冬に続いて、今は、青春18切符の春期間。
今回は、なかなか足を運ぶ事がない、小田原周辺に行ってみたい♪、
…というのが、私たってのリクエスト 。
行程など考慮した結果、18切符ではなく、小田急線の旅に急遽変更。
この切符を手にして、強風吹き荒れる新宿を出発~
と、うっすらと晴れていた天気が、進むにつれて窓に雨粒が附きだし始め、
目的地「蛍田」の駅に着いたら、土砂降りに横殴り猛風の大荒れ天気。
それでも…、行かねば、いや、、行きたい 。
と、えんえん、嵐の中、文字通り飛ばされながら、
まるで、泳いでいるかの如く、おおよそ30分、嵐の中を歩き続け…
ようやくお店に辿り着いたらら、がくんと力が抜けるよう。
つ、着いた…
兄弟店である、国領の「星月」さんしか伺った事がなく、
一度、小田原のお店に来てみたいと、ずっと思っていたお店 。
小田原 「手打そば 星月」
開店までの15分が、果てしなく長く感じながら、
ようやく、暖簾が掛けられ、優しい笑顔で通される。
一番乗りで入った店内は、外光が差し込む、和やかで心地のいい空間。
窓に面して、ゆるいカーブを描いたゆったりとしたカウンタ席に、
テーブル席は、空間を贅沢に取って配された4席ほど。
「お好きなところにどうぞ」とお茶と共に迎えられ、、
ソファー席を選び腰を下ろしたら…、
嵐の中潜り抜けここに座っている事に、感慨も又ひとしお 。
ま、まずは、すっかり乾ききった喉に、ビールが飲みたい…
と、すぐにお願いした恵比寿ビールで、無事到着した事に、乾杯~。
喉も潤い、ようやく安堵し、「一品料理」をいくつか注文。
すぐ出された「板わさ」は、さすが小田原、蒲鉾の街。
何切れも盛られた板わさは、間違いのない味わい 。
「茄子の揚げ浸し」は揚げたて、たっぷりの白髪葱が天盛りされ、
銀皮艶々と輝く、しっとりほろりとした「ニシンの甘炊き」。
ずらりと並んだお料理を前に、早速お酒を。
ここでのお酒は、地元神奈川のお酒、「丹沢山」。
すっきりとして軽快な喉越しのお酒を味わっていると、
程なく出された、二つに分けて盛られた「掻き揚げ天ぷら」(イカ入り)。
さっくさくの衣は、箸を入れれば、サササと崩れとても軽やか。
油っぽさ全くないかき揚げの中には、さすが、これも干物の小田原。
よくある甲烏賊ではなく、烏賊一夜干しが切り分け、いくつも入り、
ぷっくりとして、イカの味が濃く、これは美味し~いっ
添えられた塩を付けてみれば、これも珍しい胡椒塩。
ほのかに広がるスパイシーなテイストが、キリっと締りいいアクセント。
と、この美味し~い掻き揚げに、今度は熱燗でお替りをして…
ふと見渡すと、店内はあっという間に満席になり、待ち人までも。
週末とは言え、この嵐なのに、さすがだなあ…
と、人気の程を感じながら、我々もそろそろお蕎麦を頂こう 。
と品書きをみると、なる程、週末は一人一人前限定との事。
齢70を超えたというご主人、無理なさらずに頑張って頂きたい… 。
と、冷たいそば、温かいそばの品書きから、三種選んで注文。
まずは、基本の「せいろそば」。
一人前二枚、それを一枚づつ出してくれるというのも、丁寧な配慮。
早速、念願の蕎麦を目の前にすれば、
穏やかに、きちんと、すぅ~と広がる清々しい蕎麦の香り 。
しかと見つめれば、なんて美しいんだろう…。
滑らかに伸びた繊細な細切りの蕎麦は、澄んで清らか、神々しい輝きを放ち、
静かに、蕎麦の息吹が感じられる、儚く埋まる蕎麦の陰影。
