お昼ちょっと過ぎの店内は、程良くお客さんが憩う心地のいい空気。
お母様に温かく迎えられ、肌触り優しいゆったりとしたテーブルに腰を下ろし…
早速、「おすすめ」の品書きから選んだ「豊潤」で、
「蕎麦屋昼酒女子会」に乾杯~
滑らかな口当たりに爽快な味わいのお酒は蕎麦前にぴったり。
充てに出された手造りの「じゃこ山椒」がお酒に程良く…
定番の品書きに、「今日のおすすめ」の品書きを眺め吟味し、
あれこれと頼んだ、お料理数々。
まず出てきたのが、定番の「ぜんまい煮」。
極太ぜんまいは、味がしっとり染み、歯ごたえがたまらなく、素朴でいて秀逸。
「じゆうさん」のぜんまいは、やっぱり外せないな~
…と味わっていると、程なく出される蓋付きの器。
開けてみるとこれはびっくり、熱々で供されるとは珍しい、
赤城山から取り寄せたという、旬ならでは、大粒「原木なめこおろし」。
取り分け頂くと、とろみのついた汁に、大根おろしの甘みが染み、
中の大ぶりのなめこが、たまらな~い。
早速「阿部勘」を追加でお願いし…、
続いて出される、人数分ずつ切り分けて下さる配慮がうれしい、
昆布の煮ものも添えられた「鰊としいたけ煮」。
口に入れると、ほろほろと崩れるように柔らかく、
上品な味がしっかりと染みた「鰊煮」は、極めつけの酒の充て。
昆布もねっとり、まったりと味が染み…
見るからに立派な、身厚の椎茸、これが旨いっ。
そして…、ようやく楽しみにしていた私も初めての「出汁巻き玉子」。
2人分を、それぞれ一人分ずつ盛り付けて出して下さり…
箸を入れて、思わずうれしくなってしまう程、ふわっふわ。
中からはじゅわ~り、出汁が染み出てくる出汁巻きは、
ほんのりと上品な甘みのある、出汁の旨みたっぷりの極上出汁巻き。
これ、これは美味し~いっ
…と、玉子に感動しているところに出された、「焼き味噌」。
柔らかい西京味噌に、葱に蕎麦の実、それに海老の殻などが入った、
風味抜群、歯ごたえも楽しい蕎麦味噌は、じゆうさんオリジナルの絶品焼き味噌。
お酒がすすむこの一品に、さらに「喜久酔」特本をお願いし…
再び蓋付きの器で出される、「たたき海苔」。
蓋を開けると、出来たての温かい海苔の佃煮。
そっと添えられた山葵と共に口に含むと、ぱっと広がる風味の良さ。
海苔の香ばしい磯の風味に、しみ込んだ出汁の味わい。
んんん~っ、これもお酒にたまらなーいっ。
と、一人では楽しめない蕎麦前を十分に楽しんで…
そろそろお蕎麦を頂こうと、せっかく3人いるんだもの
三種の蕎麦も堪能したく、まずは基本の「せいろ」そば。
盛られた蕎麦は、一糸乱れない美しい姿の細切りの蕎麦。
茨城山方との蕎麦は、まだ新蕎麦ではなく、しっとり広がる蕎麦の香り。
口に含むと、しなやかな腰が心地よく、爽やかにもするりと落ちる喉越し。
飲んだ後に清々しく軽やかで、喉元からふっと上がる香ばしさに甘み。
さらに、それぞれの出汁が濃密に染み入った、とろりとした汁が又素晴らしく、
この汁だけでも、飲めてしまいそう。
と、そのままで、汁をそっと浸しと、あっという間に食べてしまい、
頃合いぴたりと出して下さる、手挽きして打たれた粗挽きの「田舎」そば。
繊細な細切りの蕎麦の中に、びっしりと埋まる、様々な色の蕎麦の粒。
まるで生きているかのような、儚げで精妙な蕎麦の姿に一瞬見とれ、
口に含むと、はらりとした腰に、噛みしめるとほろりと解ける。
それの間にじわりと広がる、馥郁とした味わい。
ああ、やっぱりこの「田舎」は美味しい…
と、余韻に浸りながらも、追加でこれも♪、「かけそば」を 。
…と、これも三人分に取り分けて出して下さる、うれしい心遣い。
早速と、漆器の器によそられた「ミニかけそば」を手にすると、
すうっと澄んだ美しい、琥珀色のかけ汁。
口に含むと、はぁ~っと思わず声が出てしまう、しみじみとした
柔らかくすっきり、最後に頂くのにふさわしい、体に染み入るようなかけ汁。
中の蕎麦は、温かい汁に浸りほろりとした温蕎麦ならではの良さを感じ、
かけ汁をまとった蕎麦がたまらなく、
さらに添えて出された、手づくりの七味が素晴らしい。
辛さというよりも高雅な風味がふわっと広がり、甘みさえ感じるこの七味。
さっとふりかけると、かけ汁にこの風味がふっと広がる。
すっかり大満足で汁まですべれ頂いて…
とろとろで滑らかなクリーミィーの濃厚蕎麦湯もたっぷり頂いたら、
