昼とも夕方とも言えない、遅い午後。
昼酒をしているお客さんがいるのが、微笑ましく…
私もテーブルに腰を下ろし、気付いてくれたご主人にちょんっと挨拶すれば、
よしっという、目の合図 。



出してくれたお酒は、初めてみる、新政酒造の生酒「亜麻猫」（あまねこ）。
名前だけで、うれしくなってしまうお酒は、気品溢れた柔らかな味わい。



気になりラベルを見れば、初めて見る「白麹酛」。
興味深く裏ラベルをしげしげじっくりと読んでみると、
これは面白い、焼酎の造りを参考にして、白麹で作られたお酒のよう。



本当に最近の蔵人さん達の、発想に努力は目まぐるしい…
と、充てに出された若芽と胡瓜の酢のものをつまみつつ、



充てにお願いしたのは、「三点盛り」。
豆腐の味噌漬け「豆べい」に、「塩辛」、それに「蕎麦味噌」、
の、お酒の充てにたまらない盛り合わせ 。



ん～っ、どうして塩辛ってこんなにお酒に合うのかしら～。
と、ゆるゆると楽しませて頂いてると…



「食べて見て」と出された、新メニューの「じゃこおろし」。
たっぷりの大根おろしにちりめんじゃこは、大好物。
質のいいじゃこは味わいもよく、これが品書きになるなんてうれしい限り 。



と早速お酒もお替り、次のお酒は「笹の誉」。
直汲み生純米吟醸「ひとごこち」の、
すっきり清らかフレッシュな味わいにうっとりとしていると…



目の前に出された雑誌「東京人」は、すぐそこの、成蹊学園特集。



わあお、すごい、１ページまるまる紹介されているよん。
ちょっとはにかみ、うれしそうに見せてくれるご主人が、愛らしく…



これは祝い酒っ、と再びお酒もお替りすれば、
次に出してくれたのは、「根知男山」。

おっ、これも美味しいなあ、と頂いていると、一人、又一組…と、
まだ夕方には早い時間にも関わらず、次々にお客さんがご来店。
今日は、忙しくなりそうな気配。私は、早々にお暇しよう。



と、早速お願いした、「粗挽き蕎麦」。
…に、今日のイベントにあやかり、鶉の玉子を追加で注文 。



福井の蕎麦の粗挽き熟成。
置かれた瞬間に、むわんと広がる、独特の甘～いナッツ香。



手繰り口にすれば、もちっとした心地のいい腰に、
途端に広がる、ふっくらと香ばしく甘い、濃厚な味わい。
汁など何もいらない程の、この穀物の味わいに、今日も又酔いしれて…

しばし、このままの蕎麦を楽しんだ後は、


添えてもらった、鶉の玉子を…








そおっと汁に落とし入れれば、





（無理やり）猪口の中で、小さな金環日食～。



と、この鶉に絡めた蕎麦は、玉子のまろやかコクが加わり、
分かっていても、やっぱり美味し～いっ。



と嬉々としていると、そっと出してくれた、
長野伊那の丸抜きで打たれた「生粉打ちそば」。



穏やかでしっとり、落ち着いた豊穣なる香りが漂う蕎麦は、
ほのかに蕎麦の欠片が浮く、かすかなる粗びき仕立て。



口に含めば、しっとりと快い腰が歯に当たり、
噛みしめれば、ふっくらとした香ばしさがじんわり広がりこれも美味しい。



と、これも鶉入りもり汁で楽しんだりして、
やっぱり「中清」の蕎麦は旨いっと、一人静かにほくそ笑み…

ご馳走様でした～

あちこちで注文が飛び交い始め、
中清の夜は、いよいよこれから…。

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