今年の誕生日の一人お祝いで、素敵なランチを頂いたのだが、
夜にじっくり訪れるのは、去年の暮れ以来。
そろそろあの、豪華絢爛、甘美なるお料理が恋しくなり…、
今宵は、再びお友達と連れ添って、夏のご馳走を頂きに
群馬から移築した、蔵造りの古民家。
そこに、貫録ある文字のどっしりとした暖簾が、そよとたなびく。
西国分寺 「手打十割そば 武蔵国分寺 潮」
扉を開き入ると、木々に囲まれた店内は涼感漂い、
高い天井に、何本も渡された梁には、幾つも鎮座する手彫りの仏像。
何とも言えない、心地の良さを感じ、用意されたテーブルに腰を下ろし、
ほっと横を見れば、手書きの品書きもすっかり夏模様。
と、全員揃ったところで…、まずは今日の宴にビールで乾杯~。
くうと喉を潤わせていると、目の前に置かれた、涼しげなガラスの器。
先付 「桃の摺り流」
桃を白ワインでじっくり煮詰め、それを摺り流しにたそうで、
柔らかい桃の甘みがふわ~と、優しく舌先に流れてくる。
ん~…、美味しい
そして、これが又、楽しみな…
見目美しい「前菜」の盛り合わせ。
レモンの酸味が爽やかな、ほんのり甘く炊かれた、「南京のレモン煮」。
穴子がふわふわふっくらとした、「穴子八幡巻」。
「牡丹海老雲丹和え」は、
ぷりっぷりの海老の甘みに、雲丹が絡まり、ん~ったまらなーい
挟み焼きされた味噌に、焼き目が香ばし~い、「伏見唐辛子 火取り」。
お馴染の…、「チーズ豆腐海苔山葵」
とろりと炊かれた海苔の磯の香ばしさが、とろ~りチーズに絡まり…、
「鮑肝寄せ」、この乙な味わいは、も~うお酒の充てにこれとな~い 。
これらを前に、早速お酒を。んー、これだけででも、もう幸せ…
続いてのお料理は、碗仕立て。
漆器の器の蓋を開けると…、
うわぁ、これは豪華に雲丹に鮑がたっぷりの、贅沢「いちご煮」。
こりっとして柔らか~な鮑に、
炊かれて、甘みがぐぅっと凝縮したほろり零れてくる雲丹。
それらの出汁がじわりと染みた汁に…、もうクラクラ
感動収まりきらぬ中、次のお料理、「向附」
「活鯒湯洗い 海素麺」。
身が締った鯒は湯引きされ、ふわりと口に溶け、梅醤油が好相性。
添えられた、胡瓜に長芋の素麺仕立ては、しゃきっとして瑞々しく…、
んー、お酒がススムススム。
と、ほかほかの蓋付き器で出された「蒸物」は…
「鱧むし寿司」 はじかみ添え。
ふっわふわの鱧に、ほかほかの程良い酢加減の優しい酢飯。
ふっくら炊かれ、しば漬けだろうか混ぜられ、こんな美味しい蒸し寿司初めて 。
さらに…、トマト好きとしては、置かれた瞬間、歓声上げずにいられない、
「冷や煮物」との、「とまとの丸煮」。
上品なジュレ状の和出汁がほろりとかかり、このトマトが甘~い
爽やかで清々しく、散らされただだちゃ豆に、白ずいきが、又絶妙。
これには、すっきりと冷酒を合わせ、ああ、至福…
と食べている間に、ことこと煮て作って下さっていた「鍋」登場~。
潮さんが、銘々に取り分けよそって下さった…、
今日の鍋は、「大羽鰯のつみれ鍋」
ざっくり粗くたたいた鰯のつみれは、ほろほろっと零れるように柔らかく、
鰯の旨みが、途端にじゅわ~っ。
さらに、鰯の出汁が染みた汁が、濃厚旨みたっぷりで、この汁が又お酒を誘い…
ん~、潮さんの鍋は、やっぱり最高~
そして、ここからはオプション、「南瓜の甘煮の冷やし鉢」。
ほっこり甘く、とろりとした南瓜は、食中の口にほっとさせられ、
豪快に盛りつけられた「新じゃが姫竹と鴨の煮もの」。
ほこっほこのじゃが芋に、姫竹は、ふわ~っと広がるたまらない筍の風味。
しかも、私でも食べてしまった、柔らか~な、旨み濃厚な鴨肉に…
これまた嬉しい、泉州産「水茄子」の、瑞々しい糠漬け。
茄子続きで、これも見事っ、大皿に盛られた「冷やし賀茂茄子」。
冷製ごまだれがたっぷりとかかり、きめ細かな賀茂茄子の旨みがじわ~。
ああ…、もう、どうしましょう~
最後に今が旬まっさかり、「とうもろこしの掻き揚げ」まで出され…、
久しぶりの潮さんのお料理に、心底陶酔させられて…
心地良い、酔いを感じながら、そろそろお蕎麦を。
…と、ずっと気になっていたのが、これこれ
去年は食べ損ねてしまった、一年待っていた「とまとそば」
各々、「もり」や、さらにこれも気になる「冷やかけ」やら、
この「とまとそば」を選び、お願いし…
程なく出された、「とまとそば」は、丼一面を覆う、真っ赤なとまと。
まずは、れんげで掬い、この汁を口にすると、こっ、これは濃厚~
トマトを和出汁でじっくり煮込み、それを摺り流し状に仕立てた、贅沢さ。
口いっぱいトマト、それが出汁と交わり、この汁にすっかり感動。
何度もすくい、すくい口にしてると、
唐辛子の辛さが、ぴりりっと残り、これが又後ひく味わい。
中の蕎麦を手繰れば、しっかりとした腰の蕎麦がこのトマト汁に絡み、
トマトと一緒に蕎麦の香ばしさが、じわじわと広がる。
トマトと蕎麦の、なんて素晴らしき拮抗かな。
んー、この「とまと蕎麦」、これは、、美味っし~いっ
さらに、これも気になっていた「冷かけそば」。
皆で交換し、一口頂くこの冷かけ汁、これが又、素晴らしい
すぅ~っと喉から五感に響き染み入るような、奥行き深くとても柔らか。
さすが、料理人潮さんの作られる「冷かけ汁」。
次回は、これをしっかり一杯食べてみた~い。
と、ぐるぐる丼を回し、皆で手繰るのが又楽しく…
ここで、終わらないのが、潮さんの素敵なところ
蕎麦湯を頂き、お茶を出してもらったところで…
まず出された、最後の「甘味」、「わらびもち」。
蕨から粉にして作られたという、皮がもっちりふふわふわで、
中のこし餡の旨さと言ったら…!!
