冷え冷えのとした平日の、昼時すっかり過ぎた午後2時。
店内には、まだちらほらとお客さん。
中休みのない、ゆるりとして心地のいい空気の中…、



まずは、あたたまろうと～、



「飲み飽きしない酒質で燗もよし」との、
「雪の茅舎」山廃純米を熱燗で。

お通しの牛蒡の漬物を美味しくぽりぽりつまみ・・・、



ギリギリセーフ、今日で最後との、
「富山湾の宝石」、「白海老のかき揚げ」を 。

さくさくの衣香ばしく、ふわっと蕩ける白海老は
上品で繊細な甘みがあり、
塩で、天つゆで、とゆっくりと楽しんで…



季節のお蕎麦には、
「桜海老せいろ」に「山菜せいろ」が、今年も登場 。
どちらも気になるけれど…



今日は、もり汁でお蕎麦が食べたい。



今日の産地は、茨城の桜川の「常陸秋そば」。
粗挽きと生粉打ちで、違う畑の蕎麦を打っているそうで…、



まずは、玄挽きの「粗挽きそば」を。



野趣感じるグレーの蕎麦に、ざくざくと散る殻のホシ。



見た目程、ごつごつ感はなく食べやすく、
新蕎麦の青味に香ばしさが混ざり合い、
鼻腔にじんっと響く濃い味わい。

うんうん、美味しい…
いつもの安定した「志美津や」さんの粗挽きだ。



続いて、「生粉打ち」をハーフでお変わり。



うっすらと緑がかった、凛々しき細切りの蕎麦は、
奈良の林さんの、茨城にいる義兄さんの蕎麦だそう 。



おっ、なんてふくよかな味わい。
芳ばしく、そして甘く、豊穣としたこの味わいは、
まさに「常陸秋そば」ならでは。

林さんっ、このお蕎麦、すごく美味しいっ

挽き方の違いはあるけど、
同じ桜川でも畑が違うと蕎麦の味も違う。
蕎麦って、自然ってすごいなあ…



しみじみ感じながら、蕎麦湯をたっぷり注ぎ、
しばしご主人と蕎麦談義。
今日も美味しく楽しいひと時に。

ご馳走様でした～



今日は冬のような陽気だけれど、
一本だけ、ゆうゆうと花開いた桜の木。
もうじき、この辺りもピンクに染まるんだろうなあ…。

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