随分ご無沙汰していて、ずっと行きたくて行きたくて…。
池袋から、湘南新宿ライン飛び乗れば、
早い早い、乗り込んだら、20分でもう浦和 。
伊勢丹を通り抜けた、賑やかな商店街の裏側に、
静かに建つビル、アンニュイな「ナカギンザセブン」
その中程にふっと灯りの洩れる、
物憂い、不思議な魅力が漂う、小さな間口 。
浦和 「庵 浮雨」
扉を開けば、はにかむような笑顔のハルちゃんに迎えられ、
カウンターの端に腰を下ろし、久しぶりのご挨拶 。
ああ、やっぱりハルちゃんはいいなあ、
すぐに話込みながら、
今日は昨日より気温も低く、とにかく寒いっ。
即効お願いした、「喜久酔」の燗酒半合。
気持ち熱めに付けてくれたのがうれしく、
口にすれば、ほわっと体が暖まる。
しみじみ、冬の日に口にする、熱燗はたまらない…。
お通しの「自家製豆腐」は、甘みが濃く、
ほろっと口に広がる、濃厚な大豆の風味。
そのままでも、うっとりする程美味しい豆腐に、
塩を散らし、オリーブオイルを垂らせば、
コク加わり、途端にイタリアンに早変化 。
置かれた品書きを手にすれば、
フレンチの心得あるハルちゃんならではの、
蕎麦屋では珍しい、バル風小皿料理がずらり。
お酒の裏には、ワインが豊富に並び…
ハーフサイズでお願いした、5種のタパス。
宝石箱のように、美しく盛られた料理に心トキメク 。
端から、「クリームチーズと梅くらげ」
まったりチーズに、柔らかな梅の酸味がぴたり。
これは旨いっ、しかも、日本酒に絶好な酒の充て 。
「海老とアボガドのオーロラソース」の、
ソースの美味しさは、さすがのもの。
ぷりっぷりの海老にとろりとしたアボガド。
どちらも好物、途端にテンション高くなり…
「タコのガーリックマリネ」の、味加減素晴らしく、
ぷりっとしたタコに、ブロッコリーが絶妙な合いの手
「かぼちゃのマリネ」に、はっとする。
甘くほっこり、なのに「南瓜煮」ではなく、見事ににフレンチ 。
洋風に仕上がった、その微妙な味わいが実に新鮮、
ん~、これも箸が止まらない。
最後の一品は、「帆立のムース 洋風板わさ」。
ほわっほわっとして、確かに確かにこれはムース 。
優しくエアリーな食感に、
口いっぱい広がる、濃厚な帆立の旨み 。
フレンチ多数あれど、これはここにしかないだろう、
蕎麦屋ならではの、フレンチ風板わさ 。
この盛り合わせに、お酒もお替り。
栃木「若駒」ハーフで、しっかりと楽しんで…
そろそろお蕎麦を、と改めて品書きを開き、
定番の中に並ぶ、独特な蕎麦に、
庵浮雨オリジナル、「洋風つけ汁」を眺めていたら…
今夜、予約で「洋風鍋」のお客さんがあるそうで、
海鮮フレンチ「フォメ・ド・ポワソン」を仕込んであるそう。
「鍋が終わった後に出す、オリジナル蕎麦を良かったら…」、
との、嬉しすぎる言葉に、もっちろん、お願いします ♪
…その前に、久しぶりのお蕎麦、
ハーフで出して頂いた「せいろ蕎麦」。
石臼挽き十割、福井の蕎麦はうっすらと緑がかり、
ところどころに甘皮の欠片を盛りこむ、穀物感。
手繰れば、むわりと広がる、馥郁とした豊かな香り。
もちっとした心地のいい腰を噛みしめれば、
それだけで味濃い、深く香ばしい蕎麦の味わい。
ん~、美味しい…。
しかも添えられた、すっきり円やかな汁が又美味しく、
あっという間に手繰ってしまい…
優しいポタージュ仕立て、ゆっくりと蕎麦湯を頂いていれば…
続いて出された、「フュメ・ド・ポワソン・鱈白子ソバ」
ぷっくりとした白子に心そそられ、
色鮮やかな春菊から、ふわっと清々しい香りが立つ。
待ち切れぬように、早速蓮華で汁を一口。
ん~っ、な、なんて美味しいんだろう… 。
