かつては、いつも端のテーブルで、ちょっと体を傾けながら、
独特の雰囲気で猪口を傾けていた、詩人、清水昶さん。
会うと、ゆっくりとした口調で、子供のように話す清水さんが、
なんだか愛らしく、そんな清水さんが大好きで…
歩くのがちょっとつらくなった、と訪れなくなったここ何年か。
それが、ついこの4月に、成蹊学園のベンチで見かけ、しばし話込み、
久しぶりに行こうかな、という清水さんと連れだって、
中清で飲んだのが、昨日の事のようなのに…。
その清水さんが、お亡くなりになったと聞いて慌て、
今日は、詳細を聞きたくて、咄嗟に向かった…
吉祥寺 「手打 中清」
入った店内で、空いていたテーブルに腰を下ろしたら、これも、偶然…?
横に貼られていたのが、清水さんとご主人の、古の記事。
清水さん、もっと、お話ししたかったな…。
と、女将さんご主人に、お聞きし、和やかな最後であったのをお聞きして…
だったらよかった…と、お願いした「弔い酒」。
清水さんが、生前ここで愛用していたというお猪口を出して下さって、
「清水さん、乾杯…」
これは、ね、「田酒」の大吟醸、「善知鳥」っていうお酒なんですって。
充てにもらった「イカ焼き」を口にしながら、
「山間」4号タンクに、
「十四代」無濾過純米 生詰め、をそれぞれ半合づつ頂いて、
ご主人と、ぽつりぽつり清水さんの思い出話を語り合い…
よりどころのない悲しみと、悔しさに包まれながらの弔い酒。
一心地ついたところで、ここに来たからには、お蕎麦も頂こう。
このところ「おろし」づいているので…
中清のおろしは初めて、粗挽きで、とお願いした「おろしそば」。
…と、程なく目の前に出されたお蕎麦は、「更科」と「粗挽き」の二色盛り。
「おろし」のデフォは「更科」だそうで、それでも食べてみてよ、との事で…、
まずは、きらきらと輝く美しい「更科」から。
手繰り口に含むと、ぷるんっとした心地のいい歯ごたえがあり、
清楚で優美、ふわ~り広がる、蕎麦の持つ繊細な甘みがじわ~り。
んー、中清の「更科」はやっぱり美味しい…
そして、玄ごと挽いた相反する、グレー色した粗挽き蕎麦。
手繰り上げると、ん?これは…、成程、熟成2日だそうで、
穀物の持つ香ばしい香りの中に、ふわりと混ざる豆系の香り。
むわ~っと濃厚に広がる香りに…
噛みしめると、これが…やっぱり美味しい
香ばしくて甘い、この味わいは、やっぱりたまらなく…
しばし、そのままの蕎麦を手繰り楽しんだところで、
鶉の玉子が落とされている、うれしい「おろし」
まずは、おろしだけで更科を絡め頂くと、
「辛味」ではない大根おろしの、爽やかさに大根の甘みが、
さらしなの甘さを、ほろりと包むようで、これは美味しい
さらに、粗挽き蕎麦にも、大根おろしを絡めて楽しみ、
ではっ、と鶉の玉子をそろりと崩し…
更科に、玉子の混ざった大根おろしを絡めると、
さらに、玉子のコクとまろやかさが、更科蕎麦に色づける。
粗挽き蕎麦は、これが又なんて贅沢。
濃厚な蕎麦の香ばしさに、さわやかな大根おろし、
粗挽き蕎麦に、玉子が合うのは承知の事、これが三位一体になる味わいに…
ん~、これは美味し~い
さらさらの熱々蕎麦湯を最後に加えれば、ぱっと玉子が散り、
大根おろしの加わった、ほおっとしてしまう、旨みたっぷりの美味しい蕎麦湯。
ゆっくりとこれを飲みながら…
「ゆ、、かちゃん」と呼んでくれた、あの声が遠くから聞こえるようで…
清水さん、
どうぞ、安らかに…。
「手打ち 中清」
武蔵野市吉祥寺本町4-4-15
0422-21-2891
11:00~22:00
無休(
水曜日に暖簾会で休みの場合もあり)
近くにコインP
2011年 5月 7日 「合同誕生会」
2011年 3月11日 「さらしな」での「多摩せいろ」
2011年 3月29日 「暖かいおろし蕎麦」玉子添え
2010年 2月16日 「粗挽きそば」の「かけそば」
2011年 1月28日 蕎麦三種で「鴨せいろ」
2010年12月20日 「南極カレーせいろ」粗挽きで
