FC2ブログ
    つれづれ蕎麦 
    武蔵五日市 「雙柿庵」  想い募って・・
    2006年03月10日 (金) 23:12 | 編集
    明日は久しぶりに、何の予定もないオフな一日。
    さて・・・、と、ふいに想いが駆け上るかのように、咄嗟に電話をしていた、昨日。

    行って見たい・・・と、何年も思っていてまだ、訪れていなかった、恋焦がれていたお店、「雙柿庵」。
    平日ということもあり、難なく予約が取れて、うきうきしていたっていうのに、今朝はこんな日に限っての、雨模様・・・。

    いや、それも結構いいかも、と大好きな本を携えて向かう。

    20060310201901.jpg電車を乗り継ぎ、バスに乗り・・、
    バス停すぐ近くの小道の入り口に、貧相に立てられた看板を目安に、ドキドキしながら、山里のような風景を眺めながらゆっくりと進む。

    ふいに、ほんのり明かりが見え、
    ここもまた、ほんとうにさりげなく、
    風景に溶け込んでしまいそうな看板。

    ここだ・・・

    20060310202515.jpg

    回り込むと、
    小道のようなアプローチは、
    やはり、自然のまま・・・、

    期待と緊張した気持ちを抑えながら。。


    20060310202907.jpg

    この周りに広がる自然の中に溶け込んだような、まるで草庵のように静かに静かにたたずんでいる。。ずっと、あこがれ続けて・・・今目の前に。
       地酒と蕎麦 「雙柿庵」
      

    ちょっと緊張しながら、この看板も何もない、いわゆる店とはかけ離れた・・その、御簾の奥の扉を引いて店内へ。
    20060310202551.jpg
    ほの暗い店内は、しっとりと、そしてまったりとした、なんともゆるやかな時間が、ここだけ流れているかのような・・・、不思議な空気。

    一歩入っただけで、現実からちょっと逃避したような、そんな感覚を覚える。


    すぐに出てきてくれた、テキパキとした楚々とした花番さんに名前を告げると、すぐ、
    「お待ちしておりました」と、気持ちのいい笑顔で、ちょっと仕切られた個室に案内される。
    4人分は悠にあるテーブルに、「予約席」とカードが立ててあり、たった一人なのに・・と、なんかとても贅沢な気分になってしまう。
    まるで、心行くまで憩ってくださいな・・と言って貰っているかのような。。

    垣間見える隣の広間では、先客の方々がすでに、楽しげに憩ってるのが伺え、BGMがない空間に、それがちょっとしたBGMに感じられる。

    20060310201521.jpg
    「お飲み物はどうしましょう・・」
    と聞かれながら出された、お酒のメニューに目を通し、「田酒」「愛の澤」「今月のお酒」(濁りとのこと)の中から、「田酒」をお願いする。

    「グラスにでもできますが・・・」と、気を使ってくださったけど、せっかくだもん!しっかり一合を


    そして、食べる進み具合を、適宜に見て出された品々。。

    20060310201401.jpg
    「焼き味噌に蕗味噌添え」

    西京味噌かな?の中に、蕎麦の実、ネギなどが練りこまれ、丁寧に焼かれた一品。そして、ほんのりと柚子の香りのする蕗味噌で、これだけでもお酒が進んでしまいそう。

    20060310201216.jpg
    「ブロッコリー寄せ」

    ブロッコリーを、ほろりとするように卵で寄せた一品。
    小海老を盛り、京風の餡がかかり、やさしく繊細な味わい。

    20060310201453.jpg
    「鯛の造りと菜の花」

    さっと出汁をくぐらせてあるのか・・・、そのままで山葵を添えただけで楽しめる一品。
    菜の花も素の味を大事にした、さっぱりとした下味もとても上品。

    20060310201633.jpg
    「鰊煮」

    ほかほかで出され、これが・・・、ひっじょ~に美味しい!
    ふんわりと、柔らかく煮込まれ、その味付け具合がたまらなくいい。共煮された大根の柔らかさも、含まれた味も、申し分のない一品。

    20060310201230.jpg
    「鯛と穴子の蕎麦寿司」
    鯛は塩味でさっぱりと、そして、穴子はほんのりと甘めの味加減が、しっかりと絞められた酢の風味の蕎麦にとてもおいしい・・。

