扉の先から向かえてくれた笑顔のご主人に、
まずは、改めて新年のご挨拶 。



壁に貼られた品書きに冬の味覚が並ぶ中…、



寒いけど、乾杯はビールで、
サッポロ恵比寿で、今宵に乾杯～ 。



程なく置かれる「先付」は、春が舞い込む「花手まり」 。



蕪の甘酢みぞれを手まりに仕立て、
金時人参の小花に、中から零れる赤海鼠 。



土佐酢で柔らかく上品に仕立てた蕪霙を
たっぷり絡めた海鼠は、さっぱりコリっ、
ん～、美味しい、残った汁も飲み干しちゃう 。



これはもう、お酒でしょう～と、
長野の「松尾」を頂いて…、



いつも楽しみな、「前菜の盛り合わせ」 。



牡蠣のすり流しを射込んだ、「牡蠣茶碗蒸し」に、



卵黄で炒った卯の花を蟹で巻いた、「かに卵の花寿司」、
「蕗の薹の白和え」は、甘さ控えめで実に美味。
「葉付き大根と豆腐の味噌漬け」に、

「新唐墨」は、しっとりと柔らか、卵がほろほろ 、



艶々ふっくらの「黒豆煮」の美味しい事。
奈良「春鹿」、宮城「男山」とお替りをして…、



続いて椀物、「白梅海老芋」。



ぷっくりと浮かんだ白梅は、
もちもちとやわらかな海老芋饅頭。



優しく慈愛に満ちた白味噌に、はぁ～と充足のため息。
饅頭の中のシルキーな海老芋に、
真ん中には、ぷりっぷりの車海老。



下の柔らかな大根は味染みしゃくり、
はぁ～、なんて美味しいんだろう～ 。



お造りが又美ししい、
ぴかぴか輝く、「さより（かんぬき）」　。



添えられた煎り酒の塩梅の良さに、
さっぱりとしたさよりに甘みが広がり、
高知「酔鯨」を頂いて…、



焼物は、「海老椎茸　二味焼き」。



身厚のどんこ椎茸はじゅわっと滴り、
盛られたほんのり甘い玉子は海老入り、
くー、これお代わりしたい程っ



…と、ふわ～りい～いに匂いが漂い始め、
横では潮さんが鍋仕込み。



極寒の鍋は、「あんこう鍋　どぶ汁仕立」



鮮やかな手捌きであっという間に完成した鍋を、
潮さんが銘々によそって下さり…、



ん～お出汁が染みるぅ～ 。
コク味深く、しかもさらりと、至極上品、
春菊は煮込まずしゃきっと香りよく、



ほろほろと零れ蕩けるアンコウの身に、
様々な「お宝」をしゃぶりしゃぶり、
しばし皆、無言で夢中～ 。



はふはふと楽しんだその後は、
お鍋の後の楽しみ、あんこう雑炊～ 。



アンコウの出汁をたっぷりすった雑炊にはふはふ 。
添えられた漬物も見事な浸かり、
すっか～り、お腹もいっぱいだけれども…、



やっぱり最後はお蕎麦を食べたい 。



北海道弟子屈　「摩周そば」。
きりっとした腰にツツっと落ちる粋な喉越し。
鼻に抜ける爽やかな香りに、口に広がる甘みを楽しみ…、



冬の潮さんに来たら、これも楽しみ。



料理人の作る「カレー蕎麦」 。



さら～っとした汁には、様々な野菜が煮込まれ、
まるでポタージュのようにまろやかでぴりりっ、
「蕎麦屋のカレー」とは異なる洗練した一杯 。



はぁ～、今宵も大満足、
さらさらとした蕎麦湯を頂いたら…、

これも毎度楽しみな甘味 、



和風モンブランのような、「千代の糸」 。

色付けした糸状の百合根の餡に、
さらりと蕩ける白餡、
底はさっくさくの、胡桃を混ぜたメレンゲ。

幾重もの層を崩すごとに、心を溶かす幸せ心地…、



もう一つ、ぷっくりと大きな、
「あまおうの苺大福」。



白餡に生クリーム、あまおう苺ははっとする程甘く、
ぷしゅっと口に滴り、
心の底から、甘美な心地に酔いしれて…

ご馳走様でした〜 　

共に味わい語らったひと時も楽しき冬の宴、
次は、春のお料理を早くも楽しみにして…

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