麻布十番でお蕎麦屋と言えば、堀井さんに布屋さん。
と、ばかり思っていたのだが…、
実は、商店街から離れた大通り沿いに、もう一軒の「更科」さんが 。
すべて「更科」でも、それぞれが別のお店。
今日は、お誘い頂いて、うかつにも知らずにいた、お店へ初訪問 。
高速道路の高架下、車が激しく行きかう大通りの角に、
老舗蕎麦屋の醸す、何とも言えない風格あるオーラが漂っている 。
麻布十番 「麻布永坂 更科本店」
扉を開き入れば、すぐ横には、ぴしっと清潔に整えられた打ち場があり、
すぐに出てきて迎えてくれるのは、着物に身を包んだ花番さん。
折り目正しく、言葉丁寧で、優しい笑顔。
なんて心地のいいもてなしだろう…
と、通されたテーブルに腰を下ろし、まずは蕎麦前。
中から選んだのは、京都のお酒「澤屋まつもと」。
涼しげな硝子の猪口に注ぎ、そっと乾杯。
すっきりとして清らかなお酒で、ほっと一心地つき、
ようやく置かれていた品書きを手にしみれば、
これは又面白い、ランチ限定「そば付きカレーごはん」。
「そば好きにはたまらいお品です」の文句に心惹かれる、
「せいろ」に「かけ」、「玉子焼き」に「とろろ」の付く
お昼のセット「土用・寒そばセット」などがあり…、
「せいろ」も「かけ」も両方食べたい私にはこれはうれしい 。
と、お蕎麦は後出しで、これをお願いする事にして、
さらに、レギュラーメニューの品書きを開けば、
これが嬉しくなるほど豊富な品書き。
常時ある蕎麦屋のつまみから始まるお料理に加え、
「今月の逸品」との、美味しそうなお料理がこれもずらり。
さらに、産地もきちんと明記された「本日の活魚」に、「本日のおすすめ」。
見ているだけでも楽しい品書きを、あちこち眺め…
中から、やっぱり頼んでしまう「香の物盛り合わせ」が美しい 。
糠漬けは胡瓜に茄子、甘い人参。
牛蒡の醤油漬けにつぼ漬けがあり、
赤蕪漬けに、野沢菜浅漬け、さっぱりとした柚子大根。
どれもがきちんと美味しい漬け物に、すっかりうれしくなっていると…
程なくだされた「湯葉巻き海老しんじょう」が、美味しそ~う 。
巻かれた湯葉は、狐色香ばしくからりと揚げられ、
添えられたピンクの粗塩を添えてかぶりつけば、
包まれた湯葉はパリパリっと香ばしく、中にはぎっしりと詰まった海老ミンチ。
ふんわりとして海老の旨みが凝縮し、こっ、これは美味し~い 。
と、「澤屋まつもと」を今度は熱燗でお願いしての、温度違いの飲み比べ。
その間に、セットの玉子焼きにとろろも置かれ、
関東の、甘めの味付けの玉子焼きはわたしの好み。
ほっこり気分に浸りつつ、神戸「福寿」の熱燗おお願いし…
お声かけして出してもらった、セットのお蕎麦。
ここで初めて知った、これは機械打ちのせいろだそう。
(別に「手打ちせいろ」もあるそうで…)
とは言え、手繰り口にした蕎麦は、きりっとした腰があり、
喉越しよく、江戸蕎麦の良さ携えたきちんとした美味しさ 。
下手な手打ちよりも美味しい、としかと思わせるものがあり…
セットについていたとろろを汁にそっと落とし、
絡め頂く蕎麦は、確かに旨い 。
そして…、「せいろ」を楽しんだら、次は「かけ」。
琥珀色に澄んだ、清らかなかけ汁は、口に含んだ途端に、
ほお…と感じ入る、優しく柔らかな上品な味わい。
ああ、このかけ汁は、美味しいなあ…
と熱々の汁を纏い、ほろりとしとした蕎麦にしみじみとさせられ、
添えられた揚げ玉をそっと入れ、絡め手繰れば、
途端にふんっと揚げ玉のコクが加わり、この相性の良さは言わずもがな 。
後は夢中で手繰り手繰り…
最後にさらりとした熱々蕎麦湯を注ぎ入れ、余韻を楽しむひと時。
お料理のセンスの良さに、江戸ならではの粋な蕎麦。
そして何よりも、花番さんどの方も、きびきびとして笑顔携え、
心地のいい応対をして下さるのが、とてもうれしい 。