    添えられた赤カブ、山葵の醤油漬けも、叉とてもおいしい物。

    20060310201333.jpg
    そして最後に「出し巻き玉子」

    ふんわりとしていながらジューシー。
    返しを含んだ、やや甘めのある玉子焼き、私のとても好きなタイプ。
    たっぷりと添えられた大根おろしがこれまたおいしく・・・


    ゆっくりと時間をかけて頂く。せかされることもなく、許されたこういう時間というのは、なんて贅沢なんだろう。ゆるやかと流れる時間を思う存分楽しみ・・、

    そして、待ち焦がれていたお蕎麦に。

    薬味とつゆの張れたそばちょこがまず出され、そしてお蕎麦がくる。

    20060310202823.jpg

    ん~・・・ なんて、好みの感じなのっ。細切りの、挽きぐるみのグレーの蕎麦には、贅沢に蕎麦の星が覆われている。そして、ひとつひとつの蕎麦がぴんと息をしてるかのような、存在感がある。

    顔を近づけることもなく、強烈な蕎麦の芳香がたちこめ、それだけでもうっとり。
    20060310200958.jpg
    口に含むと、そのとたんに蕎麦の滋味なる香ばしい風味がいっぱいに広がる。しっかりとした腰を持ち、粗挽きではあるが、たおやかさも含め持った・・・、
    素晴らしい味わい、舌触り、そして喉越し。

    多少短めな部分はあるにせよ、この蕎麦は絶品と思ってしまう。


    つゆは、はじめそれだけで口に含んだとき、返しを含んだ濃い目の辛口の中に、どこか酸味・・というか、クセ?のようなものを感じたが、蕎麦と合わさると、不思議と非常にいい。

    そして、この山葵が叉・・・、すこぶるおいしい山葵。

    20060310201316.jpg

    さらりとした、白濁した蕎麦湯を飲むと、
    とてもとても幸せな気分と共に、
    食べ終えてしまったのを、惜しく思ってきたりさえも。。

    20060310201600.jpg
    一息おいて、最後に出されたのが、
    これまた意表をついた
    「お抹茶」。

    これで、ふと、〆・・・
    2時間近くかけて、ゆっくり寛がせて頂いた時間も
    ・・エピローグ。


    いろいろ、晴れないこともあったけど、なんだかここに座っていると、そういうことさえも、どこか遠くへ行ってしまったかのような、そんな静かな時間を、心から楽しませて頂き、感謝したいような気持ちで一杯。

    ごちそう様でした・・、と席を立つと、初めてご主人が、顔を出してくださる。どんな方なんだろう・・と、思っていたご主人は、おだやかな、そしてちょっとシャイな感じの、まるで文学少年の面立ちを残したような方。こういうご主人だからこそ、この地で、そしてこういうたたずまいのお店で・・、となんだか納得してくる。

    丁寧に挨拶をして頂き、店を後に。。

    あれは、なんだったんだろう・・。なんだか夢の中でのひとときだったかのような。そんな、ぼんやりと夢うつつの気持ちで、再び駅へ。

    電車の中で・・、夢の続きのように、心地よい眠りが~・・・.。oO


    *お昼の蕎麦膳 3,000円

    20060310202705.jpg
    地酒と蕎麦 雙柿庵

    西多摩郡日の出町大久野1487
    042-597-3802
    11:00~売り切れじまい
    水・木休  P3台







    関連記事
    スポンサーサイト



    コメント
    この記事へのコメント
    うまいもん様
    TBありがとうございます!

    楽しまれたようで・・・♪
    そう、意外と近いんですよん。わたし、帰りは歩いて駅まで(当時は)行っちゃいましdた。

    季節を変えて・・
    又、訪れたいと思ってるんです~。
    2006/05/05(金) 21:47:12 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    とうとう行って来ました!
    とうとう行って来ました。
    思ったよりも遠くなかったです。

    やはりよかったですね!

    記事が遅くなりましたが、
    アップしましたので、
    TBさせていただきます。
    2006/05/05(金) 00:51:44 | URL | うまいもん #-[編集]
    はい・・・ここはいいですよね。。
    また、わたしも伺いたいお店です。
    あの独特な雰囲気、そして蕎麦。
    いつまでもあってほしいです。。
    2006/04/10(月) 17:38:55 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    今日は立て続けにコメントを書いています。少し前当日電話して行ったらコースは無理でした。でも、無理言って、卵焼きと焼き味噌だけお願いし、酒とそばを堪能しました。まことに幸せな時間を過ごせますね。
    2006/04/10(月) 12:44:01 | URL | tatenon #-[編集]
    青木さま

