恒例になりつつある、冬の青春18きっぷの蕎麦の旅。
連休最終日の今日、いつもの3人で、去年のリベンジも兼ね、出発~
それぞれの駅から乗り込み、がったんごっとんと電車に揺られ、
到着したのは、すっかり新しくなった前橋駅。
駅前ロータリーも整い、以前の駅前の風景から様変わりしていてびっくり。
お天気にもめぐまれた、冬の柔らかな日差しの中バスに乗り込み…
群馬に来たらやっぱりこちらに寄らなくちゃ。
ほぼ一年ぶりの、お気に入りのお蕎麦屋さん
前橋 「手打そば 浅川」
11時半前に到着し、きっと今日の一番のり♪
と暖簾を潜り、白木の格子扉を開き入ると…
さ、さすがっ、浅川さんだ…、こりゃすごい
既に二組のお客さんがいらっしゃり、一組はもうお蕎麦を食べている!
と、浅川さんの人気の程を改めてしかと感じ、奥のテーブルに腰を下ろす。
すぐに出して下さったあったかお茶が、凍えた体にうれしく、
置かれていたした品書きを眺めるも…
今日は、予めお願いしていた、おまかせ料理にお蕎麦のコース
どんなお料理が出るのかなあ、などと思い、ついつい品書きをじっくり吟味。
と、…ん??これは新メニュー?「桜えび天とろ玉せいろ」。
こ、これっ、食べてみた~い…
と思っているところに、各々に出された「前菜」の一皿。
しかも、うれしいなぁ 。
祝い酒としてふるまって下さった、「十四代」龍の落とし子。
すっきりとして優雅、香りよくすぅと入るお酒を口にし…
美しく盛り付けられた前菜の品々を。
まるで「鹿の子」のようにしつらえた、
鶏の煮こごりでまるめ固めたという「蕎麦米煮こごり」。
ぷりぷりの蕎麦米の歯ごたえが楽しく、
そこにぷりんっとした煮こごりが合わさる絶妙な口辺り。
上品な鶏出汁が、途端にじわ~と溶けだし、これは美味しい 。
ほっこりとしてしっとり、甘めの「玉子焼き」は、私の好みのど真ん中。
浅川さん定番の「赤城鶏の煮こごり」の美味しさは、言うに及ばす 。
しっとりと煮含められた「野沢菜煮」は、
しゃきっとしてジャコの香ばしさが合わさり実に美味。
この前菜のお料理に、お猪口一杯のお酒じゃ、当然足らず、
浅川さんの選りすぐりのお酒の品書きを拝見するも…
まだ寒くてとかく暖まりたくお願いした、「九頭龍」の熱燗。
注ぎ注がれつつ、じっくりと熱燗で「前菜」の一つ一つを味わって…、
続いて出されたのは、彩も美しい「水菜と桜海老の和風サラダ」。
ざくざくとした鬼下ろしがたっぷり盛られ、しゃきしゃきとして爽やか。
それにかりかりの香ばしい桜海老に、瑞々しい水菜が絡む、素敵な一品。
さらに…、製粉、水回しを研究し尽くして完成したという、
渾身の「粗挽き蕎麦がき」。
箸を入れれば、もっちりほろろん。
びっしりと埋まる、まるで粒だけでできているかのような粗い蕎麦がき。
口にすると…、うわっ、と思わず声が出てしまう、濃厚な香りが鼻を抜ける。
口の中では、ぷつぷつと転がる蕎麦の粒。
飲み込めば、再びぐっとこみあがってくる、蕎麦独特の香ばしさ。
こ、これは…、すごいすごい、美味し~い
しかも、ここで、うれしいハプニングまでっっ。
我慢できずに、お酒もお代り。
お酒の品書きから、気になった茨城のお酒「太平海」をお願いすると…
続いて出された、「色々野菜のべっこうあんかけ」。
さっくりと揚げられた、さつま芋に南瓜、レンコンなどなど、
さらに、これがクセになる美味しさ、揚げ蕎麦団子に、
とろりとかかった上品な味わいの餡が絡まり、これが又お酒を進ませる。
浅川さんの野菜料理は、本当に美味しいなあ、としみじみと味わって…
いよいよ待っていました、ようやくお蕎麦に
…と、わあい、これはうれしい!
蕎麦猪口にもり汁が出された後に、続いて置かれたのは、
食べてみたいと思っていた、「桜海老のとろ玉汁」。
さくっとした桜海老がちょこんと盛られた汁は、
ふかふかと湯気を立て、ひらひらと玉子が舞うとろりとした熱々の汁。
これは美味しそ~う♪…と見入っていると、
すかさず出された、浅川さん定番の「満天せいろ」。
艶々として端正に断たれた細切りの中に、文字通り、
満天の夜空を思わせる蕎麦の欠片が優雅に散りばむ、美しき蕎麦。
口に含めば、ふんわりと広がる香ばしい香りに、
しなやかで心地のいい歯ごたえ、ほのかに感じる欠片の感触があり、
噛みしめれば、じんわりと蕎麦の味わいが口に広がる。
ああ、美味しい…
これが、680円で食べられるなんて、前橋の方々が羨ましい…。
と、たまらず、「とろ玉汁」に浸してみれば、
とろりと玉子に熱々の汁の絡まった蕎麦の美味しさに、もう言葉がない。
こっ、これ、毎日食べた~い 。
と、感動している隙もなく、続いて出されたのは、
浅川定番、拘りの「金砂郷蕎麦」。
先の「満天」に比べ、上品な色合いの蕎麦の中に、
これもびっしり詰まった、透明な蕎麦の粒々。
手繰り上げれば、浅川さんご自身で選びぬいた蕎麦だけある、
ふわりと広がる香りに味わいは流石のもの。
しなやかな腰に、ほろりとほどけ、ほのかに掠める粒の感触。
噛みしめれば、くっと広がる香ばしさ、
満天もいいが、洗練された蕎麦の風味があり、これはやはり美味しい…。
と、ほおと感動しつつ味わっていると、
さらにもう一枚、おっ、これはすごい
特別に作ったと言う「金砂郷蕎麦」の「粗挽き蕎麦」。
思わず、この姿に、、、しばし目が釘付け。
どこか透け透明感のある蕎麦の中に、びっしり埋まる見事な程の蕎麦粒。
手繰り上げた途端に広がる香りに、口に含んだ途端に、
うわっと目が見開いてしまった、強烈に広がる濃厚な旨み。
こ、これだこれっ、金砂郷の蕎麦の大地の味わい
蕎麦の息吹をがっしりと感じつつ、食べてしまうのが惜しい程。
もう、幸せ、至福な心地でいっぱい…
と、この蕎麦の魅惑にうっとり、忘我の中に入ろうとしていると・・
な、なんだこれはっっ…
さらに一枚出された蒸篭に、思わず息をのんでしまう 。
こっ、これはっっっ、すごすぎる!
