昨夜は、月の暦まで調べて、お月見兼ねてのプチ蕎麦会。
…だったのだが、生憎お天気は雨模様 。
お月見は残念だったけど、久しぶりに伺うお店に心はうきうき 。
新井薬師からひたすら歩き、ようやく辿り着いた落合の高級住宅街の中…
家以外何もない閑静な通りに、ぽつんと見えてくる小さな灯り。
ひっそり立てられたささやかな看板だけという、密やかさがたまらなく、
その後ろの路地を入っていくと…
昭和の香りが懐かしい、ひっそりと佇む木の板壁の古民家。
すっと下ろされた暖簾に、暖かな灯りがともった玄関の前に立ったら、
思わず「ただいま~」と言いながら扉を手にしてしまいそう 。
落合 「麺工房遊・そば処遊」
扉を開き、玄関で靴を脱いで板間に上がると、
古く懐かしい空気が優しく体をなでていく。
ちょっと色の変わって柔らかい色合いになった障子にふすまを眺め、
予約して置いてもらった奥の部屋へと向かい入ると…
豆電球の暖かな灯りの下、色あせた畳にゆったりとテーブルが置かれ、
5人囲んで座ったら、途端にタイムスリップしたような心地に浸ってしまう。
前回の部屋もよかったけど、小部屋で仲間で寛ぐのっていいなぁ…
と浸りながら、まずは ”見えないお月見”に乾杯~。
と、喉を潤わせ、この時期ならでは「山菜のコース」をお願いすると…
程なく出される、前菜の三種盛り。
自家製マヨネーズで作られた「ポテトサラダ」に、
「大根葉の醤油漬け」。
それに「自家製豆腐、アンチョビ添え」。
どれもしみじみと美味しく、中でもアンチョビの乗った豆腐がいいな~
と、頂いている間に、これはすごい、一人ひと皿づつ出された山菜料理。
ずらりと並べられた6種類の見事な山菜を、ご主人自ら名前を教えて下さり、
皆真剣に聞き耳立てて、お勉強~
「山独活の胡麻酢和え」に、
「どほな(くわだい)の胡麻酢和え」。
「あけびの新芽の胡桃和え」。
「うごきのえごま和え」。
「しときのお浸し」に、
「こしあぶらのお浸し」。
すべて山形直送の山菜だそうで、新鮮でしゃきしゃき、風味が鮮烈。
食べているうちに体がすぅ~っと洗浄されるかのように感じながら…
さっそくこの山菜にお酒を、とお願いすると一緒に出される様々なお猪口。
選ぶのも楽しいお猪口で、まず頂いたのは、愛知のお酒「長珍」吟醸。
ふわっと立つ上品な香りに、口に含んでいるとじわじわ感じてくる旨み。
これは美味しいな~と、山菜でじっくり味わっていると…
前回食べてとても気に入ってしまっていた、「遊」特製の絶品!
「地鶏のもも焼き」が大皿に盛られて出される。(これは3人分)
皮目がぱりっと焼かれ、身はふわりとしてしっとりジューシー。
中からじわ~り肉汁が染み、味わいが濃厚でこれは美味しい~
早速この鳥肉に「諏訪泉」の熱燗をお願いし…
続いて出されたのが、これも酒の充てにたまらない「烏賊のワタ焼き」。
さらに、頭と尾っぽどちらか一方という出され方もおもしろい、
「ハタハタの一夜干し」。
このハタハタも脂が乗って、美味しいな~
お料理はまだまだ続き、蕎麦屋の定番「玉子焼き」(これは3人分)
ほんのり甘めのしっとり焼かれた玉子焼きも、お酒によく合い、
「貴」に「超若松」、「宗玄」とお酒を追加して…
これはうれしい「漬け物盛り合わせ」。
しかも珍しい、「大根の昆布漬」に「きゃべつの糠漬け」の盛り合わせ。
さらに、金沢の治部煮風の「車麩の煮もの」は、味が染み入り、
つるんととろみがついて、しみじみと美味しい。
お刺身まで出されたのには、うれしいびっくり。
「鰹のたたき」に「蛍烏賊の松前風」。それに酢漬けされた「片口鰯」。
ここで、箸休めの「ひたし豆」がそっと出され、
先程の烏賊の身の部分の「烏賊の炙り焼き」。
最後に「これは売り物じゃないんだけど…」と出して下さった、
「片口鰯の糠漬けの炙り焼き」。
濃厚な味わいは、これだけでくいくいお酒が入ってしまいそう~