まさに、フレンチ。
なのに、とてもとても優しい。
奥深きフォンの旨みの層に、クリームが柔らかに重なる、
この汁だけでもう、すっかり感動 。
何度も何度もその汁を口に運び、
中の蕎麦を手繰れば、もっちりとした心地のいい歯ごたえに、
汁に絡んだ蕎麦とスープの魅惑的なハーモニー。
浮かんだ鯛切り身は、ほろろっと崩れ、
白子は、まったりと溶け、口いっぱいにひろがっていく。
ああ、たまらない…。
これまでに味わった事のない、
鯛に白子のフレンチのマリアージュ。
和出汁を全く使ってないのに、何故こんなに蕎麦に合うんだろう 。
途中で、胡椒を挽き振り入れば、
キリっとしたアクセントが利き、味を引きしめ、
最後に、パルメジャーノチーズをたっぷりとかければ、
とろりと溶け、クリーミィなコクが加わり、
味の変化も楽しい、惚れ惚れとする旨さ 。
手繰る毎に目が見開き、笑み零れ…、
気付いたら汁すっかり飲み干し、夢見心地。
ご馳走様でした~。
ますます、ハルちゃんの実力は先に進んでる。
こ、これは…
是非、「庵浮雨風 洋風鍋蕎麦」も食べてみたい。
寒いうちに、是非、頂きに来なくっちゃ 。

「庵 浮雨 - un peu - 」
埼玉県さいたま市浦和区高砂2-8-11
ナカギンザ内
048-825-0468
11:00~14:00 / 17:00~21:00
月曜定休
禁煙
2013年 4月 5日 「まぜ蕎麦」に、「蕎麦アメリケーノ」
2012年11月13日 クリーミィ「un peu風ごまそば」
2012年 7月27日 「un peu 風まぜ蕎麦(油そば)」
2012年 1月26日 「烏賊のわたクリーム」「ヤリイカのマリネ」に「花巻クリーム」
2011年10月27日 「ほたてのムース板わさ仕立て」に、絶品!「アメリカせいろ」
2011年 7月19日 「un peu風冷かけ」に、新昨ぶっかけ二種
2011年 6月 2日 福井在来の旨さに「サフランクリームせいろ」
2011年 5月13日 お料理をたっぷり堪能、「サフランクリームせいろ」
2011年 1月20日 絶品!「花巻クリームせいろそば」
2010年11月11日 やっぱり旨いっ、「カレークリーム鴨せいろ」
2010年 7月11日 「花巻クリーム」せいろそば
2010年 6月29日 絶品「タラコの燻製」、「トマト蕎麦」と「カレークリーム鴨せいろ」
2009年11月12日 「カレークリーム鴨せいろ」に、「鰊のトマト煮」
2009年 9月29日 祝!開店。「燻製」に舌づつみ、香り高い「おろしそば」
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今年もよろしくです。
本当に、日本人でよかったって思います。
お蕎麦って何にでも合っちゃうんですよね♪。
開くブログ間違えたと思いましった
元々大陸から渡ってきたのだし
お蕎麦って洋風でもいけるんですよね
でもイタリア人もパスタがるあるわけで
麺状の食べ物は好きでしょうし
当然中国人も麺は好きなはずなのに
蕎麦粉を麺にできたのは日本人だけ
ってなんて誇らしいんでしょう
まあ、奈良時代くらいに渡ってきて
安土桃山時代後期か江戸時代初期に
ようやく茹でて食べられる麺状の
お蕎麦は完成したようですが
いや、これだけの歳月をかけてでも
すすって食べられる麺を
目指した日本人の麺好き度って
そしてそれをさらにこうして
変化をつけて楽しむっていう
やっぱ日本っていいわって思います
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