午前中の仕事後、移動途中の今日のお昼は…
ここ2度ほど振られていた「ながら」さんに行きたいなぁ、と赤坂で下車。
まだまだ、夏の日差しは意気軒昂。
今日もぎらぎらと照る太陽の下、駅から乃木坂方面への道を歩き、
ようやく見えてきた、細道の入口に置かれた小さな看板。
「玄挽蕎麦 NAGARA」。
まるで宝探しの道しるべのような、この木の看板にわくわくし…
そろそろと入って行った、抜け道のような小径の先に、
緑鮮やかな草花が茂った、宝のありかに辿り着く
赤坂 「そば屋 NAGARA」
”昼は旨い酒の飲めるそば屋、夜は〆のお蕎麦がある居酒屋です。”
うんうん、いいなぁ…
久しぶりに入るお店に、ワクワクとドキドキを感じつつ、
入口を入るとすぐの、地下へのアプローチ、螺旋階段を降りて行くと…
わあおっ、これは、すごいっ 。
前回、前々回とも、「蕎麦売り切れ」で入れなかった教訓の元、
昼丁度に訪れた今日、店内はほぼ満席の大賑わい。
しかも、ずら~り、すべてワイシャツ姿のサラリーマンで埋まっている…。
と、立ちすくんでいる私に、忙しそうな女将さんがようやく気付いて下さり、
何とか空いていた(よかったぁ)、小さなテーブル席に通される。
この空間で、ワイシャツ姿の連なりを眺めるのも、不思議な心地で、
出されたお茶を頂きながら、品書きをそっと手にする。
以前あった、「ランチ」は、今はもうなくなってしまったようだが、
冷たい蕎麦、温かい蕎麦、それに一品料理が程良く並び、
裏面には、きちんとお酒の品書きも書かれてる。
しかも、お昼なのに、これがうれしい、「晩酌セット」は残ってる 。
冷酒か燗酒、あるいはビール小瓶がつき、
お通し3品がついて、「ざる」または「かけ」で1,800円。
こんなうれしいセットは見逃せない 。
午後の予定まではまだ少し時間もある…と、女将さんにお願いすると、
他に誰もこのセットを頼んでいる様子がない中でも、
厭な顔ひとつなく、「冷酒にします?燗?」と受けてくれるのが又うれしい。
冷酒でとお願いし、お蕎麦を食べている方々の中…、
程なく、小粋なお盆で、片口に注がれたお酒に猪口が出される。
「今、セットのお通しも持ってきますね」
と、そっとおっしゃって下さるのをお聞きし、
口にしたお酒は、キリッとして爽快、清々しく、蕎麦前に好適酒。
静岡のお酒、「高砂」とお聞きし、好きなお酒、これもうれしいなぁ。
と味わっている矢先に、続いて出された「お通し」の三品。
すり身の旨みに甘みが濃厚な、極上の「野焼き」に、
たっぷりと添えられた、野沢菜がふんだんに和えられた山葵漬。
しゃくしゃくっとした歯ごたえも楽しく、さっと漬かった、
味わいも歯ごたえも実にいい、「山芋の浅漬け」に、
豚肉の旨みが染みた、ごぼうや蓮根が炊かれた「根菜の煮物」。
練り物に山葵漬、漬け物があり、煮物あり…
ん~、なんて素晴らしい取り合わせなのかしら。
一合と言わず、これだけあったらたっぷり二合は飲めちゃいそう~
すっかりうれしく猪口を口にしていると、
1時に近づくにつれ、一人、又一組、と次々にお客さんが帰り始め…
すっかりお客さんが帰られたら、途端に空気の流れが変わり始める。
ゆるゆる~り、ゆったり…。
昼下がりのまったりとした流れが漂い始め、
すっかり視界が広くなった店内を見渡せば、
吹き抜けのベランダから、優しく落ちてくる柔らかい日差しに、
懐かしいマックのコンピューター、所々に置かれた小さな置物。
飾り棚に置かれた品々など眺めていると、
ああ、いいなぁ…、この空間、と初めて訪れた時の心地が蘇る。
しばしこの空気に身を委ね、心地よく流れるBGMに耳を傾け、
久しぶりに訪れたこの空間を、じんわりと楽しんで…、
そろそろお蕎麦が食べたくなったところで、お声かけ。
頼むと程なく、お盆に盛られ蕎麦が置かれる。
ふわりと盛られた蕎麦の、何て繊細、美しい…
以前の、野趣さ溢れた蕎麦とは、又見違えるような儚い美を放ってる。