つくづくと、いいお店だなあ…と、心底感じ入りながら、
終始心地のいい中、席を立つ。
老舗の良さをきちんと押さえた、中休みなしの素晴らしい江戸蕎麦屋。
ここは又是非再訪したい、と心にしかと誓いつつ…
ご馳走様でした~
今度は、「手打ちそば」も食べてみたいな…♪。
O様、…そして、K様、ありがとうございました~
「麻布永坂 更科本店」
港区麻布十番1-2-7
03-3584-9410
11:00~21:00
月曜定休
禁煙
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行かれていたんですね~。
今もやっているなら、ちょっと行ってみたくなりました(u_u*)~
今もやっているのかな?。
月曜日が定休日。
大昔のレポですが・・・・・・
http://blog.livedoor.jp/himantai/archives/50366571.html
ご参考に~~~~(汗)。
そうなるとちょっと気になっちゃいました。
調べてみます(^^)
こちらのご出身の「百寿庵」と言う手打ちのお店が、ありました。
お伺いしたのは、6~7年前です
今も、あるのかしら・・
ふと、思い出しました(*'∀`*)ニコ
今回は、おっしゃられたように、麻布十番から向かったのですが、あちこちに寄りたくなるお店がありますよね~。
このおつまみ、すごいでしょっっ。
しかもきちんと美味しいからうれしい限り。
その後の用事さえなかったら、もっと飲み食いしちゃいそうでした(^^;
麻布十番、大江戸線と南北線が通ってから、本当に便利になりました。
でも、意外に、なかなかいかないところだったりもしるのですが、行くと楽しい町です(u_u*)~。
小諸そば、私も好きですよん♪
「長寿庵」さん、今度行ってみますね♪
おでんそば、、なんかヌキで食べたくなりそうな…(^^;
確かに、団子坂ならぬ芋洗い坂からテクテク順番に降りてきて、
一の橋交差点までに引っ掛からず辿り着くことは・・・
まずありえないですね(汗; 右に曲がって川上庵とか松玄とか
だから、敢えて十番の駅で降りて(=逆から)狙わねばなりませんが、
なかなかその気にならない...。
(習慣というものは恐ろしいもの
そう言えば、当方比較的近い「さ〇さ」店主の佐野氏がこちらのお店
(「更科本店」さん)に行かれると語っておられたと記憶。
(お使いのスタジオが近いらしいのです
江戸蕎麦らしい感じ、出てますね。
それに、お品書きの豊富さに圧倒されます。ここに寄ったらとても
「◎面」では帰れないねえ。(=一泊二日コースになっちまう...
お漬物も最近多い浅漬け系よりも
しっかり味が染みてそうな感じも
老舗っぽいですね~
以前から気にはしてるお店ですが
敷居が高そうなのと
麻布って足が遠いのよね~
そうそう麻布の名店とは対極ですが
職場の近所の小諸蕎麦がリニューアル
今まで店員さんが持ってきてくれたのが
セルフになってしまったのが
逆に蕎麦湯がカウンターに置かれて
他の小諸に合わせた形になって
飲み放題で蕎麦湯天国ですよ
以前も店員さんに頼めば良かったんですが
忙しい最中に声掛け辛くて
こんな時に気弱が出てしまうんですが
もう気軽に飲めます
ちゃんと湯桶が置いてあるのが
他の小諸に勝る
これは以前の形態から食器を
処分しなかったから残ったんでしょうね
嬉しい
いつもお客さんで賑わっています。
が・・・・・。
チト敷居が高い(笑)。
普通の街のおそば屋さんが麻布山脇の「長寿庵」だけ(汗)。
ほとんどのお品書きが5~700円代。
そして美味しい。
たまには「おかめそば」「おでんそば」でもどうぞぉ~~(^o^)/。
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