様々なお料理に、しっぽりお酒も堪能してたら時間の経つのもあっと言う間。
そろそろ、これも楽しみにしていた「遊」さんのお蕎麦を。
陶器の器にほっこりと盛られ出される蕎麦は、端正に切り揃った細切り。
丸抜きの挽きぐるみだろうか、うっすらグレーかかった蕎麦の中には、
透明な蕎麦の粒が埋め込まれ、ところどころに見え隠れする黒い欠片。
手繰り上げると、ぐわ~っと香ばしい蕎麦の香りが押し寄せ、
じっくり包み込むような腰を噛みしめると、ざらりとした舌触り。
繊細ながら野生味溢れ、素朴な蕎麦の良さをしみじみ感じられ、
後からじわじわと広がる香ばしい味わい。
後にはするりと軽やかに喉を落ちて行くのも心地よく、
やっぱり、「遊」さんの蕎麦は独特で、美味しいな~
と、するすると皆手繰ってしまい…
「ここで月見をしようじゃないの」と、誰が頼んだのか「月見蕎麦」。
メニューにはないところを、今日は特別(^^;、と出して下さり…
しばしして、テーブルの上には闇夜にぼんやり浮かんだ朧月
すっきりとして鰹の風味がじわ~っと広がるかけ汁がしみじみと美味しく、
中の蕎麦は、熱い汁に浸ってもしゃきっとした腰。
細切りの蕎麦はするする喉を通り、飲んだ後に心地いい。
後で、そっと崩すと、ぱっと広がる黄身がとろ~り。
これに絡め頂くと、これがたまらな~い
お月見も出来たし、お腹もいっぱい。もう、すっかり大満足~
…と、うれしいな。手作りアイスのデザートまで
キャラメルとみかんの二種類から選べるアイスで、
ひんやりとして甘さが程良く、これが飲んだ後にとっても爽やか。
もう、心から幸せな心地でいっぱ~い
楽しく美味しい時間は、いつの間にか過ぎ去り…
気さくなご主人とお話しできた事もうれしく、至福な心地でお店を後に。
ご馳走さまでした~
今度は、是非、これも絶品との「鳥なべ」を頂きに来よう~と約束をして、
心地よくほろ酔い気分で、再び駅まで…。
セッティングして下さったOさん、
そしてTさん、Sさん、S♂さん、ありがとうございました~


「麺工房遊・そば処遊」
新宿区西落合3-24-14
03-3950-9001
18:00~22:00
日曜・月曜・祝日定休
禁煙
お店のHP
2008年 4月18日 雨の中しっとりとお酒に蕎麦
2005年 6月 8日 憧れのお店で、縁側で頂く夜酒に蕎麦
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又何かありそうですよね(^^)。
最寄駅は、落合南長崎です。
それでもちょっと歩きますが、是非訪れてみて下さい。
あえて答えましょ。もちろんデフォかとww
お店も、山菜も魅力的ですね~。
なんか小旅行にでも行った気分 味わえそう。いつか行きたい!
又、お酒もすすんじゃいそう?(笑)
話声の音量も気にせんで
すんだしねww
オイラは鍋の季節の前にも
伺いたいつもりd(^_^o)
しかも気さくな空気なのが又心地よくて…。
山菜すごかったですよん(^^)。
縁側でのひと時も又乙なもの。
8月になる前に行かなくちゃ。
あんなにお料理が出てくるとは思っていませんでした。堪能堪能(^^)。
鍋もやりたいです♪
皆さんで訪問すると、少しづつ色んなものが食べられるのがいいですよね。
特に地鶏ももには目を奪われました(笑)
しばらくご無沙汰しています~レトロな雰囲気の中、この時期は山菜が味わえますよね~それぞれ生唾ものです~
これからは縁側で一杯やれますね~いやあ美味しそうです(^^)
キレイな月が見えてますな(^_^;)
アンチョビは確かにウマウマだった!
つか、どの料理もいいアテだったね。
ありゃ呑んじゃうよ。
寒い季節も楽しみっすなd(^_^o)
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