振り返れば、なんと10年ぶり。
久しぶりに辿り着いたお店は、
以前よりも、さらにお洒落になっている 。

コンクリ打ちっぱなしの壁に、アルファベットの額縁看板、
細い入り口にはアンティークな街燈が立ち…、

蕎麦屋とは、全く思えない、
イタリアンか、素敵なカフェのよう。

さらさらと靡くモダンな暖簾をくぐれば、
陽光さんさんと差す中庭に、
一面ガラス張りの壁にシックなインテリア。



にこやかに通され腰を降ろせば、
気分までエレガント、気持ちよく 、



置かれている品書きも、まるでアンティークな洋書のよう。

以前はあった「十割そば」はなくなったようで、
「せいろ」に「おろし」「とろろ」に「納豆」、
そして…、当時話題になっていた、長年の課題「トマトそば」 。



温かいお蕎麦も幾つも並ぶ中、



彼のお目当て、「とんき」仕込みの名物「とんかつ」。
迷う事なく、彼はこれ。
ロース肉を選んで、「ご飯とお味噌汁のセット」。

ならば私は…、長年の課題を果たすべく、
「トマトそば」を、やっぱり即決め注文～。



場所柄か、飲んでいる人はいなかったけれど、
「一品料理」もいくつか揃い、



日本酒はもちろん、
カウテルにウィスキー、ワインも用意され、
この空間で、ワインやカクテル、似合う似合う 。

心地良く流れるＢＧＭの中、
のんびりと寛いでると…、



一足先に、まず届いた「トマトそば」。
ほぉっ、お蕎麦もまるでイタリアン～



真っ赤なトマト汁に、緑のジェノベーゼ、
揚げ茄子が散らされ、真ん中には温卵がトッピング。
さらに薬味に、パルメジャーノ 。



まずは、そろりと手繰った蕎麦は…、

汁に浸り、きゅっと〆った腰心地よく、
トマトの後から広がる、香ばしい蕎麦の余韻。
こうして食べちゃ、勿体ない程、美味しいお蕎麦 。



だけれど…、
トマトの果肉がたっぷりと溶けこんだ汁に、
ジェノベーゼのバジルが爽やか香りよく、
不思議な程違和感なく、こりゃ、美味しいっ



さらに、温玉を崩し絡めたら、
トマト汁に円やかなコクが加わり、



最後に、パルメジャーノを散らし、
チーズがスープをミルキィに仕立てる、
手繰る毎に変わる味の変化に、すっかり夢中～。



彼の前にも届いた「とんかつ」は、



いわゆるフライとは異なる、
薄い衣の、カツレツ風。



一切れもらって、ガブリ。
サクっとした衣は、どこか唐揚げのよう。
所謂「とんかつ」とは異なり、これは独特 。



食べ終えたトマト汁に、
蕎麦湯を注ぎたっぷり頂き、



添えてくれた猪口には、もり汁も注がれて、
美味しいもり汁も、じっくりと味わって…、



ご馳走さまでした～

ようやく食べられた、「トマトそば」は、
まさにこのお店に似合うお蕎麦。
トマトとお蕎麦って、改めて合うんだなあ 。

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