今季最後の西立川での任務を終わらせて…、
お腹を空かせ、途中下車した昼下がり 。
駅名そのまま、改札出たら、すぐ目の前を横切る青梅街道を歩いていくと、
程なく見えてくる、しかと書かれた「手打ち蕎麦と酒」の看板。
凝った飾りたてなど何もない、一見定食屋風の素朴な佇まい。
この、素のままのお店が、疲れた身にほっとするなあ
青梅街道 「蕎麦と酒 佳蕎庵」
そろそろ2時になろうとする時間、
既にお昼のラッシュも過ぎ去り、他にお客さんも引けた店内で、
柔らかな笑顔のご主人が、暖かく迎えて下さる。
「足はもう大丈夫ですか~」の言葉がうれしく、
何はともあれ、まずはチェック、「本日の蕎麦」 。
ふむふむ…、今日の粗挽きは福井大野在来種。
生粉打ちは、新そば、北海道の北早生。
と見ていると…、
「粗挽きはトム臼挽きで、打ちたてと三日熟成がありますよ~」
の言葉に知らず知らずに顔がにんまり 。
すぐにお蕎麦を頂きたい気持ちはいっぱいだけど…
その前に、落ち着いて、一献蕎麦前をば 。
定番のお酒の品書きを眺めていると…
今、こんなのも揃えてますよ、と出して下さる、
ボードに手書きされた「いつもは置けない目玉の日本酒」
中から、ご主人のお勧めは「秋とんぼ」
秋らしい、「秋あかね」のラベルにほっこりとさせられ、
ハーフで頼んだお酒は、かわいらしい半合用の徳利に注がれて。
添えられたお通しは…、うわぁうれし~いっっ「生たらこ煮」。
さっと品よく炊かれた鱈子のぷちぷち感がたまならく…
(もっと食べたい…)
改めて、置かれていた品書きを手に見る、定番の「おつまみ」に、
ずらりと並んだ、本日のお勧めお料理。
「小平産ニラ玉」や、すっかりお気に入り「真ホッケのフリット」
「春菊の掻き揚げ」や、「真蛸とアボガド」などなど、
あれこれ食べてみたいものが並ぶが…、
お蕎麦もたっぷり食べたいし、悩んだあげくお願いしたのは、
「真烏賊の一夜干し(ハーフ)」
自家製ならでは、軽く干しされた烏賊は、しっとりふわりと柔らかく、
烏賊ならではの旨みが広がり、これはお酒がススムススム。
再びお薦めされた「遊穂」冷やおろしもハーフで追加。
あっ、この半合用徳利も、一輪差しのようで素敵。
半合用徳利が用意されているのは、うれしいなあ…
他にお客さんのない店内で、お酒を頂きながら、
あれこれとご主人と話す蕎麦談義が又楽しく…
そろそろお蕎麦を頂こう。
と、再び品書きを手に取り、お蕎麦の品書きを開いてみると、
ボリューム満点、CP抜群のランチメニューは、
今日は又初めてみる、とろろご飯のつく「健康ご膳」。
ご主人、いろいろとよく考えるなあ…
さらに、密かに楽しみにしていた「季節のそば」には、
早くも、いくつかの温蕎麦が登場し始めてる。
「月見おぼろ」にちょっと心惹かれたが…
トム臼挽きの粗挽き蕎麦を、ダイレクトに素のまま味わいたい 。
と、打ちたてと3日熟成の二種に、生粉打ちの三種を、
ちょっとづつ盛って頂く事に。
頼むとまず出される、甘口と辛口の二種のもり汁。
待ちながら舐めてみる二つの汁は、奥行き深くどちらも旨いっ。
と、吟味していると、まず出されたのは、
打ちたての丸抜きの粗挽き、福井大野在来種。
かなり太めに断たれた蕎麦は、ぷつぷつと粒が盛りあがり、
顔を寄せれば豊かに匂い立つ、ふっくらとした香ばしき香り。
ああ…、いい匂い~
透明な蕎麦粒の輝きに見入り、手繰り口にすれば、
もちもちっとした、しっかりとした歯ごたえ。
ぎゅっと粒が押し詰まった弾力を、ゆっくりと噛みしめれば、
じわじわと香ばしさに甘みが、口いっぱい満たしてくる。
噛みしめる事で広がる蕎麦粒の旨み、
こ、これは…!
