行きたいなぁ、と思いつつ、月日の経つのは早く…
金・土・日しか営業してない、という敷居の高さもあり、あれから早5年。
今日は午前中に花活け、なので…
もう、前々から決めていた、「日曜庵」に行こう~♪、の日
仕事を済ませ、電車に乗り込み、久しぶりの訪れる柴又駅。
心もそわそわと柴又帝釈天を通り過ぎ、横の通りからちょっと入ると…
そうそう、この佇まい
5年前の記憶が鮮やかに蘇える、ふっと目の前に現れるこの風景。
やわらかい土色の壁が、どこか地中海の風景を思わせ
ゆったりとした風が流れているような、悠然とした風情。
柴又 「そば切り 日曜庵」
久しぶりのお店を前に、ゆっくりと歩み扉を開くと…
心ときめくアプローチのような、ちょっとした空間。
そしてその奥に、知ってはいても、溜息の出そうなワンフロアに入り込む。
おずおず眺めている私に、すぐに奥様が迎えて下さり、
ほぼ満席の店内の中、案内され座る、一つだけ空いてたテーブル席。
程なく出された、美味しい蕎麦茶をそっと口にし…
置かれている品書きを手にし、すっと目に追いつつも、
目が止まるのは、以前売り切れで食べられたなかった「粗挽きそば」。
「最上級」の「粗挽き」を「選別」し…、「淡緑の蕎麦」の文字だけで、
もう、心はそこに釘付けになりそうになりながら…
久しぶりのお店だもの、まずは、一呼吸、慌てずに蕎麦前を 。
選んだのは、山形のお酒「超辛口」と書かれた「米鶴かっぱ」。
注がれたどっしりとした陶器の器が、温もり溢れた優しさがあり、
口にするお酒は、すっと清らかに染みる、キレのあるしみじみとした旨み。
…と、気になる横に置かれた、素朴な小箱。
何だろう、と開けてみると、これはうれし~い
大好きなじゃこ、それも「ちりめん山椒」が入ってるぅ。
…と、これだけでも十分お酒を楽しめるのだが、
横にそっと置かれている文字に、途端にうれしくなってしまう。
「なごり雪」…というと、なかなか食べられない、大好きな川越の?
お聞きすると、その通り、川越の豆腐屋「小野食品」の「なごり雪」だそう。
これは是非とも食べたい!と、咄嗟にこれもお願いし…
程なく出された「なごり雪」。
そのまま口にすると、ああ…、なんて濃厚な大豆な甘み
しばし、そのままのお豆腐を、すっきりとしたお酒で楽しみ、
醤油と添えて出された「エゴマオイル」をちょっと垂らして頂くと…、
何て濃厚な甘さに、味わい
まるで上品なチョコレートを思わせるような、密度の濃い大豆の甘みに、
エゴマオイルのコクと、醤油の風味が加わるじわ~り広がる旨み。
しばし、豆腐にお酒でゆっくりと楽しみ…、
通りがかった女将さんが、「そろそろお蕎麦用意しましょうか」
と声をかけて下さり、うれしくお願いする事に。
しばして、目の前に出された、念願の「粗挽き蕎麦」。
噂通り、水蕎麦が横に添えられ、丁重に蓋のされた蒸篭で出される。
清らかな水面を通しても、しっかりと映る蕎麦の粒々。
そっと口にすると、冷やりした水をまとった蕎麦は、きりっとした腰。
蕎麦の粒の感触を感じ、噛みしめるとふわりと広がる甘み。
もう、これで心一杯になり、急いで蓋を開け…
そこに盛られた蕎麦の、美しい粗挽きの姿に、一瞬見とれてしまう。
甘皮の色合いが繊細な、飛び出しそうに埋め込まれた蕎麦の粒々。
手繰り上げると、鼻孔に込み上げる、温もりある香ばしい穀物の香り。
口にすると、蕎麦の粒々が口の表面を掠め、これがたまらない心地よさ。
もちもちとした歯ごたえを楽しみ、噛みしめるそばから広がる風味に、
飲み込んだ後に、再び鼻孔を抜けて行く…。
長年食べてみたいと思っていた「粗挽きそば」。
これは、確かに、美味しい…
しばし、汁を漬けるのを忘れ、そのままこの味わいに夢中になってしまう。
汁は、濃い目でやや甘めのまろやか~な仕上がりで、これも蕎麦によく併さり、
手繰る楽しみのひと時は、あっという間に…。
頃合い見て出された蕎麦湯は、かきまぜ棒が添えられた、しっかり白濁して濃厚。
注ぎ入れ頂くと、蕎麦の風味が柔らかく広がる蕎麦湯に、この汁が美味しく、
最後の一品料理が如く、ゆっくりゆっくりと、すっかり頂く、最後の幸せ 。
ほおっと余韻に浸り、お客さんが帰られた店内を見渡すと、
本当に、素敵な空間…。
高い天井からは、柔らかい陽光がこの空間に差し込み、
木肌の柔らかい、濃い茶のテーブル。
心地よく流れるボサノバが、どこか地中海の家にいるかのような心地にさせ、
しばし、時間を忘れてしまう、心安らぐ空間。
去りがたいような気持ちをかかえながら、
それでも、すっかり心満たされ席を立つ。
ご馳走様でした~
まだどこか余韻を残しながら、帝釈天でお参りを…
食べ比べしただなんて、夢八さん、羨ましいな。

そば切り 日曜庵
東京都葛飾区柴又7-13-2
03-5668-0084
11:30~18:00(売り切れ仕舞い)
金・土・日営業
禁煙
2005年 9月 2日 「田舎そば」
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でも、やっぱりお蕎麦を(^^)。
営業日が少ないのが、なかなかネックですが、帝釈天お参りがてら、ぜひ♪
行けてないお店のひとつですわ。
蕎麦やお料理ももちろんだけども
こちらの蕎麦湯はぜひ頂いてみたいっすな
成程、さすがに・・・・
と、味わい尽くしました。
お二人で、三種の食べ比べ、羨ましい限り。
ちょこっと行ける距離に、すずきさんの両方があるなんて、羨ましすぎです。
ちなみに、こちらの「なごり雪」は、川越の小野食品のお豆腐です。
ぜひ(^^)。
そうかも、しれない、です、ね(^^;;
営業日に問題(^^;があったので、5年の月日が流れてしまったのかもしれません。
いえいえ、考えすぎではないですよ~(^_-)-☆
私の文章もまだまだ、というところでしょうか…
感動ものだったでしょう。
ぴさんが翌日も行ったのよく分かりますもん。彼女はすず季と食べ比べ
したんですから、これは地の利があります。
全てが揃った蕎麦屋さんに見えます。
其の分、感動が伝わらないと言うか 平坦な印象が伝わって来ましたね。
贅沢な感想で申し訳ありません!
再訪までの 5年の歳月が物語っています。
少し 考えすぎでしょうか?
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