夏の間に、幾つかのハプニングで行けずにいたら…、すっかり秋。
「セロリ菜そば」は、終わっちゃっただろうな、なんて思っていた矢先、
「男の隠れ家」に載った写真を見たら、すぐに行きたくなってきて…。
午前中の仕事を済ませ、今日は「吟」さんでお昼を食べよう 。
と、久しぶりのお店に、わくわく駅から向かったら…
…ややややっ、なんだか、ものすご~く怪しい雰囲気
きりっと染め字のされた、あの暖簾が仕舞われているよう~っっ。
小平 「手打そば 吟」
と、恐る恐る、開いていた扉を潜り、厨房のご主人に挨拶したら…
「あ…(゚o゚;)、今、お蕎麦終わっちゃって…」
と、慌てておっしゃる、咄嗟のひと事。
ああ、やはり…
ま、まだ1時をちょっと過ぎたばかりなのに、に…、と項垂れた私に、
「いや、昨日はヒマだったのに、今日は何だか混んじゃったもので…」
と、申し訳なさそう~に、頭を下げるご主人。
やっぱりこれも、「男の隠れ家」効果なのかしら…
「まあ、でも、ちょっと座ってって下さいよ」
と、クスンとしている私におっしゃって下さり、お言葉に甘えて腰を下ろす。
そっと置かれている品書きを手にしてみれば、
しょうがない、「売り切れ仕舞い」がちゃんっと書いてあるんだもの…
が、ふと見上げた壁には、…ああこれ食べてみたかったなあ、
「ごまだれ仕立ての冷やかけ」との「利休そば」なんてものもあり、
新たにできたらしい「蕎麦膳」や、「蕎麦屋酒セット」まで…
と、うらめしそうに見ていたであろう、私に、
「じゃあ…、蕎麦はないけど、うちのそばがき、食べてみます?」
と、おっしゃってくださる言葉に、心で大泣き あ、ありがとうございますぅぅ…
吟さんのそばがきは、まだ食べたことがなかったし、
このうれしいお言葉に再び甘えて、今日はそばがきを頂こう。
そうとなったら、早速、気を取り直し…
吟さんでの楽しみの一つ、「参燗酒」を頂かなくちゃ。
お願いすると快く、しばしして出されたお盆の上には、
微妙に形の異なる、小さな徳利がみっつ置かれ、
丁寧に手書きで銘柄が記された和紙が、下に敷かれる。
しかも、冷酒で飲む味の違いも感じてほしい、
と猪口一杯づつ冷酒が添えられるという、ニクイまでのお心づくし。
ひとつひとつ、じっくり吟味しつつ頂いてると、
そっと出してくれた「酒肴(しゅこう)盛り合わせ」。
僅かな隙間もない、入念に巻き焼かれた美しい「出し巻き玉子」に、
甘みの濃いトマトが、しっとりと漬かった「トマトの甘酢漬け」。
さらに、熱燗にたまらない、どしりとした味わいの「鯖の味噌焼き」。
これらでゆっくりと、盃を手にするひと時は、言い難い程心地よく、
他にお客さんのない店内で、すぐにご主人と蕎麦談義などで盛り上がり…。
すっかり満たされた心地の中、いよいよ、「そばがき」を頂こう~
と、熱燗を飲んでいた口に、汁ものが欲しくなり…
「かけ仕立て」でできるかお聞きすると、「それ、いいんですよ♪」。
と、颯爽と厨房へ入っていき、すぐに聞こえてくる掻き音。
その音も止み、目の前に置かれた、椀仕立ての「そばがき」は、
たっぷりのかけ汁の中に、見目も美しい、木の葉型。
まずは蓮華ですくい汁を口にすると、はぁ~…
と、思わず声が漏れてしまう、汁の旨さが体に染みる。
すっきりとして鰹の風味がじわりと広がり、ほろ酔い体を慰撫するよう。
何度か汁をすくい、すくい、しばしこの汁を堪能し…
中のそばがきに箸を入れれば途端、ほろろろ…と、のめりこむ柔らかさ。
ふわふわ、とろ~り、マシュマロのように柔らか滑らか。
口の中で、とろりと蕩け、いつしかふわっと消えていく。
飲み込んだすぐ後には、喉元から、ふっと濃厚な香りが鼻を抜け…
こ、これは美味しい~っ
汁と共に口に含めば、汁とそばがきの香ばしさが溶け絡み、
これが又、絶妙な風味の豊かさ。
ふうむ、「かけ・そばがき」、これはいいなぁ…
口に運ぶ毎にうっとりし、気付いたら、すっかり汁まで完飲~。
お蕎麦は頂けなかったけれど、素敵な午後のひと時に、
美味しいそばがきが頂け、すっか~り大満足。
ご馳走さまでした~
…だ・け・ど、これはやっぱり、近々、蕎麦リベンジしなくっちゃ 。

「手打そば 吟」
東京都小平市美園町2-9-7
042-344-7732
11:00-15:00 / 18:00-21:00
月曜休 禁煙
駐車場2台
2011年 2月25日 料理いろいろ・手挽きの蕎麦
2010年10月28日 「胡麻葱納豆せいろ」
2010年 8月27日 絶品「せろり菜そば」
