行こうと予定していた、丁度前日に骨折して、
泣く泣く入院となってしまってから、ひと月が経ち…
あの時の想いを胸に、ようやく今日はリベンジ 。
牛込神楽坂の路地裏に、異彩を放つどっしりとした木の扉。
いかにも、「志ま平」さんらしい佇まい 。
牛込神楽坂 「志ま平」
ガラガラガラと、重い引き戸を開くと、
扉を超えて、「いらしゃいましっ」、ご主人の粋な声。
これこれ、この声…と、懐かしく格子扉を開けば、
「心配してたよ~」、
カウンターの中からご主人のにこにこ笑顔。
その顔を見たら、も~うなんだか胸いっぱい 。
しかも、「もう、お酒大丈夫なんでしょ?」と…、
「退院祝い(^^)」と、裏から出して下さった、
「獺祭」 発砲にごりスパークリング 。
ご主人、嬉しすぎですっ、
ありがとうございますっ
炭酸ではない、活性酵母がシュワっと弾け爽やかで、
ん~、今日の一杯は、又格別…
テーブルマットの柄に思わず微笑んでいると…、
すぐに出される、お決まりの前菜4品。
出汁が素晴らしい、芹に揚げ、えのきの「お浸し」に、
さっと炊かれた、とろりとした「生海苔」、
ふっくらとした大豆に、青海苔が香ばしい、
素朴でしみじみとした、「味噌大豆」、
こってりと炊かれた「鶏味噌」と…、
これだけで、お酒がくいくいススムススム 。
スパークリングは飲みやすく、
二人でくぃ~っと飲み干し…
「今日はね、こんなのもあるよ」
と並べられた3本から、
まず頂いたのは、香川のお酒 「川鶴」特別純米酒
そして…、志ま平名物、絶品「蕎麦スープ」。
蕎麦の実をじっくりと炒り、牛乳と合わせたスープは、
優し~くミルキィ、散らされた蕎麦茶が香ばしく、
はぁ~、これは、ほんと~に美味しい 。
うっとりと飲み干すと…、
「今日は、いつもと違うの用意したよ(^^)」
そう言えば、ずっと気になっていたガスコンロ。
なんとっ、これもご主人からのサプライズ、
特製、「鴨の陶板焼き」
ご主人自ら、カウンターから手を伸ばし、
まずは鴨の脂身をじっくり焼いて…
じゅわ~っと、置かれた艶やかな鴨肉。
ん~、い~い匂い 。
たっぷりの鬼下ろしの盛られた器に、
焼けた先から取っ下さり…、
早速口にした鴨肉は、びっくりする程柔らか。
噛んだ途端にほろ~とほどけ、旨味が口にほとばしる。
この鴨肉はひと味もふた味も、次元が違うっ 。
粗い鬼下ろしにザク切り胡瓜が、実に絶妙 。
濃厚な旨味でまったりした口に清々しく、
「志ま平」さんの鴨焼き、最高~。
鴨肉好きというわけじゃないのに、
これは全く別物、箸止まらずパクパク 。
この鴨肉に欠かせないこの「鬼下ろし」は、
「これで卸してるんだよ」
見せて下さった、形も珍しい特注の竹製。
微妙な歯の向きが、この鬼下ろしの旨さなんだなぁ…と、
手にとり眺めている間にも、
次々に、鴨に葱、茄子にえのきも焼かれ、
鴨の肉汁をたっぷり吸った茄子にえのきの美味しい事っ 。
これには、やっぱり、熱燗~
「白鷹」熱燗に鴨肉、たまらな~い
二人でぺろりと食べ終えれば、
すっと出された、これも大好きな「蕎麦寿司」 。
ぱりっとした海苔に、薄焼き卵に海老に胡瓜、
そのバランスの巻き加減に、酢の加減の見事さは、
まさに職人の技光る、素晴らしさ
続いて、これも嬉しすぎ、「鶏の煮こごり」 。
玉子が上を覆う、琥珀色の煮こごりは、
口の中でとろりと溶け、中から現れるほろほろの鶏肉。
くぅ~、これ又たまらなーいっ
下のポン酢に、どこかアンキモのような風味もあり…、
さらに…、歓喜の連続、「筍と鴨の焚き物」まで 。
しゃきっと歯ごたえのいい、筍の風味の濃さに、
牡蠣は旨味がぎゅっと詰まり…
はぁ~、もう幸せいっぱい、泣けてきそう 。
美味しい料理に楽しいお酒はくいくいすすみ…、
