このところ、自由が丘にちょっと(いや、かなり)気になるもの。
線路脇の路地沿いのマンションに、
小さな小さな「尖」と書かれた看板。
その下には品書きが置かれ…、
「もり」も「せいろ」もなく、「鴨蕎麦」のみ!。
しかも、蕎麦は、
「石臼自家製粉した二種類の手打そば(玄蕎麦・丸抜き)」
今日こそと、入り口を入ってみると、
奥にようやく、お店だと分かる暖簾が 。
自由が丘 「鴨蕎麦 尖(とつ)」
緊張しつつドアを開くと、
黒壁に包まれた、カウンター6席だけの小さな空間。
先客4人、皆さん常連のようで、戸惑っていると、
「ちょっとお待たせしちゃいますが、どうぞ~」
厨房の中のまだお若いご主人は、気さくで丁寧 。
その笑顔にほっとして、スツールに腰をかけ、
置かれている品書きを手にすると、
「鴨蕎麦」の他に、「一品料理」もあるようで…、
おっ、お酒も結構揃ってる 。
蕎麦屋で待つのはこれが楽しい 、
早速、「豊香」をグラスで頂き、
添えて頼んだ、今日の「一品料理」は、「蕎麦豆腐」。
豆乳ベースで作ったそうで、もっちりとして甘みがあり、
とろりとした湯葉に、ぷちぷちイクラ、
浅利出汁が上から注がれ、とても美味
酒の良き充てに、厨房の中をゆっくり眺めつつ、
丁度お酒を飲み干したところで…
「お待たせしてしまってすみません」
と、塩に山葵、柚子胡椒の薬味に、
まず出されたのは、福井丸岡産、玄挽きそば。
おっ、これは美しい…
角はピシっと、グレー艶やかに、
びっしりと蕎麦のホシ散る、繊細な粗挽き。
見とれ手繰った蕎麦は、キリっとした腰に喉越し軽く、
むわ~と鼻腔に芳しき香りが抜けていく。
これは美味しいっ 。
そのままで、そして塩を添え味わっていると、
続いて、このお店のウリ、熱々の「鴨汁」が。
早速そろりと浸した汁の美味しい事っ 。
濃厚な鴨出汁に、トマトなどの様々な野菜が溶け込んだ、
類まれなき鴨のフォンドボー。
中に鴨肉は入らず、いくつかの鴨つくね。
粗いミンチのつくねで、肉汁滴り旨み満点
あっという間に手繰り終え 、
続いて出された、鴨肉三切れ。
鴨の燻製に、二種類の鴨ロース、
マスタードソースと、胡桃をトッピングしたバルサミコ。
これについつい、「作」をお変わりをして…、
蕎麦二枚目は、岡山蒜山の丸ぬき蕎麦。
うっすらと甘皮の陰影が透け、これも又美しい 。
腰、喉越しこれも心地良く、
ふわりと甘みが広がり、これも美味しい
そのままでも美味しい蕎麦を、
旨みたっぷりの鴨汁でもたっぷり楽しみ、
ホントに美味しく、あっという間。
タイミングよく出された蕎麦湯は、
別製のとろ~り濃厚ポタージュ蕎麦湯。
まるで蕎麦粥のような蕎麦湯に、
この鴨汁が最後のご馳走になり…
ご馳走さまでした~
始終、気を遣って下さるご主人の人柄も好感度大。
ちょっとしたコース仕立ての素敵な鴨蕎麦。
これは…、ちょっとはまっちゃいそう 。

「鴨蕎麦 尖(とつ)」
目黒区緑が丘2-25-17
03-6421-4832
11:30~売り切れ仕舞
禁煙
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