震災前に伺ったきりだったからか、妙にご無沙汰している気分。
行きたいな~と、午前中に所用を済ませたら、ふらふらと京王線に乗っていて…
通りの激しい甲州街道沿いに、「江戸蕎麦」の看板が掲げられ、
その下にふっと上品に佇む、変わらぬお店を目にしたら、
ほっと心が和んでくるよう…
代田橋 「手打蕎麦 まるやま」
そろそろ2時になろうとする、平日の昼下がり。
ゆるりとした空気が柔らかく満たす店内に、腰を下ろした途端に寛いでしまう。
暖かくはなってきたけど、何だか熱燗が飲みたいなぁ。
と見ると、「こんなお酒もやってます」と、新たなお酒の品書きが。
熱燗にもいいと、お勧めされた、千葉のお酒「仁勇」麹仕込み純米酒。
ふわっと柔らかく、軽やかな甘みが広がり、なんて口に優しいんだろう…。
すっと切れる後味は爽やかで、これは美味しい
と、添えて出された今日のお通しは「鴨ロースト」。
出されたお皿を見て、くすっとちょっと笑っちゃう 。
脂身が嫌いな私に、わざわざ取り除いて下さっている…うれしいなぁ~
脂身がなければ、鴨も好き。
しっとり味わい深い鴨肉に、しゃきしゃき野菜を口にしながら…
これも楽しみ「ちょこっとおつまみ」。
中でも「まろやか豆腐」の文字が、豆腐好きとしては見逃せられん。
大多喜というのも興味しんしん、早速小をお願いすると、
醤油の小鉢と塩が添えて出されるのもうれしい配慮。
そのまま口に含むと、舌触り滑らかな柔らかめの木綿仕立て。
この味が、実に濃厚
そのままで、大豆の甘みがじわ~り広がる、うっとりする程、美味しいお豆腐。
「まろやか」なんかじゃない、これは「濃厚」お豆腐。
ん~これは、美味しい~
と、「そばがき食べてみない?」とおっしゃって下さり、
そりゃもちろん♪、作ってくださった小さめの粗挽きそばがき。
ほかほか出来立ての蕎麦掻は、もっちりとしてふんわり。
舌の上に蕎麦の粒が転がりながら、じわじわ広がる蕎麦の甘み 。
何もつけずとも、蕎麦の風味に甘みがたまらなく、お酒をさらに進ませる。
お聞きすると、今日の蕎麦は福井のものだそうで、
途端に蕎麦への期待がぐんっと増し…、
この蕎麦をせいろでも食べてみたい。
でも、今日は、暖かい「辛味そば」も、何だかとっても食べたくて…、
わがまま言って作って頂いた、まずはハーフの「せいろそば」。
ああ、これが「まるやま」さんならではの、蕎麦の姿。
丹精な細切りの凛々とした蕎麦の中に、丸抜きの蕎麦の粒がびっしり埋まる。
そのひとつひとつがきらりと輝き、なんて美しいこの姿…。
と、手繰り口に含むと、しっとりと歯を包むような心地のいい腰。
ぷちぷちと粒がかすめながら、かみ締めると…
あ、甘~いっっ
蕎麦ってこんなにも甘かったんだ…と、改めて思う、穀物の豊な自然の甘み。
飲み込んだ後でも尚、香ばしさと共に残る甘みに、汁をつけるのを忘れてしまう。
食べ終えてしまったのが惜しいような心地で、
手繰り終えてしまったら、ああこの蕎麦、もっと食べたい…
と思った調度のタイミングで出された、梅干を添えてもらった「辛味そば」。
上質の海苔にたっぷり盛られた辛味大根に、ふわりとかかった削り節。
散らされた青菜が彩りよく…、
まずは汁をすくい口に含むと、あああ…、美味しい~
ふわりと広がる上品な鰹の出汁に、すっきり柔らかいきれいな味わい。
すぅ~っといくらでも、体に入ってしまうこのかけ汁。
飲んだ後の体に、これが又、尚のことたまらなく…、
中の蕎麦を手繰れば、熱々の汁の中でも、きちんと歯ごたえを残した蕎麦は、
はらりと解け、温まった事で、ふわっと立つ香ばしい香り。
汁にからまりながら、馨しい蕎麦の風味を残し、するすると落ちていく。
ああ、まるやまさんの暖かいお蕎麦も、美味しい~
と、そのままの蕎麦を楽しんだ後で、辛味大根をゆっくりと溶かし頂くと、
キーンとした辛さが、柔らかい甘みに変わる、円やか爽やかのかけ汁になり、
次第に、とろりと海苔が解け、磯の香ばしさが加わってくる。
そして、最後に梅干を載せ、崩しながら頂くと、これも、美味し~い
大根おろしに海苔、これに梅干の相性はもちろん。
柔らかい酸味の梅の甘みが加わって…、後はもう夢中、汁まですっかり完飲~。