本当に酔っちゃう前に、
そろそろ、お蕎麦を頂きます 。
見とれる程の、颯爽とした手さばきで、
ご主人、カッコ良すぎです~
目の前に出された、「おせいろう」と「深山」の二色盛り。
繊細優美、ざっくりとした穀物感溢れる細切りに、
細かな蕎麦の星が散る蕎麦は、
手繰り上げた途端、ふわりと立つ、たまらない蕎麦の香り。
心地のいいざらつきに、はんなりとし腰の心地良さ、
ふっと消え、豊かに広がる蕎麦の甘み。
はぁ~…、美味しい…。
久しぶりの志ま平さんの蕎麦に、しばし感動 。
さらに「深山」は、
一見画した、ごつごつと粒浮くワイルドさ。
甘やかで香ばしい、濃厚な香りに包まれ手繰れば、
もちもちとした歯ごたえに、粒の感触を直に感じ、
豊穣とした、芳しき甘みで満たされる…
熟成ではない、素の蕎麦の甘みに香ばしさが、
こんなにも、蕎麦切りに現れているなんて…
手繰る毎にっとりと、どんどんと悦に入り・・・
「蕎麦湯入れましょう」
ご主人の声に、はっと我に帰り、
蕎麦猪口にそのまま注いでくれる、蕎麦湯が又美味しい 。
お替りをしてたっぷりと頂き、
最後の楽しみ、「伊吹だんご」をお願いしたら、
いたずらっ子のような顔で、ご主人にやり。
「ちょっと試してみたんだけど」、
と出してくれたのは、だんごならず…、
蕎麦クレープに、こし餡ときな粉をくるりと巻いた、
「伊吹巻き」
もちもちの風味たっぷりの蕎麦生地に、
とろりとしたこし餡に、きな粉が香ばしく、
んー、伊吹団子に負けず、いやそれより美味しいかもっ 。
幾つものサプライズに、もう感謝の気持ちでいっぱい。
心から、楽しく美味しく、幸せなひと時に…。
ご馳走様でした~
ご一緒して下さったダンディな御仁、ありがとうございました 。
※「鴨陶板焼きコース」は、要予約。

「巽蕎麦 志ま平」
新宿区納戸町33
03-5261-8381
18:00~22:00ごろ
日曜休 (祝日営業)
禁煙
2014年 2月27日 おまかせコース、恍惚の「二色そば」
2013年 4月11日 おまかせお料理、「二色せいろ」新・深山
2012年11月28日 「小粒そば」と極上「鴨の陶板焼き」
2012年 7月25日 「熟成そば」食べ比べ
2011年 5月20日 おまかせコース
2011年 4月27日 お昼に、前菜と「二色そば」
2006年 6月21日 おまかせお料理に「二色そば」
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退院してから、徐々に徐々によくなっていて、
レントゲンでも、きれいに骨がつながってきているようです(^^)。
それはそうと、
人参シリシリ大好きなんです!
沖縄のしりしりおろしって、
こっちのスライサーとは又違うのかしら。
使ってみたいです!
こっちの方は全く行かないからな~
しかし、凄い鬼おろし
当然見たことが無い
ちょっと前のケンミンショーで
具志堅用高さんが
ボクシングする為に上京したての頃
沖縄では必須のお惣菜の
人参しりしりの為の専用スライサーを
ジムの会長付き添いで築地の
食器専門店なんかも廻ったけど
見つからなかった
って話を思い出してしまった
具志堅さんが上京したての頃って
沖縄返還されてそんな経ってない頃
でしょう
そりゃー東京中探しても無さそう・・・
横浜の鶴見だったらあったかもですが
沖縄から疎開してきた人たちが
住んでた街なので今も沖縄県民会館
なんてありますな
リトル沖縄タウンとも
脱線しました
本当はあちらの記事でコメントすべき
だったんでしょうけど
再入院大変でしたね
御快癒おめでとうございます
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