手繰り口にすれば、優しくたおやか、心地のいい腰を感じ、
その途端に、ふっと溶けてしまうかのように、喉を過ぎ落ちている。
ふわっ…と、残していく、穏やかで優しい、蕎麦の味わい。
ああ、これは美味しい…。
ガツンとした強烈な美味しさではなく、
大海に注ぎ込む、穏やかな川の流れのような、悠然とした落ち着き。
けれん味のない心の芯に響く、高潔なこの蕎麦。
思わず感動を覚えながら、心をこめて手繰り味わい…
続けて出されたのが、気になっていた「納豆そば」。
平口薄い丼に、蕎麦が盛られ、上に盛られた具が楽しい 。
挽き割り納豆に、卵黄、たっぷりの大根おろしに、鰹節と刻み海苔。
思わず、これも混ぜてしまうのが惜しくて、
蕎麦だけ、何度か手繰り味わい…
やっぱり、これはざっくりと豪勢に混ぜて食べるのが定説 。
と、しっかり混ぜ頂くと…
おおっ、これも美味し~いっ 。
この蕎麦に、納豆卵黄がとてもよく合い、絡みあう。
丼を回しながら、美味しい、美味しいと、3人で取りっこ状態 。
最後は、やっぱり温そばも食べておきたい、「かけそば」を。
琥珀色澄んだかけ汁はすっきりとして優しく、滋味溢れ上品。
すぅ~と体に染み渡るのを感じ、
ああ、このかけ汁も、又実に素晴らしい…
と、中の蕎麦を手繰れば、温かい汁に浸っても、シャンとした腰があり、
はらりと汁を纏った蕎麦が、又はっとする美味しさ。
なんてエレガントな蕎麦だろう…と、汁まですべて堪能し…
頃合い見て出された、程良く白濁したまろやかな蕎麦湯を注ぎ入れ、
ゆっくりと、そしてこれもたっぷりと頂きながら、
「星月」さんの念願のお蕎麦を頂けた、余韻に浸る至福のひと時。
ご馳走様でした~
美味しかった、素晴らしかった、
嵐の中格闘してきただけのかいがあった、と感無量。
食べた後に、又すぐにでも食べたくなってしまう気持ち感じながら、
遠くても、又是非、是非訪れたい、と…。

「手打ちそば 星月」
神奈川県小田原市飯泉504-2
0465-47-7780
11:30~14:30
月・火曜定休
禁煙
Pあり
お店のHP
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どうして今まで教えてくれなかったんですかあ?
もっと早くに訪れればよかった、と思う、心が優しくなるような感動を覚えました。
ここでの、お酒、よかったですよん。
でも、がんばって嵐の中歩いたんですもの、いいですよね(^^;
春の嵐のの中に挑む、蕎麦っ食いの執念を感じました。
流石です、〆にかけ蕎麦は♪、いつも車なので此処で一度お酒が飲みたかったぁ~
確かに、今私も食べたからこそ、この蕎麦の良さが分かったのかもしれません。
いえいえ、こういうお蕎麦も大好きです。とても気に入りました。すぐ又食べたくなる、そんなお蕎麦です…(u_u*)~。
いやすごい。続けることの大変さ良く分かります。
晴れていたら、小田原アリーナの先の富士見大橋から富士山がめっちゃ綺麗に見えるんですけどねぇ。。。ザンネン
yukaさんはガツン系が好みだと思っていたので
どんな感想か気になっていましたが
喜んでもらえて良かったです。
(ちょっと誉めすぎなような気もしますが…笑)
お蕎麦もいいですが、諸星氏の人柄の良さもにじみ出てるお店ですよね。
→ yuka (03/21)
→ さやか姫 (03/21)
→ yuka (03/13)
→ yuka (03/13)
→ yuka (03/13)