2010年10月 4日 「新そば」に「贅沢酒肴盛合」に「練り物三昧」「たぬき豆腐」
2010年 8月11日 「新メニュー」に「南極せいろ」
2010年 6月 7日 「粗びきのかき玉そば」
2010年 4月28日 「名残の山間の会」に京都の筍
2010年 2月22日 新メニュー「蒸し牡蠣」
2009年12月17日 「多摩蕎麦コミュ忘年会」鴨鍋
2009年 12月 8日 「三点盛り」、鳥取の蕎麦に、鴨汁粗挽き
2009年 9月20日 歴代「菊姫」飲み比べ、料理に蕎麦を堪能
2009年 6月28日 「三点盛り」に、、「『黒姫』時間差二種盛り」
2009年 3月30日 「産地違いの熟成蕎麦三種」
2008年11月24日 皆さんと夜の宴会、「蕎麦三種盛り」
2008年10月22日 友人と昼酒、「とろろそば」
2008年 9月 1日 「茄子揚げ出し」、「蕎麦三種盛り」
2008年 7月 8日 「桜海老の掻き揚げ」、「南極カレーせいろ」
2008年 4月 1日 「かき玉そば」
2008年 3月22日 お誕生日会、「粗挽き南極カレーせいろ」
2008年 3月 4日 「酒肴三種盛り」、「鴨せいろ」
2007年11月 2日 「烏賊粕漬け」、「かけそば」
2007年 8月 1日 宴会~ 二種の「カレーせいろ」
2007年 6月22日 友人と夜しっぽり。蕎麦いろいろ、「鴨せいろ」
2007年 4月 3日 二種類の「かけそば」
2006年11月17日 友人と夜一杯~♪「三種の蕎麦」
2006年 9月24日 「豆腐サラダ」、二種の蕎麦
2006年 8月24日 初めての訪問、お店との出会い…
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shinさんも、何度か同席した事があるんですね。
(私、骨折同盟組んでいたから…)
なんだか、ふっと心に穴が空いたような、寂しさを感じています。。
とても慰められるお言葉、心に染みています。。
現代からは理解できない無頼が、そして破天荒な只の酔っぱらいが、そこには確実に生きていました
何だか寂しいですね、僕にはしょっちゅう議論を吹きかけられてきましたが、居ないとなると何だか穴が空いたみたいです
みなさんのコメントどおり、きっとyukaさんの想いを感じて喜んでくださっていると思います。きっと、見守ってくださっていますね。
熟成は、ある日とない日があるのですが、「粗挽き蕎麦」は、同じ蕎麦なので、是非それを頼んでみて下さい。
手もとの品書きには、書かれていないかもしれませんが、天井下に「粗挽きそば」の品書きがぶら下がっていますので、ぜひに。
追悼のお言葉、ありがとうございます…。
吉祥寺に行った際は、行ってみたいです。
弔い酒なんて、して貰える男になりたい。
ご冥福お祈りしてます
あまりに突然で、、。
志美津やさんのところにも、行って頂きたかったです。
本当に…、ありがとうございます。
何よりも、の、慰めのお言葉です。
こうしていても、つい、ふと涙が出そうになってしまいます。
親しい方が亡くなってしまう、どうしようもない寂しさを、
久しぶりに感じていて…。
せめて、そんな風に、清水さんが上から見ていてくれたら、
いいなあ…。
なんて、思っています。
しかも、最後にお会いしたのがついこの間。
なんだか、なんだか、とっても心にきて…
寂しい、です…
こんな風に思い、弔ってくれる人がいると
それだけでも安らかになれるような気がします。
きっとお喜びになっていらっしゃいますよ。
私もそんな風にしていただける生き方、存在になりたいなぁ。
ご冥福をお祈りします。
現代詩手帖でお名前と作品は見知っていただけに、中清でも初対面とは思えなかった。
そういうことなら、もっと絡まれておけば良かった・・・。
ご冥福をお祈りします。
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