ガラガラガラ、と音立てて開く扉を入ってみれば…
2時もとうに過ぎたというのに、店内は大賑わい、ほぼ席が埋まってる。

卒業式の帰りの、スーツに身を包んだ青年達が何人も楽しげに集う、
未来明るい青年たちの、その明るい姿が、初々しく…



今日も寒い、すぐにお願いした熱燗半合、
出してくれたのは、「辰泉」しぼりたて純米うすにごり。



充てには、これはうれしい「烏賊の麹漬」が添えられて、
これだけで、お酒がくくくっと進むというもの。



忙しそうな中、注文の合間を縫ってお願いしたのは、「揚げ茄子」。
しっとりジューシーとろりとした茄子に、かかる生姜醤油がよく合い、
久しぶりに頂いたけど、これはやっぱり美味しいな 。



と、これに熱燗をも一つお替り、
回ってきた蔵のひとつ、「萩の月」の純米吟醸、中取り生原酒。
柔らかくてふわり、口当たり優しく、この熱燗が実に旨い。

とゆっくりと味わっている間に、ようやくお客さんの波も引けて…



夜のお客さんのお通しのおすそわけ、大好きな「ポテサラ」を出して下さり、
これを前にしたら、あとちょっとお酒も欲しい。



とお願いすると…、にっこにこして抱えてきた瓶3本。
ずらり並べて見ると、パステルカラー3色のカラフルな一升瓶。
山に「ユ」文字に、ちょっと親しみ感じちゃう 。

と、それぞれ説明して頂くと…
三本すべて6号酵母、色違いで酒米が異なる三種だそう。



秋田の酒蔵「新政酒造」の「やまユ」純米吟醸23ＢＹ、
白ラベルは「酒こまち」、水色「美山錦」に、ピンク色は「改良信交」。

猪口一杯づつ飲み比べれば、味わいが明瞭に異なり、これは楽しい 。
お酒ってつくづくと奥深い…と、ご主人と酒談議などなど。

濃厚な時間を楽しんだ後のお蕎麦は…、



今日は来る時から決めていた、デフォでは初めて、の「鴨南蛮」。



表面一面をじっとりと、鴨の脂のヴェールが覆い、
蓮華で掬い口に含めば、熱々の鴨の旨みがしっかりと染みた汁は、
力強く、濃厚なコク、この美味しさに思わず唸ってしまう程 。



その中に浸る粗挽き蕎麦は、しっかりと腰に歯ごたえを残し、
じっとりと汁に絡まり、蕎麦の香ばしさと汁ががっちりとタッグを組む。
ん～ん、これはもうたまらんっ 。



中に何枚も入った薄切り鴨肉は、ぱさつきもなくしっとり。
ギトギトせずに、しっかりと鴨肉の美味しさがあり、これも美味しい。

いつまでも熱々なのが何よりうれしく、はふはふと後は夢中で手繰り、
汁一滴残さず、食べ終えたら、満足感でいっぱい。

ご馳走様でした～

…ありりっ、旅行紀聞くの忘れちゃったっっ。
それは、次回の楽しみに…

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