お腹もいっぱい、満たされた思いに浸っていると、
そっと出される最後のサービス、「蕎麦ぼうろ」に再びほおっと…
今日もご馳走さまでした~
次回は、そろそろぶっかけの陽気かしら、
それとも…、まだ早いかな、「冷かけ」も今年も楽しみ…。

自家製粉 石臼挽
「手打蕎麦 まるやま」
杉並区和泉1-2-3
03-3321-1478
11:30~15:00 / 17:00~21:00
木曜定休、水曜昼のみ
禁煙
2011年 3月 7日 雪見蕎麦屋酒、揚げ玉、卵別盛り「たぬきそば」
2010年 2月 1日 「プチオフ蕎麦会」
2010年12月21日 玉子別盛りの「山かけそば」
2010年11月24日 「せいろ」の旨さにうっとり、「花巻そば」にうっとり。
2010年10月25日 「蕎麦の実入りきのこのつけ汁せいろ」
2010年 9月 8日 「蕎麦巻き蒸し」に感動、蕎麦三昧
2010年 8月 3日 「辛味おろしの冷かけそば」
2010年 6月23日 「山芋の千切りの冷かけ」
2005年 5月25日 「梅と茗荷の冷かけそば」
2009年 4月23日 「新:ちょこっとつまみ」に「筍と鶏そぼろのせいろそば」
2010年 2月15日 「裏メニュー:田舎の細打ちそば」
2010年 2月 8日 新メニュー「蕎麦巻き蒸し」
2009年 1月 5日 「花巻そば」
2009年11月30日 やっぱり旨い!粗挽き仕立ての「せいろそば」
2009年10月 9日 新メニュー「葱天そば」
2009年 8月 4日 「神楽の舞」で薩摩揚げ風、「ごぼう海老天そば」
2009年 6月 2日 「おろしそば」
2009年 4月27日 「ごまだれで二色蕎麦」
2009年 2月27日 「鴨鍋と粗挽き蕎麦の宴」
2008年12月21日 親子煮うまうま 「ごまだれで二色そば」
2008年10月10日 お新香盛り合わせ 「地鶏卵とじせいろ」
2008年 8月12日 三人で料理いろいろ 穴子天を堪能 「冷やし海老おろし」
2008年 7月 9日 肉じゃがで一杯 「おろしそば」
2008年 6月14日 種物三昧
2008年 5月17日 プロジェクトX Ⅳ
2008年 2月12日 「地鶏せいろ」
2005年 5月23日 代田橋 手打ちそば長寿庵
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実は、この日、筍茹でているところだったんですぅ~(/_;)。
きっと、その時の筍を、のこさんが食べられたんですね♪。
ちょっと、つながり感じちゃいます。
私も、行かなきゃ。
お豆腐、是非食べてみて下さい(^^)。
きちんと言葉で言われて見ると、その事なんだ、と納得しました。
どこか、震災前後で隔世の感が強いです。
だから、そのすぐ前だった「まるやま」さんでの出来事が、遠い日だったような…
伺っておかないと、何か落ち着かないような心地でいたんです。
岡崎さんも…、ですか?
これをやらないと、とんでもない事になったりするんです。
過去、スパムがあったのもので…。
お手数おかけしています。
(でも、私もコメント書く時には、認証キー打ってます~)
大多喜の湯葉、これも美味しいんですよ!
というのは、大多喜の「ゆい」さんというお蕎麦屋さんで頂いた事があって。。
ものすごく濃厚な湯葉です。
今度は、これも食べてみます(^^)。
筍と鶏そぼろせいろ頂いてきました。筍おいしいです、春なんだなぁって感じます。
お豆腐気がつかなかったな、また食べに行かなくっちゃ
>妙にご無沙汰している気分。
震災の前後で隔世の感があるとのお話かな。
yukaさんがお感じになっているものは
或は正解かも知れませんね。
震災の前後で日本社会の形はガラリと変わった可能性がある。
私も 同じメニゥーで頂きたい
認証用キーワド かなり面倒
コメントしたくなくなります。
わがまま聞いてくれる
お蕎麦屋さんいいですなぁ(笑)
おつまみの大多喜の湯葉も食べたいっ
大根おろしと海苔と梅との
味がとっても気になります
→ yuka (02/04)
→ chameleon_arms (02/04)
→ yuka (01/20)
→ yuka (01/20)
→ 多摩市民 (01/19)