膝から下はぐしょぐしょ、電車の冷房で体も冷えて、
速攻頼んだ、「ぬる燗よりちょっと熱めで」のお酒一合。

「熱燗一合、50度くらいで～」。
厨房に通す花番さんの声が頼もしい 、



思っていたぴたりの上燗具合の菊正宗。
そっと口に含めば、ふわ～っと体も温まり、
はぁ～…。



添えられた「そば味噌」は、
とろとろの甘めの味噌に蕎麦の実がカリっと香ばしく、



ようやく落ち着き、置かれた品書きを手にすると…、
ほぉ～、いい冷酒も揃ってる。



充ては何にしようかな、
定番の一品料理の品書きに、



「本日のおすすめ」を眺めつつ…、
熱燗にはやっぱりお新香。



頼んだ「自家製ぬか漬け」も見事。

しゃきしゃきの茗荷の香味がたまらなく、
浸かり具合ぴたりの胡瓜に、人参は甘く、
野沢菜に胡瓜の深漬け、
文句のつけようのない、これとない盛り合わせ 。

瑞々しい漬物に熱燗、
はぁ～、しばしのんびりさせて頂いて…



お蕎麦は何にしようかな



すっかり体は暖まったけれど、
何か…、温かいつけ汁が食べたいなあ。

鴨せいろ？、カレーせいろ？



…と、もう一枚挟まれた「夏メニュー」に、
これだっ、今の気分にぴったりの、
「あさりせいろ（バター入り）」



早速頼めば、待つ事程なく到着～。



朱塗りの蒸篭に盛られた蕎麦は、
江戸前の蕎麦のお手本にしたいくらいの、
凛々しく揃った、この太さ。



ふわっと広がる爽やかな香りに、
心地のいい腰に、つつっと落ちる喉越し、
うんっ、旨いっ



しかもその横には、
バターがとろ～り溶けつつある浅利汁。



これにたっぷりお蕎麦を浸し、
浅利とバターと汁が合わさった旨さに、
俄か温かったお蕎麦が甘～い 。



たっぷり沈んだ浅利はぷりっぷり、



そのまま飲んでも、この汁美味しい～



外した浅利と一緒に蕎麦を手繰って、
あっという間に食べ終えちゃう。



あああっ、シマッタ、山椒・・・



最後に山椒を振り、蕎麦湯を注ぎ、
ゆっくりと頂いて…



雨はやんでいるだろうか、
風はやんでいるだろうか、
不安と期待まじわせながら席を立ち…

ご馳走さまでした～

…とっ、やややっ、山手線が運休～？
でも大丈夫、ここからなら新宿まで歩いて行ける 。

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