駅から歩いてきたら、足はすっかり悴んで、
どきどきしながら扉を開けば…
変わらぬ、穏やかに微笑えみで、迎えて下さるご主人。
お悔やみの言葉を伝えつつ、熱燗をお願いすれば、
すすっと添えて出された、「温奴」に、「奈良漬」二種類。
ほわっと香り立つ、「磯自慢」特本の熱燗はすぐに体を温め、
そっと出された、烏賊のつけ焼きに、
クリスマスムードで、「生ハム」(持ち込み)でしっぽり。
「きぬたや」さんの奈良漬は、いつも本当に美味しいなあ 。
同じ想いを…、
いや、愛妻を亡くした気持ちは、きっと私以上。
ゆっくり穏やかに語る言葉の中に、深い悲しみを感じながら、
3人でしっとりとしたひと時を共有し…
「そろそろお蕎麦お出ししましょうか」
のお言葉でお願いした、蕎麦4種。
一枚目、北海道「牡丹」、電動石臼挽き、40メッシュ。
ふわりと広がる香りは、フレッシュ。
コリっとした腰に、甘みと芳ばしさが交差し、
さすが「牡丹」ならではの旨みがしっかり引き出されてる。
旨いっ
2枚目 「川越」(矢島さんの)常陸秋そば 23年収獲物
手繰りあげた途端に広がる、濃厚な香り。
もっちりとした腰に、噛みしめた途端に広がる豊潤な味わい。
お、美味しい~~。
3枚目 川越 「常陸秋そば」 粗挽き24メッシュ
手繰り上げた香りは、同じく濃厚、再びうっとり。
噛みしめれば、キシっと粒感が感じられ、
その途端に広がる、味わいの濃さに思わず唸ってしまう 。
そして…、4枚目、雲南、横田の小そば 31メッシュ
行ってきたばかりの、感慨深い、横田の小蕎麦。
香りはやや穏やかだが、
やはり…、この深く芳ばしく甘い、
この蕎麦はなんて、美味しいんだろう…
あっという間のめくるめき、きぬたやの4枚の「蕎麦」。
ほおっと余韻に浸っていれば…
蕎麦湯と共に出された、「釜上げ蕎麦刺し」
もっちもっち、噛みしめる毎に芳ばしさ広がり、
しみじみと美味しく、ゆっくりしっかり味わって…
ご馳走様でした~
「私の蕎麦を、誰よりも応援してくれた妻のためにも、
これからも、静かに、しっかりと…
蕎麦だけは、打っていきますから 。」
悲しみ抑え、頬笑み語るご主人の言葉に、涙そそられ…
大丈夫、蕎麦がある。
そして、私もご主人が打つ限り、頂きに訪れたい 。

「きぬたや」
国分寺市東元町3-19-34
042-326-7399
11:00~16:00 / 17:30~20:00
(夜の部は15時までに要予約)
月曜、第1,3火曜
禁煙
2013年 9月10日 「夏そば」食べ比べに「辛味ぶっかけ」
2013年 5月16日 心に響く手挽き蕎麦
2012年 8月12日 4種の蕎麦
2011年 6月 9日 六種の蕎麦
2011年 3月 2日 「5種の蕎麦」
2010年 5月19日 「6種の蕎麦」食べ比べ
2009年 9月 9日 「天ぷら」に絶品6種の蕎麦
2009年 8月19日 再び訪問、6種の蕎麦を堪能
2009年 6月24日 「『きぬたや」にて、野菜天ぷらにせいろ三種」
移転前のお店
2006年 9月13日 「賛・きぬたや」最後に頂く蕎麦三種
2006年 2月23日 私の為に打ってくれた蕎麦
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いつかきっと…
そんな日を私も楽しみにしています。
これからも、宜しくお願いします。。
本当に仲の良いご夫婦だっただけに、
静かに語る言葉の中の、深い悲しみが感じられ、
胸が痛かったです。
我々は皆、愛する人を心に大切にして、
生きていかねばならないんですね。。
きっと、これからもずっと。
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