その甘さに、滑らかな舌触り、ふっと溶けてしまう餡子の美味しさに、
再び、うっとりしていると…
待っていましたっ、ここで、いよいよ、「Patisserie de Ushio」
各々銘々に出された、「ピンクグレープゼリー」は、
ぷるぷるゼリーの感触に、さっぱりとした柑橘の清々しさが食べた後にたまらなく…
二人で一切れで出された、抹茶が濃厚、ふわっふわの「ロールケーキ」。
さらに、これも二人で一切れ、ドライフルーツたっぷりの「フルーツケーキ」に、
うれし~い、大好きな潮さんオリジナルの「ヌガー」まで。
一切れづつ頂いたヌガーは、アイスのように口に入れた途端に蕩け、
様々なナッツやドライフルーツの味が交わり…、ん~、これは美味しいよぅ 。
すっかり満喫満悦、至福の心地満点で満たされた、このひと時。
ゆっくりと潮さんと最後にあれこれお話しもさせて頂き…
今夜も、ご馳走様でした~
お料理で、こんなに幸せにさせて下さる、その素晴らしさ。
今度は、秋あたりにでも…、又、この口福を頂きたいなぁ…。
*お品がき
平日限定お昼のランチセット 1,800円
そばぎり(150g) 800円、大盛り 1,100円、おかわり600円、おろしそば 1,000円、鴨汁そば 1,300円
玉子やき 550円、そばがき 800円、生ゆば 800円、にしん棒 650円、鰊昆布 200円、このわた 1,000円、やきみそ 500円、焼きたけのこ 650円その他、
蕎麦会席 4,000円~ (予算に応じて相談)(今回のお料理は10,000円+α)
浦霞、酔鯨、春鹿、八海山 600円~、ビール(エビス、スーパードライ)

「武蔵国分寺 潮」
国分寺市西元町 2-18-11
042-359-2898
11:30~14:00 / 17:00~21:00
(土日祝)
11:30~15:00 / 17:00~21:00
火曜定休 店内禁煙 P2台
2011年 4月20日 一人誕生会「限定平日のお昼のご膳」
2010年11月28日 秋の夜の「蕎麦会席」 うずら茸鍋
2010年 4月25日 春の夜の「蕎麦会席」 花山椒肉鍋
2010年 1月31日 冬の夜の「蕎麦会席」 あんこう鍋
2009年11月 1日 秋の夜の「蕎麦会席」 松茸と鱧のしゃぶしゃぶ鍋
2009年 8月10日 夏の夜の「蕎麦懐石」 鮑のステーキ
2009年 3月23日 春の夜の「蕎麦懐石」 竹の子と蛤に鯛の鍋
2007年11月23日 秋の夜の「蕎麦会席」 鯛と聖護院蕪の鯛チリ
2007年 6月20日 「焼筍」、「鰊昆布」、「そばきり」
2005年 3月18日 「そばきり」
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潮さんのお料理は、どの季節でも抜群~なので、次回訪れた時に、ぜひぜひ。
今、東京はものすごい暑い上に、節電で…、
なかなか厳しいものがある現実です(^^;
相変わらずどれもこれもおいしそうです。
先日一時帰国していたのですが、潮さんにいく機会がなく。。次の帰国時の楽しみにしておきます。
それまではyukaさんのブログで癒されているので、更新よろしくお願いしまーす☆
ほんっとにそう思っちゃいますよねー。
だめですっ、
ここにいてもらわなくっちゃ(^^)v
誰でも、予算と相談の上、潮さんの素晴らしきお料理にお蕎麦頂けますよ。
潮さんは、かつて、有名料理店の料理長をなさっていた方で…
もう、夢見心地のひと時です(^^)。
私の住む群馬県でお店を開いてくだされば
よかったのにぃ。
丸ごと群馬にUターンして欲しい。
これって特別なメニューなんですか?
おいしそうだわぁ~
お酒もススみますね
お料理はもちろん、このデザートも又楽しみの一つです。
でも、お値段以上の口福を頂ける、幸せなひと時。
潮さんのお料理は、やっぱり素晴らしいです。
お酒進みますね!
デザートもすごく美味しそうですね!
野菜も魚介も、素材も料理も器も彩りも、見事、美し、うっとり、喉元ごっくりです。もちろん蕎麦も。
この懐石が4000円!!
と思ったら、やっぱりね、1万はしますよね。でも値段以上に楽しめると思います。
→ yuka (01/20)
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→ 多摩市民 (01/19)
→ yuka (01/10)
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