「金砂郷蕎麦」の、超粗挽き。
粗挽きと言いくるめてしまえない、ごつごつ飛び出てくるかのような蕎麦の粒。
荒々しいまでに、蠢いてくるかのような躍動感に溢れ、
手繰るまでもなく、強烈に漂ってくる蕎麦の香り。
口に含むと、ざらりぷつぷつ、と激しくダイレクトに感じる蕎麦の感触。
噛みしめようと、その途端に弾けるように広がる、
鼻から脳天に突き抜けて行くような、強烈な香りに味わい。
悩殺ものの、この濃縮した味わいに、すっかり言葉さえも失ってしまう。
すごい、すごい、すごい、これは、…すごい
呆然としているところに、忙しい中、ちょっと顔を出して下さり、
「これを打ったんですよ(^^;;」と見せてくれた、その蕎麦粉。
まるで砂利のようなこの粗さ。
それを、きちんと繋げて打たれているのに、改めて感心感動し…
まだ興奮やめやらぬまま、さらりとした蕎麦湯で、
沈めつつも、しかとこの感動を心に焼き付けていると…
さらに最後の甘味、「蕎麦クリーム韃靼そば蕨餅」。
ほろりとろ~とした、この甘さが最後にうれしい 、
まろやかなクリームシロップに、もっちりふんわりとした韃靼わらび。
苦みは全くなく、カリカり蕎麦茶のトッピングがさらに香ばしさを加え、
ほっこりとした心地にさせる、蕎麦デザートに、心から大満足。
あああ、美味しかった…
やっぱり浅川さんは、おかしい程にすごすぎる。
としみじみと思いつつ…
連休昼時のお忙しい中、本当に、
ご馳走様でした~
毎度思う、東京にあれば、いいのになあ…。(続く)

「手打そば 浅川」
群馬県前橋市日吉町3-41-12
tel:027-231-7294
11:15~14:30 / 17:30~21:00(LO20:30)
水曜定休 (火曜昼のみ)
禁煙 Pあり
2010年 7月29日 おまかせコースに大満喫
2010年 1月 9日 産地違い「常陸秋そば」食べ比べ、「かき玉そば」
2008年 3月29日 お料理いろいろ「満天せいろ」、熟成食べ比べ
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ありがとうございます!
さすが・・・です。。
…って、ここまで自転車で行くんですかっっ??(@_@)
それはそうと…
ありゃっ、又?
ふきふきしてみます(・・;)
今回は、前もって予約していたので、こんなのが出て来ましたが、レギュラーのお蕎麦だけでも、ものすごく満足できると思います。
千葉から…素敵です♪。
遠くても、行ってよかった、と思うお店ですよね(^^)
しかも「桜海老のとろ玉汁」は思いっきり惹かれますね。
暖かくなったら、誰か、ポタリングに連れてってくれないかなあ・・・。
ところで、最近、yukaさんのカメラ、曇ってないですか?
予約なしのお一人様でしたので、ここまではいただけませんが、それでもお料理、お蕎麦のおいしさや、お店の方の気配りに大満足の遠征となりました。
写真を拝見していたら、またご夫妻にお会いしたくなりました。
篩いはかけてないそうで、一度挽きと言っていました。つなげられるまでに、試行錯誤されたようです(そりゃそうだろう…)。
粗挽きのそばがきだけでもすごかったのに、それが麺線になるとインパクトすごいですねぇ。
よしのさんのチャレンジ、楽しみです!
できた暁には、画像だけでもいいので、見たいです…(u_u*)~
思わず、なんだこれはっっ、って思わず(本当に)声が出ちゃいました。
一度食べる価値ある、蕎麦です。
味に香りがすごかったです…。
(まだ胸の奥に残ってる…)
石臼でどのように(どこまで?って言うか…)挽いているのかな?
というのが玄蕎麦粉挽き屋の興味かな?(笑
使い古した(と言うより、使い込まれて手に馴染んだ?)ボールに
入れられた粗挽き粉。
・・・これは多分、「10何メッシュ」の類いでしょうね。
蕎麦でつなげるのは大変だ!!良く行っても切れますからね。
角が出ないほどの粗挽きというのは、何時拝見しても『スゲ~』の
一言。(勿論、他店にもたまにはありますが、どこまで?
しかし、粗挽きで言うなら、ちょっと待てよ・・・(笑
打てはしないが、迫れるかもしれんな~…
なんて 笑;;
そうですね、昨年末までに2種類玄蕎麦の殻剥きしていただいたモノで、
色々とチャレンジしてみたいと思いました。
新年早々、モチベーション?インテンシブ?ありがとうございました!
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