    ありがとうございます。
    そうなんです・・。こんなことになってしまって、
    仕事の方も、しばらくできなくなってしまって、とてもがっかりしてたところなんです。
    でも!はいっっ!
    今、本当に一生権命リハビリやってて・・・、また、元のように駆け巡りたいです。
    コメントありがとうございます。
    うれしかったです・・・。

    Yさま
    ありがとうございます。
    よくなって・・、ばったり出会いたい、そう思っています。。
    2006/03/21(火) 11:20:02 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    元気だして!
    久しぶりです
    入院とのこと、びっくりしてます。
    でも蕎麦が恋しそうなので、回復は間近かかなっと信じています。
    ミニヒマワリのように小さくても明るく、山百合のように可憐でも力強いYukaさん・・・元気いっぱいになって、かけ一杯もり一枚!
    2006/03/21(火) 07:06:13 | URL | 青木 #-[編集]
    管理人のみ閲覧できます
    このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2006/03/20(月) 22:37:23 | | #[編集]
    折ってしまって・・・
    豆様
    はい・・・そうなんです。
    なんともはや・・・(^^;;

    そうなんですそうなんです。
    院内生活もそろそろ一週間・・・、
    禁断症状でへとへと~。

    でも!コメントありがとうございました。
    2006/03/19(日) 11:43:36 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    お気の毒に・・・。
    更新されていないので、如何したものかと案じていましたが、怪我をされていたのですね。
    いつも楽しみに、拝見させていただいています。
    院内では、大好きな蕎麦も食べられなく、さぞつらい思いをしていると思いますが、無理をされないよう、しっかり治して下さい。
    2006/03/18(土) 19:13:28 | URL | 豆 #-[編集]
    ご心配おかけして申し訳ありません。大丈夫です。早く復帰できるように頑張りますので、又よろしくお願いします。それはともかく、蕎麦禁断症状で辛いですぅ~(泣)
    2006/03/16(木) 14:25:33 | URL | yuka #VwhHdBBk[編集]
    管理人のみ閲覧できます
    このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2006/03/15(水) 20:59:18 | | #[編集]
    大丈夫なんですか?早く良くなられることをお祈りしています。
    2006/03/14(火) 21:47:51 | URL | aqua_santa #fol219KY[編集]
    オダイジニとお伝えください。
    2006/03/14(火) 00:14:45 | URL | monjiro- #-[編集]
    お知らせ
    掲示板にも書き込みさせていただきますが、yukaさんはけがをされて入院されています。
    しばらく、ブログがupできませんが、みなさん、どうぞご心配なさいませんようお願いいたします。
    週末にお見舞いに伺い、また私がおってyukaさんの近況をかわりにお知らせいたします。
    2006/03/13(月) 20:16:44 | URL | たろうママ #LxvN8XNM[編集]
    桜の季節か・・・
    でも、夏に伺うのも一興かと。

    つまり、行ってみれば分かるんですけど。
    (雰囲気を大事にしているってことか、都会?でもコレで大丈夫ということか?)

    ちょうど、暑い盛りだと、土日といえども
    人が行かないから序に多分イインだな。

    もちろん、秋も良いですよ。なんか昔の小学校時代の、それも教員室の雰囲気があるよね、アノ部屋。

    2006/03/12(日) 22:13:50 | URL | よしのふぁん #-[編集]
    花まきさぁん~
    そうなの、そうなのっ♪
    やっと、行ってきました。いつも、花まきさんの日記読んでて、指くわえてぼぉ~っと読んでたのですが。

    はい・・・一人で(^^;。
    優雅にテーブル独り占め・・・(汗笑)
    花まきさんの、日記のひとつひとつを思い出しながら・・・。
    叉、私も行きたいです。春や秋なんて、格別なんだろうな、って思っちゃいました。

    そうそう、あれ、片手で取りました~。
    2006/03/12(日) 09:43:39 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    お久しぶりです。
    Prisonさま、
    お久しぶり。そう、歩こうって思ったら、丁度バスがやってきたので、乗っちゃいました。
    雨降りだったし。

    帰りは歩いて駅まで行きましたよぉ~。
    (下りだし・・)

    つるつる温泉は、昔行ったことあるのですが、叉行ってみようかな・・・

    春になったら、叉、さぞかしいいんだろうな、って私も思いました♪
    2006/03/12(日) 09:38:12 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    桜の季節に
    また行こうと思っています。
    駅からバス? 歩いても15分位ですよ(登りだけど)
    花番さん? 何時からそんな人居るの?
    こんどは「つるつる温泉」まで足を伸ばしてください。
    2006/03/12(日) 07:51:46 | URL | prison #-[編集]
    ははは
    >>(まわしものだな?)
    >そりゃ、石臼まわして~・・(なーんて)

    ユカさん、けっこうデキマスね!

