「あのお蕎麦」に会いたい…と、又日々想いが募り始め…。
仲良しご夫婦にT様と頂きに行こう、と、昼下がりのお店で待ち合わせ 。
国分寺駅から下り入った、お鷹の道へと続く、のどかな小径。
そこここに咲き始めた、道端の草花などを愛でながら歩くのも楽しく、
ようやく、ぽっこり開けた一画に…
あ、テラス席も作られたのかしら
ご主人のお人柄現れる、ほのぼのとして穏やかな温かみ感じる佇まい 。
国分寺 「手打そば きぬたや」
扉を開き、変わらないご主人の笑顔に迎えられ、
4人の今日は、一枚板で作られた立派なテーブルに腰を下ろし…
歩いてきた喉を潤わせようと、まずはハートランドで乾杯
すぐに出して下さったお通しは、懐かしい味わいのお豆腐に、
美味し~い胡瓜に瓜の奈良漬に、さっぱりとした沢庵。
ようやく喉も潤い、ほおっとしながら、ふとコルクボードの品書きを見ると、
ビールの種類が、こんなにもあったとは
中でも珍しいのが、黒ビールとの「ガージェリー」。
瓶も素敵だし、グラスが独特…、今度はこれを飲んでみたいな
…と、ビールの後はやっぱりお酒を
まずは、「醸し人九平次」を選びお願いし…
程なく出された、旬の地場野菜で作られた、「野菜の天麩羅」。
モロッコインゲンにアスパラ、それに嬉しい、竹の子も
そして…、サービスで出される、「きぬたや」さん名物「蕎麦の耳」。
ひとつひとつ異なる蕎麦の、一つは「蕎麦刺し」。
もう一つは、蕎麦湯に浸して出され、口に含むと、もっちもち。
噛みしめると、これだけででも、うっとりしてしまう蕎麦の味わい 。
次第に、これから頂く蕎麦への期待が高まりながら、
もう一杯、磯自慢を頂いて…
お客さんが途切れ、ご主人も出てきて下さり、あれこれお話し。
移転してようやく2年が経ち、そろそろ以前のスタイルにしようと思って…
と、悟道到達したような、優しい笑みで静かに語る山中さん。
そうか…、恋ヶ窪時代の、その人の為だけに打つ、唯一無二の蕎麦。
やはり、それが山中さんの蕎麦の原点…
そして、若手蕎麦職人さん達への応援の言葉が何よりも温かく…
笑いありながらも、じ~んと心染みる話をお聞きし、
いよいよ、お蕎麦を頂きましょう~
石臼4台も抱えるお蕎麦は、それこそ無限大にもなるという、
その中から、今日頂いたおは、6種のお蕎麦。
一枚目は、北海道鹿追「牡丹」、メッシュ40、生粉打ち。
透けるように垣間見える蕎麦の粒に、ほわ~っと広がる柔らかい蕎麦の香り。
噛み締めると、はらりと解けるおうな繊細な感触。
その後から、ふわりと漂う、清らかで優しい蕎麦の甘み。
清純な乙女を思わせる、汚れのない蕎麦を感じ…
二枚目は、福井、美山南宮地在来、メッシュ32、生粉打ち。
先の牡丹に比べて、野趣感じる、グレーを帯びた繊細な蕎麦。
手繰り上げた途端に漂う、蕎麦のえぐみを含んだような香ばしさ。
しっとりもちっとした腰があり、力強さも感じられ…
三枚目、福井、坂井丸岡在来、メッシュ24、生粉打ち。
おおおっ、こ、これはなんて、香りが濃厚…
むせかえる程に香り立つ、濃厚で深い深い、蕎麦の香り。
濃い緑色の蕎麦は、ぷんぷん、こんな強烈な蕎麦は久しぶり。
噛みしめれば、このもちもち感が又たまらない。
濃厚な、甘みを含んだ深遠なる蕎麦の香ばしさ。
お、美味しい、美味しい、美味しい…
うっとりしながら向かえる4枚目、茨城筑西、常陸秋蕎麦、メッシュ24、生粉打ち。
ここからは、玄挽き。
グレー色の蕎麦肌は透明感があり、その中に映る蕎麦の欠片。
常陸秋蕎麦特有の、大地を感じる香ばしい蕎麦の香りが、豊かに広がり、
おおっ、ぐわっと広がる、穀物の味わい。
ああ…、大地、自然って素晴らしい…と思わせる、
濃厚な味わいに、これもうっとり 。
続く5枚目も玄挽き、長野伊那、信濃一号、メッシュ32、生粉打ち。
田舎蕎麦に似た、色がじっとりと濃いめに付いた、力強さ。
もう、この辺りは、どれもこれもが香り豊かで…
手繰り口に含むと、これ又旨いっ。
野趣さ全開、香ばしさに力強さが感じられる、雄々しい味わいに…
最後は、福井、福井在来、メッシュ32、生粉打ち。
ほわほわほわ~っと登ってくる、芳しき蕎麦の香り。
手繰り寄せると、ああ…、なんて温かみ溢れた、優しい温もり
甘みに香ばしさ、その中に、何とも言えない温かみのようなものを感じる、
心の染みるような味わいに、思わず感動さえ覚え…。
お聞きすると、最後の一枚は手挽きで挽かれた蕎麦だそう。
成程…、手挽きの、人の手のぬくもり。
その一回し、一回しの心が蕎麦に伝わっているのだろうか…。
後から思い出すのは、強烈ではないのに、最後のこの蕎麦。
心にじわ~っと染みたようで…
すっかり食べ終え、皆揃って感無量。
ナチュラルな蕎麦湯をゆっくりと頂き、余韻にふけり…