透けるような蕎麦に、浮き出てくるように散る蕎麦の欠片。
見とれつつ、手繰り上げれば、すぅっと通り過ぎる清々しい蕎麦の香り。
口に含めば、ぷりっぷりっとした弾むような歯ごたえがあり、
噛みしめた途端に、あっという間に喉元を過ぎて行く。
生きのいい鮮魚に似た、この爽やかな心地よさ。
手繰って行くうちにじわじわと、鮮烈な蕎麦の風味が鼻孔に込み上げ、
次第に強烈に喉から鼻に抜けて行く、蕎麦の風味。
お、美味しい…
しかも、添えられた汁が又、いいなぁ。
雑味なくまろやかに広がる、優しくもしっかりとした味わい。
浸し頂けば、さらに蕎麦の風味がぐわんと広がり、
久しぶりの蕎麦に、夢中で手繰っていたらあっという間。
頃合いぴたり、と出して下さった蕎麦湯は、
熱々でしっかりと白濁したまろやかポタージュ。
注ぎ入れ、汁の美味しさを改めて感じつつ、
蕎麦の旨さに、この空間の心地よさを、ゆっくりと楽しんで…
お勘定をと席を立つと、喧騒から落ちついた女将さんの笑顔はとても暖かく、
後ろから、優しそうなご主人も顔を出して下さり…、
ご馳走様でした~
久しぶりに訪れた、「NAGARA」さんでの昼下がり。
お酒を飲みながら、寛いで、お蕎麦をたべながら、幸せ心地。
又、のんびりとしに、行きたいなあ…。
玄挽蕎麦 NAGARA ながら
港区赤坂7-6-50
03-3584-7500
11:30~14:30 (火曜~土曜)
18:00~22:00 (水曜~金曜)
日、月、祝日休
禁煙
2006年 2月 2日 「蕎麦ランチ」
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お昼は売り切れ仕舞いなので、早目に行った方が確実かもしれません。
夜の晩酌セットなどもいいので、ぜひぜひ!リベンジを(u_u*)~
会社から近いのでリベンジしたいと思います。
女将さんの故郷、長野は松本に帰られ、市街でお店を開かれているようです。
もう、2年は経っているかしら…。
私も伺いたいなあ、と思いつつ、
半蔵門とは違って、ふっと行けずにいる次第です。
行きたいなあ。
あの当時、私には一合きっかりしか出してくれなかったんですよー。
(飲める?なんて、聞かれて)
まだ、私も若かったんですねぇ。
今じゃ、絶対聞かれない自信有り(^^;
す~っと供されたという、かの名物蕎麦屋さん。
そう、松本に移られた(女将さんのお里なんでしょう?)
と漏れ聞いております「あのお店」は今はどのように?
・・・、と思い起こされたことでした。
と、私も心底思っております(笑)
おそるおそる頼んだのですが、厭な顔ひとつされずに、にっこり答えてくれたのがうれしかったです。
ぜひ♪
でも、1時頃に入る方が、いいかもしれないです(^^;
それはそうと、これはすこぶる美味しい、島根名物の野焼きで、ちくわ好きとしては、うれしい一品でした(^^)。
(てっきり、女性に人気のお店かと持っていたので…)。
何人かの方は、お蕎麦お代りしていました。
が、その昼時喧騒のすぎた時間は、本当に心地のいい、ながらならではの昼下がりのひと時。
やはり、いいお店だとしみじみと思います。
いいなぁ、こういうの、いっぱい増えてほしい~
待ってました、昼そばに晩酌セット。
こんな店を待ってました。
おそばの前に酒を飲みますが、周りがサラリーマンですと、仕事をリタイアした私でもチョット罪悪感が・・(ですのでいつも1時過ぎが私のそばタイム)
でもメニューに有るならば公認ですよね?!。
お得な「ランチセット」が無くなったため一時、女性客が減ったように思いましたが、最近は男性客がふえたようですね。
半地下ですので、地上から差し込む日差しが優しい、ちょっと時間を外した昼下がりが最も落ち着けます。
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