今夜は憧れのU女史と、最近ちょっとお世話になった御方と、
移転早々に訪れて以来、又伺いたくていたお店で待ち合わせ 。
日本橋人形町の入り組んだ路地の又路地の中、
冷たい雨が降る、静かで閑散としたビルの間に、
通り過ぎてしまいそうな程、そっと置かれた小さな看板。
奥のちょっと怪しげなエレベーターに乗り上がれば…、
すぐ目の前には、格調高いオーラ漂う、木の扉に、
品ある小さな紫紺の暖簾が下げられている…
人形町 「仁行」
扉を開けば、和服に身を包んだ花番さんが、優しい笑顔で迎えて下さり、
一年ぶりに訪れたお店は、すっかり落ち着いた清潔感漂う店内。
厨房を囲むカウンターの端に並んで3人腰を下ろし、
まずは、乾杯、サッポロ黒ラベル(小瓶)を頂けば…、
充てに出されたのは、炒り蕎麦の実が混ざる「蕎麦味噌」。
コースでお願いしてた今日は、品書きを見て悩む必要もなく、
程なく出された「前菜」は、烏賊の糸作りが添えられた「もずく酢」。
さっぱりとして繊細な小鉢料理に、早速お酒 。
と、お酒のリストの中から選び、まずお願いした「阿部勘」は、
内ひび貫入グラスの徳利に、細工の美しい猪口が添えられ、
素敵な酒器で頂くお酒は、一層美味しく感じるなあ…
大好きなお二人との話も楽しく、
次のお料理は、「直焼き鰻に卯の花」。
皮目ぱりぱりっと香ばしい鰻は、蒸して出される江戸前の鰻とは又違う、
余分な脂が落ち、中はふっくらとしてとても美味しい 。
添えられた卯の花の、上品な出しの味わいに、お酒も進む中…、
「お熱いので気を付けて下さい」と、ぐつぐつした陶器の中は、
「鱧の柳川風玉子とじ」。
玉子はふわとろり、下には柔らかな牛蒡がたっぷりと沈み、
丁寧繊細に骨切りされた鱧はほっこりほわわ、
口に入れた途端にほろりっと溶けてしまう、繊細な口当たり。
京風のすっきりとした汁が又優しく奥行き深く、これは美味し~い 。
早速お酒もお替り、「黒龍」いっちょうらいをお願いすると…
ピンク鮮やかな色を残した、「牛タタキのサラダ」が程なく出される。
はらりとかかったタレが絶妙な牛タタキはふっくら柔らか。
臭み全くなく、新鮮なレタスと一緒に頂いて…
その後に出されるのが、「おでん」というのが又楽しい 。
ぷりっとした歯ごたえ楽しい烏賊に、味の染みた大根、
ほのぼのとする丸蒟蒻に、質のいいすり身の、揚げボール。
何よりも、ざっくりとミンチされた鯵つみれが、実に美味しく…
おでんと来たら、早速熱燗~。
「三千盛」の熱燗は、ひょうたん型の絵付け徳利。
これで、まったりと楽しんで…
いよいよ、石井さんの打たれた「お蕎麦」が出される。
コースにつく蕎麦は二種、まずは基本の「もりそば」から。
簀の上にこんもりと盛られた蕎麦は、凛とした超細切り、
石井さんの蕎麦独特の、きめ細やかな繊細精妙な佇まい。
一手繰りすれば、何本もの蕎麦が箸に絡まり、
豊かな蕎麦の香りがふわりと鼻孔を掠めて行く。
しゃきっとしてするり、軽やかな蕎麦は噛みしめる間もなく喉を落ち、
飲んだ後にたまらない、心地のいい爽やかさ。
後からふっと香ばしさが喉元に戻り、これは美味しい…
と、あっという間に食べてしまい…
二枚目は、冷やかけ汁がかかる「おろしそば」。
真ん中にはこんもりと大根おろしがたっぷり盛られ、
すっきりとして上品、清らかな出汁の汁と共に頂くこの蕎麦は、
なんて心地いいんだろう…。
きりっとした大根の辛味は清涼感溢れ、
飲んだ後の体に、すぅ~っと清々しさが広がっていく。
ああ美味しい、とこれもするすると食べてしまった我々は…
もうちょっと、石井さんのお蕎麦が食べたい 。
と、お昼の品書きの蕎麦を眺め、お願いして作って頂いた三種の蕎麦。
まずは、「白湯すっぽん汁に牛すじを煮込んだ」というのが気になった
つけ蕎麦との「カレー南蛮」。
まずはそっとこの汁を口にすれば、これがおいっしい~
柔らかく上品、じっくりと様々な凝縮した旨みが溶けあった出汁に、
カレーの優しい辛さが和とが見事に溶けあう、極上の美味しさ。
極細の蕎麦は、たっぷりとこの汁が絡まり、
この汁と頂く蕎麦の美味しさに、手繰る手が止められな~い 。
中には、ほろほろ崩れる柔らかな牛スジがいくつも入り、
得意ではなかったはずなのに、牛スジの美味しさを再認識 。
ここでつけ汁を交換~、
沖縄、琉球在来のブランド豚「アグー豚のつけ汁」。
これに蕎麦を絡めてみれば、こっ、これも美味っし~いっ。
豚のとろけるような贅沢な甘みに、
濃厚であるのに、柔らかく品のある豚の旨みが染みたこの汁。
さすがっ、アグー、これは美味しい…
と、最後の一皿は、その盛り付けも美しい、「揚げ花そば」。
薄紅桜海老の天ぷらに、揚げ玉、細切り焼き豚に、
若芽、とんぶり、貝割れが周りを彩り、真ん中には温泉玉子。
すべての具を、おもむろにざっくり混ぜ頂けば…、
桜海老の香ばしさがふわり、揚げ玉のコクが加わり、
若芽は磯の風味をほのかに加え、カイワレ大根がしゃきっと爽やか。
ここに温泉玉子が絡まって…と、手繰る度に楽しい一皿 。
と、交互に回して、感想交わしながら食べるのが又楽しく、
すっかり堪能、大満足 。
程よく白濁した熱々蕎麦湯で、まったり余韻に浸っていると…
最後にうれしい、デザートが。
しかも、これが感動的な程、美味し~い、「苺のムース」。
とろ~り絹のように滑らかなムースは、苺ミルクの甘酸っぱさ 。
口に含む毎に、うっとり幸せな心地にさせるデザートに…
心から満喫した、美味しく楽しいひと時。
ご馳走様でした~
今年も名物トマト蕎麦が出たら、又食べに伺いたいな。
U様、そしてS様、本当にありがとうございました~
そして、Tちゃん、会えてうれしかったです。

「仁行 Ningyou 」
中央区日本橋小舟町6-16 グリーンビル4F
03-5695-8117
11:30~13:30 / 18:00~21:00
日曜定休(祝日ランチのみ営業)
禁煙
お店のHP
2010年12月 3日 「夜の懐石料理(おまかせ)」
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