先日食べた、富士市の「こばやし」さんの「香味」を思い出す。
これまでの手挽きでの田舎とは、又違う、
これは、美味し~い
トム臼#9挽き入り蕎麦を、じっくりと味わい尽くせば…
すっと出される、同じ福井大野在来種の粗挽き、三日目熟成。
一目みて分かる、色みに濃さが出た、一枚目よりはやや細め。
顔を寄せるまでもなく、むわ~と広がる香りは、
全く異なる、甘みのある、熟成ならではの、だだ茶豆に通じる香り。
ああ…、やっぱりこれにはうっとり~
香りだけでも酔いしれながら、噛みしめれば、この太さは食べやすい。
もちもち感は同じ、そこに喉越しの良さが加わり、
噛みしめれば、濃厚なナッツ系の香ばしさに甘みが広がり・・
ん~っ、これはやっぱりたまらな~いっ 。
玄挽きとは又違う、品の良さがあり、これはいいなあ。
三枚目は、やっぱりこれも食べたい「新そば」の生粉打ち。
先の二枚に比べてがらりと変わる、極細クラスの細打ち。
ピンっと張り、凛々しくすらりと伸びた蕎麦は凛然とし、
手繰り口にすれば、ぷりっとした跳ねるような腰があり、
その粋ある歯ごたえに喉越し爽やか。
手繰るうちに、じわじわ甘みが口に残り、これも旨いっ。
そのままで味わい、二種の汁に浸しそれぞれを試し、
と、三種の蕎麦をあっという間に食べ終えて…
こ、ここまで来たら…、又しても悪いクセがムクムク 、
まだ食べた事のない、「かけそば」も食べてみた-い。
と、ちょこっと盛りで作って頂いた、二八蕎麦での「かけそば」
琥珀色澄んだ汁は、ほんのり甘めの優し~い味わい。
飲んだ後に、心地よく染み滋味深く、思わずああ…と声が洩れる 。
中の蕎麦は、温そば用に、とやや太めに断たれ、
熱々汁の中に浸り、もちもちとした腰が心地いい。
ここのかけそばも、美味しいなあ…
と手繰っていると…
よかったら、と出して下さった、「おぼろ月見」の、おぼろ昆布。
途中でこれをふわりとかければ、途端にとろ~と汁に溶け、
ほろりと昆布の絡まる蕎麦を口にすれば、
こっ、これは美味し~い
溶けていく、優しいとろろ昆布の口当たりに、
蕎麦に纏わり広がる、上品で柔らかな昆布の出汁の旨さ。
ううむ、これに玉子が加わるとなると…
「おぼろ月見」是非とも頂いてみなくては 。
と気付いたら汁まですっかり飲み干し、完食完飲~。
とろとろポタージュ蕎麦湯も頂き、二つの汁の旨さを味わい、
ゆっくりと頂き、余韻を楽しみ…
ご馳走様でした~
一人でも良し、グループでも良し、
がっつりお昼にでも良しの、素晴らしきお店。
「もっとトム臼、研究してみます」
の言葉がうれしく…、又来るのが楽しみ、楽しみ

「佳蕎庵 - KA KYOU AN - 」
小平市小川町2-1362
042-347-0655
11:30~14:00(土日15:00) / 17:00~22:00
月曜、第3火曜 定休日
分煙 P4~5台
2012年 7月15日 「真夏日の昼の蕎麦屋酒」蕎麦三昧にうどんに肉味噌丼
2012年 6月 6日 「お蕎麦屋さんとの宴」
2012年 5月 6日 「づけ丼ランチ」と、「カレー丼ランチ」
2012年 4月27日 「大多喜の筍と蕎麦の夕べ」
2012年 3月25日 「ホッケづくしの宴」
2011年11月 6日 「つけ玉湯だめそば」
2011年 7月 2日 「冷やかけそば」に「もりうどんセット」
2011年 3月20日 ランチのコスパ満点「カレーセット」
2010年 5月 5日 「佳蕎比べ」に「おろし蕎麦」
2010年 3月 2日 「三千盛」熱燗で「焼き味噌」、「味くらべ」
お店からちょっと歩いたところには、
ご主人が栽培している、蕎麦畑。
真っ白な花が咲き揃った、キタワセ。
自家栽培、自家製粉、小平産キタワセの新蕎麦も、とっても楽しみ
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そうそうそうそう、
今度は違う会場で、
ぜひ、お酒を飲みながら・・(^^)
ああ、もう一度食べたい…
と、思い出してじゅるり(^^l
又、蕎麦湯のトロトロ具合がとっても私好みです。体があったまるんですよね。
ぜひぜひ、何時の日には、伺えるよう、祈るばかりです。
セットものもあるので、男性も、大満足してもらえるはず。
玄冶さんもすごいですね~。
私も、好きなお店が、繁盛しているのは、やっぱりとてもうれしいです。
夏でも冬でも、お蕎麦はいいですよね(^^)
小平の蕎麦畑は通勤の時に見ています。
注意してみるとあちこちに有りますね。
蕎麦畑。
最近、東久留米にも有るのに気付きました。
どこのおそば屋さんで食べられるのでしょう?
いつも参考にさせていただいていますが、コメントは初です。
佳蕎庵さん、人気ありますよね!
秋口から4回ほど、土曜日に夫を連れて伺いましたが、どれも色んな理由で(蕎麦が切れたとか、その日に限って2時で終了だとか…)断念せざるを得ないことばかりでした。
私は久米川が最寄駅でして、玄治さんも大好きですが、やはりいつも混んでて、最近は若い男性の方がスタッフとしていらっしゃる様子。
何はともあれ、美味しいお蕎麦屋さんが繁盛するのはいいことですよね(^^)
写真見てたら食べたくなりました。
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