通りに面してすっと佇む、
蕎麦屋らしい、落ち着いた雰囲気を前にして、
ああ、懐かしい、ここもほぼ１０年ぶり 。

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感慨深く扉を開くとすぐ、
きちんと整頓された打ち場があり…、



その先には、
和やかで品のある心地のいい店内。

カウンター仕立ての大テーブル、
奥の小上がり二卓には、子供連れのご家族が集い、
我々は、窓際のゆったりとしたテーブルに腰を降ろし…、



すぐに出された蕎麦茶を頂きながら、
置かれていた品書きを。
お蕎麦は、「せいろ」に「十割」に「いなか」の三種 、



種物に、天ぷらもいろいろ揃い、



一揃いの温かいお蕎麦に、



カツ丼に親子丼などの、ご飯ものも 。



「お酒のおとも」を眺めつつ…、

「十割」に「いなか」も気になるけれど、
久しぶりだし、基本の「せいろ」が食べたいな、と…、

ちょっと風邪ぎみ、滋養のある「とろろそば」に決め、
彼は、温かい「若鳥そば」 、



頼めば待つ事程なく、二つのお盆が到着～。



蒸篭に盛られた蕎麦は、きりっと角立ち瑞々しく、
一目で分かる、美味しいオーラ 。



すぅ～っと広がる清々しい香り、
きゅっと〆った腰の心地よさ、
するりと落ちる喉越しの清涼感。

啜る毎に、ふわりと蕎麦の香りが鼻に抜け、
粋でたおやか、ん～、美味しい 。



しかも、添えられたとろろ汁に心トキメク、
汁で溶いたとろろに鮮やかな玉子が浮かび、
その横に散らされた、緑の青海苔。



そろりと浸すと、さらりとして程よくぬめり、
滋味深いとろろと蕎麦が合わさり、こりゃ旨いっ



続いて、静かに絡めた玉子が濃厚～。
まろやかでコク味豊か、
知らず知らずに顔がにやけちゃう 。



一方、彼の「若どりそば」には、
大ぶりの鶏肉がいくつも浮かび、



注がれた汁は、鶏の出汁が染み、
すっきりとして柔らかな味わい。



熱々汁に浸った蕎麦も、心地よく…



ほんのりと濁った蕎麦湯を注げば、
ぱっと玉子が煮え立つとろろ汁を、
たっぷりと頂いて…

はぁ～、美味しかった、ご馳走さまでした～



お姑さんの面会に訪れた折に又、
今度は、「十割そば」も頂こう 。

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