もう、大満足のお腹いっぱい
…が、さすが女子会、最後はやっぱり甘味、「水あずき」。
ふりかかったきな粉もすべて手造りとの、水羊羹は、とろっとろ。
信じられない程柔らかく、とろりとして、甘さ加減が絶妙。
ひんやりとして、優しい甘さが、食べた後に何ともうれしく…
一人ではなかなか食べられないお料理に、いくつもの蕎麦が頂け、大満足。
すっかり、こころから堪能しきった午後のひと時
ご馳走様でした~
これから冬に向けての品書きも、又、楽しみ…。
*お品書き
せいろ 787円、田舎そば 997円、おろし蕎麦 1,050円、とろろ 1,050円、天せいろ 1,890円、かけ 787円、天ぷらそば 1,890円など、
玉子焼き、豆腐、焼きみそ、ぜんまい 各525円、板わさ 735円、棒にしん945円、牛すじ 630円、鰊と椎茸の旨煮 840円、水あずき 420円など
生ビール 525円、菊姫山廃 945円、喜久酔 1,280円、都願 1,890円など

十割蕎麦 手挽蕎麦
「手打蕎麦 じゆうさん」
中野区江原町3-1-4
03-3951-3397
11:00~14:30 / 17:00~21:00
月曜休 近くにコインPあり
禁煙
ご主人のブログ
2010年 7月27日 氷結「梅おろしそば」
2010年 4月15日 「かき菜のお浸し」、「葱鶏そば」
2009年 8月14日 極上「おとうふ」、夏限定「梅おろし」
2009年 5月23日 お料理をいろいろと、「手挽き田舎」を堪能
2008年 7月23日 絶品、「氷結梅冷し」
2007年 8月22日 五臓六腑に染みわたる 「氷結梅冷し」
2007年 5月 8日 「鰊煮」に「山葵漬け」、「十割せいろ」
2006年 7月 4日 片松葉で初訪問 「天麩羅」に「手挽きせいろ」
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四季を愛で、それを食にも取り入れる日本の文化。やっぱり好きです。
じゆうさんは、いいですよ。
季節折々取り入れるのはもちろん、食材に、殊野菜にとても気を遣っています。できるだけ、自分の手で手作りされているのも好感。
そのうち、野菜作りまでしちゃうかもしれないですね(^^)。
垂涎モノの記事をいま楽しく読ませて貰いました。
暑いインドでブログ「つれづれ蕎麦」を見させて貰っても
なんかピンっと来なかったのですよ。
というのは蕎麦や和食は日本で食ってこそみたいですね。
四季折々の素材を旬先取りに楽しむ。
そうやって四季の移り変わりを楽しむ。
日本ならではの楽しみかも知れませんね~。
次回は、ぜひ、そばがきや、お豆腐、焼き味噌なども頂いてみて下さい。
ここの「かけ」も素晴らしいですよ(^^)。
(あ、水あずきも♪)
そんな、こちらこそうれしい限りです。
最近、富に静岡の蕎麦のすごさに目を見張っているところ。又行こうと思っているので、こちらこそ、多いに参考にさせて下さい。
リンク、ありがとうございます。
私の方も、よろしくお願い致します。
知ってます、知ってます。
手もとに何冊か残しておけばよかったか?
なんて、私も思ってたりして…(^^;
雰囲気よし、
料理よし、
蕎麦さらによし…。
いいひと時でした。
えっ?手っっ?あ(焦っ)。
でも、きっと…
えんじゅさんには、どこかでお会いできそうな気がしています(u_u*)~
3人だとお蕎麦もいろいろいただけて
いいですね。
ラーメン・蕎麦を中心に美味しい物を総合的に食べ歩いています。
本屋で「つれづれ蕎麦」の本を見掛け、このブログを知りました。
こちらは、蕎麦の情報が実に満載ですね。
僕は、年に数回、東京に行くことがあるのですが、その折には、どの蕎麦屋にいくか参考にさせて頂きますね。
あと、こちらのブログ、僕のブログにリンクさせて頂いてもよろしいですか?
現在、最高値で3436円になっとうよ!。
さすがプレミアが付くと怖いですねぇ(笑)。
何冊か買って置けば良かったなぅ・・・。
美味しそうなお料理の数々
乾杯の写真には Yukaさんの麗しの手が写っているし・・・
(この先 どこかの蕎麦屋で遭遇するかも知れないし 手もとチェック)
→ yuka (06/27)
→ yuka (06/27)
→ yuka (06/27)
→ yuka (06/27)
→ ひめはるぜみ (06/26)