    「もとおか」さんは、○川市の高額テナント料に参ったようです・・・。
    そんなに大した町ではないのに(失礼)・・・。

    最悪ご自宅で再開したいと仰ってましたから、これっきりという
    ことはないでしょう(と願いたく)。

    今月中にはもとおか、再訪したいです。では。(そーしあんに関係ありませんねえ)
    2006/03/12(日) 00:24:54 | URL | よしのふぁん #-[編集]
    管理人のみ閲覧できます
    このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2006/03/11(土) 09:41:53 | | #[編集]
    そう、いつか・・・と。
    うまいもん様
    わたしも、ずっとそうして思ってきたお店だったんです。

    是非・・、機会みて行かれてください。
    よかったです!
    2006/03/11(土) 07:24:36 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    いつか行ってみたい蕎麦屋・・・
    ここ、いつか行ってみたい蕎麦屋なんです。

    やはり素晴らしそうですね!
    2006/03/11(土) 01:11:01 | URL | うまいもん #-[編集]
    ミズトリ様
    雨の静かな・・、静かなひと時。

    とても、ゆっくりと、貴い時間をすごせました。
    恋がれた場所で、夢見てたお蕎麦で。。

    夢のような一日になりました・・・。
    2006/03/10(金) 23:43:44 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    よしのふぁん様
    そうそう、私、○庵さんのお蕎麦も、とても好きだったので、絶対行って見たかったんです。
    でも、んー、上回ってるかも。。

    それより、「もとおか」さんがっ??
    なにか体調をお壊しになったのかしら。。えっ、残念。。
    来月は、再開するのかしら。。

    「悟空」さん、まだうかがってないんです。
    えっ??石臼挽きの粗挽きっ(^^♪♪。
    これは、すぐにでも行きたいじゃないですかっ。。
    んー、すごいうれしい情報、ありがとうございます!

    >(まわしものだな?)
    そりゃ、石臼まわして~・・(なーんて)
    2006/03/10(金) 23:41:19 | URL | yuka #0kufgj3.[編集]
    雨の五日市・・・・玄関右手の部屋で・・・一品、一品を・・・素敵ですね、
    鯛の菜の花造り、器は黄瀬戸のようですね、鰊の鉢は欅、そのたびにきっと器を変えている、
    穏やかな時が、お蕎麦と一緒に流れて寛げましたか?
    何かうれしそうに思えて・・・
    2006/03/10(金) 23:37:44 | URL | ミズトリ #-[編集]
    そうそう、あそこもしっかり
    よいですよね。

    お蕎麦を湯もりでいただいても美味しいですよ(なおさら)。

    シャイなご主人は○川市無○で修行された
    とか・・・。ちょと加藤ゴーを丸く仕立てたような・・・?

    今は修行先を些か超えた境地におられるか(良い方向で)と思います。あれくらいでやるのが本来いいのでは?と思いますが、関係ないですけど、先の○川市の「もとおか」が今月中に一旦閉店に・・・。
    (寂しい、ヒジョーに~)

    また、小平市学園にある「悟空」では、石臼挽きの粗挽きを提供し始めました。
    手挽きです。(なんか両腕で臼を抱えて廻してるそうです。)
    軽井沢から取り寄せたという臼が、で~m
    とばかり狭い打ち場に鎮座ましまし、です。
    二八を裏切る風味です。

    あっ;;、・・・そうしあん、好きですぅ。

    (まわしものだな?)
    2006/03/10(金) 23:30:52 | URL | よしのふぁん #-[編集]
    コメントを投稿する
    URL :
    コメント :
    パスワード :
    秘密 : 管理者にだけ表示を許可する
     
    トラックバック
    この記事のトラックバックURL
    この記事へのトラックバック
    fc2bookmark
    copyright © 2004 Powered By FC2 allrights reserved. / template: sukechan

    Copyrite(C)2005ー2008 yuka. All rights reserved.

    本サイトの写真の著作権は 作成者にあり、他のサイトの転用は一切禁じます。

    Copyright(C) 2006 つれづれ蕎麦 All Right Reserved.
    1. オンラインカウンター