ご馳走様でした~
蕎麦を頂いていた、あの緊張感に陶酔のひと時がまるで夢のよう。
思い出すだけでも、うっとりしつつ…、ああ、又食べたいなぁ。
是非、電話予約の上、この感動を…

「きぬたや」
国分寺市東元町3-19-34
042-326-7399
11:00~16:00
月曜、第1,3火曜
禁煙
2011年 3月 2日 「5種の蕎麦」
2010年 5月19日 「6種の蕎麦」食べ比べ
2009年 9月 9日 「天ぷら」に絶品6種の蕎麦
2009年 8月19日 再び訪問、6種の蕎麦を堪能
2009年 6月24日 「『きぬたや」にて、野菜天ぷらにせいろ三種」
移転前のお店
2006年 9月13日 「賛・きぬたや」最後に頂く蕎麦三種
2006年 2月23日 私の為に打ってくれた蕎麦
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ふと思い返せば、随分とご無沙汰しています。
裸木も又風情あり、私もそろそろ又ご主人の蕎麦が食べたくなってきました(u_u*)~
ので、試してみましたが美味しかったです。
おそばも勿論楽しく美味しくいただきまし
た。ただ、ヒロヒロが出なかった。最近は
言わないと出してもらえないみたい。
帰りは必ず真姿の池に回って帰るのです
が、さすがに紅葉のピークは過ぎてしまっ
たものの今日の様に天気がいいと、歩くに
には気持ちのいい場所ですよね。
確かに、出汁が濃いかもしれない。
それと、やや薄めですよね。
天ぷら、あの量で、この値段は、お値打ちです♪
それではカミさんは満足しないので初めて
ここの天麩羅を頂きましたが、揚げたてが
順繰りに出てきて、想像してたよりかなり
ボリュームがあってしかも下手な天ぷら屋
より美味しくて感激。この量なら安いなー。
カミさんは蕎麦は興味がないからと空返事
をしたけれど、たまたま武蔵境で授業参観
の帰り道だしと、妻をさそってみると行くと
いうので連れてった。
カミさん曰く「醤油よりカツオ出汁が強い」
と。
ここはいろんな蕎麦が食べれるので麺の
方にばかり気が行ってたが、言われてみれ
ばそうかも。
そういえば、そんなに美味しいと感じない
粉の蕎麦でも、きっとつゆによっては美味し
く感じる事だってあるだろーな。
しかも、印象残りそうな、gunさんだったら尚の事(^^)。
ああ、私も今すぐにでも行きたくなっちゃいました・・。
なり「奥さん帰ってきました?」と聞かれて
面食らってしまった。前回の時、休みの取
れない私をおいて、カミさんと息子はドイツ
旅行に行ったのだった。
この店は来た回数もまだ4回くらいだと思
うのだがすごい記憶力。
今日はおしゃべりし過ぎたせいか、ヒロ
ヒロが出てこなかったことに後で気づいて
残念。
>恋ヶ窪時代からの常連さんも多いらしく
毎週来る人もいて、その人の好みの蕎麦
を2種類くらい用意したりもするらしい。
今は、来られる方の好みに合わせる、以前のスタイルにしていきたいそうで、出来れば電話で予約して欲しい、と、おっしゃっていました。
それはそうと、ガージェリー、
今度は、私も飲んでみようっと(^^)。
勿論、お蕎麦も。
それにしてもご主人の蕎麦にかける
情熱には感服します。いまでも食べ歩
きをしていて、たった一食の為に新幹
線で遠出することもあるそう。
いろいろ試行錯誤を楽しんでらっしゃ
るのかと思いきや意外にも目標にして
いるお店があるとか。このブログの過
去記事にもある静岡の「宮本」さんなの
だそうだ。僕としては色んな蕎麦を楽し
める今のスタイルがありがたいんだけど。
恋ヶ窪時代からの常連さんも多いらしく
毎週来る人もいて、その人の好みの蕎麦
を2種類くらい用意したりもするらしい。
なんにせよ、貴重なお店ですね。
今度行かれる時には、事前にお電話入れていかれるのをお勧めします。
25¢さんの好みのお蕎麦を、聞いて下さいますよ~(^^)。
双葉山の言葉が心に残っています。
まさに、きぬたやさんは、その如し。
静かに秘め、やわらかく頬えんでいらっしゃる。
それがひしひしと食べ手に伝わってくる、蕎麦でした…。
見てたら久々に行きたくなりました。
落ち着いたら、ゆっくり息抜きに行こうかな。
常に蕎麦と向き合う姿勢は
武芸の極致・・・
宮本武蔵の目指した『木鶏』ですなぁ
木鶏・・・?もっけいと読みます
詳しくは五輪の書を紐解かれたし♪
私も、次回は、あれこれお願いしようとおもっているところです(^^v
昔の店のようにリクエストできる
環境が整うとヨイナーーとか
思ってしまう・・
全部 生粉になったんですか
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