昼ちょっと過ぎ、にっこり笑顔のかわいい奥さんに迎えられ、
心地のいい空気漂う店内の、空いていたテーブルに腰を下ろす。

すぐに出されたお茶を頂き…
ふと目を上げれば、打ち場のガラス窓にずらりと貼られたお品書き。



ああ、いいなぁ 。
本当に、ご主人の字の美しさは、何時見てもすっと心に響く、
見ているだけでも気持ちのいい、美しい筆跡…。

と、しばし眺め…、そう言えば、昼時に来ても「ランチ」は食べた事がない。
こんなにずらりと並んだ、しかもとてもお得なランチの品書き。
今日は、これを食べてみよう～、と種類豊富でしばし悩む。



と逡巡しているところに、後から入ってきたお客さんが頼まれたのは、
「キス・イカ・穴子の天丼セット」。

海老天丼も捨てがたいが、穴子天にイカ天も大好物。
しかも、むら季さんで丼も、やはり食べた事がない！
天麩羅と天丼は、同じようであって異なるもの。

ということで…、私も、続いて、これをお願いする事に 。



釜前を守るご主人のきりりっとした、江戸職人らしい姿は、見ていても気持ち良く、



程なく、小鉢が添えられ、蒸篭に盛られた「せいろ」が置かれる。



角がきりりと立ち、切りむらの全くない、端正な細切り。
そうそう、これ！「むら季」さんの蕎麦は、きりりっとして凛々しい、
江戸、東京の蕎麦に相応しい、潔く端然とした蕎麦の姿。



手繰り上げれば、すっと箸から立ちあがり、ふっと広がる爽やかな香り　。
きりりっとした心地のいい弾力があり、
噛みしめれば、じわりと蕎麦の風味が口に広がる。

これこれ、これぞ、江戸の蕎麦、美味しいなぁ～ 。

と、手繰っていると、そっと置かれるセットの丼。
だが、蕎麦に向き合っていると、それさえ気に留められずに、
この蕎麦を夢中になって手繰ってしまう。



蕎麦を手繰る頃合い見て、出された蕎麦湯はとろとろ濃厚。
ああ、美味しかった…と、しばし蕎麦湯で余韻を楽しんで…



添えられた小鉢は、うれしい「烏賊とオクラの和えもの」に「山葵茎の醤油漬け」。



しかも、初めて頂く丼、これが又美味しそ～う。
からりっと揚げられた天麩羅に、かかったこの丼汁の香ばしい香り。



「天麩羅」だけでは分からなかった、この丼汁も又江戸前 。



と、まずはキスの天ぷらをほうばれば、からりっとした衣に身はふっくら。
かかった丼汁の、甘辛の加減も絶品、これは美味し～い 。

ふっくらご飯の上には、刻み海苔も敷かれ、磯の風味香ばしく、
穴子が又絶妙で（撮るのさえ忘れてた）、大満足な小天丼 。

全部食べたら、お腹もいっぱい、蕎麦も丼も大満足なお昼ご飯。

ご馳走様でした～

そろそろ、楽しみにしていた柚子切りだ…♪

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