2010年 2月 6日 「燗酒参酒」に「牡蠣そば」
2009年 7月17日 「セロリ菜そば」
2008年11月30日 「牡蠣と豆腐の小鍋」、「牡蠣そば」に「きのこせいろ」
2008年 7月 2日 「参酒」に「烏賊ワタ焼き」、「霙そば」
2008年 1月26日 「牡蠣そば」「玉子とじそば」
2007年 9月25日 「天麩羅」に「出汁巻き玉子」〆「玉子とじそば」
2007年 1月20日 「牡蠣とじそば」
2006年11月 6日 「豆腐と小柱のかき玉鍋」、「帆立の醤油焼き」「きのこせいろ」
2006年 8月23日 「天せいろ」
2006年 4月 5日 「玉子とじそば」
2005年 8月21日 初めての訪問 「せいろそば」
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私は、一度牡蠣にやられての、なんとか復活した組み。
昔はもっともっと好きだったのですが・・・・。
でも、やっぱり美味しいですよね(^^)
ここの牡蠣蕎麦をつまみに 参酒を飲んでました。
「生牡蠣」が 昔 すごいご馳走な感覚だったので 牡蠣好きはそのせいかも
結局、吟さんでも食べられたのかしら?(^^)。
うーむ、吟には、蕎麦リベンジしに行かなくちゃ。
松根さん、春咲きの花々が咲いている時など、とても気持ちいいですよ~(^^)。
今日はこちらで ぷるぷるの衣におおわれた牡蠣っ!と
小平スタート 鷹の台ゴールのウォーキング後
電車で小平に戻り、店をのぞくと待ち客ありの13時すぎ。
今日はダメかと思いつつも
墓掃除後に再度のぞけば 何とか相席で入店。
蕎麦まで時間がかかりそうなので 楽しみな参酒をちびりちびり
(ご相席の ご夫婦の前を 参酒のグラスが
横切るのには大変申し訳なかったけれど・・・)
玉川上水の紅葉はまだすこし足りなかったけれど
天気も良し 酒も蕎麦も良しで 良い休日でした。
あ 上水を 歩いていて「松根」さんを発見
”ここだったのか”と地図に印をつけておきました。
(店の前まで行ったら ウォーキングオバチャンでいっぱいだった。
む 私も 同類か・・)
これからの季節、牡蠣蕎麦も楽しみなところです。
丁寧な仕事ですね
汁も蕎麦も大変美味しかったです
今回はポタリング途中でビールだけ
次回は夕方から行ってみます
いいお店です…(u_u*)~。
ぜひ、行かれてみて下さい。
しばらく行ってないので行きたくなりました。
そうですよね~。
なんってったって、「冷や」おろし、ですし…。
ま、秋になるとこれが楽しみのひとつでもあるわけで…。
(でも、ちょっと試してみたい気も)
>「日置桜
よしの様、お好きでしたものね♪。
となったら…、あのお店に行って、飲んできたくなっちゃいました。
ありましょうから慎重にネ!
(ま、yukaさんほどの○ノモノならご存じでしょうが
...釈迦に説法
因みに当方が最近はまってるのは、 ↓
「日置桜 純米 生酛雄町 冷やおろし」
です。全然綺麗な、俗に吟醸モノとは違うんですよ。
まあ、酒も蕎麦もひとそれぞれの好き好き。
⇒好きが高ずれば『モノズキ』ですからねえ。(微笑
でも、男の隠れ家登場した事もあるので、しばらくは、電話で蕎麦とりおきしてから行ったほうが、いいかもしれません(^^)。
(でも、そばがきのかけ、オススメです!)
ただ、きりっとしただけのお酒が、ふわっと花開くような、そんな変化があって燗酒は楽しいです。
次第に冷めていく燗冷ましに変わって行くのも、又よし。
冷やおろしまで…!
我が家に今、二本冷おろしがあるので、試してみまっす。
かけ蕎麦掻き~実に美味しそうです。
昼に伺っても一人で切り盛りしているようで、忙しそうなので、2時ころ出かけようと思っていましたが、日によって蕎麦が切れて店仕舞いなんですね~。
そうか、定休日でもないのに締まっていたのは、早々に店仕舞いだったのかも・・・
これからは電話を入れてから伺います。
情報に感謝で~す♪
蕾が途端にぱ~っと開いて薫香を立ち上らせ、
萎れた花が新たに生命を得て咲きなおすがごとき、
みてくれ冴えない(?)アヒルの子が、実は白鳥だった(!)
ってな感じで、今はさる酒屋さんに勧められるまま、冷やおろしにも
燗をつける!私であります。(汗;;
須らく燗酒にしてみる価値はありますが、あまりきれいに磨き上げたもの
はどうも...
(面白くない あ、言っちゃった;;
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