひと時に…

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