今年になってまだ伺えず、あの蕎麦が食べたくてもう限界~。
今日はお友達もお誘いし、強風吹きすさぶ国分寺、お鷹の道へと。
長閑な風情の小径を進み、お鷹の道に入る手前に行き当たる開けた空間。
小さな小川のせせらぎ沿いには、カラーの群生が見事に咲きそろい…
その後ろに佇む、ほのぼのとした空気漂う、かわいいウッディなお店。
ここに再開店して、もうすぐ一年。
すっかり馴染み、この景色に溶け込み始めたなあ…
国分寺 「きぬたや」
独特のロゴで描かれた暖簾を潜り、入ると大きな窓から光差し込み、
手作り感溢れた木のテーブルが、部屋全体に暖かいぬくもりを満たしている。
ゆっくりと流れる空気に、小さなこの空間は居心地よく、
待ち合わせたお友達を待とうと、大テーブルに腰を下ろし、ぐるりと見渡す。
おっ、新しい絵がかかってる
山中さんの雰囲気をうまく表した暖かな絵で、これもいいなあ…
と眺めていると、友人も到着し、まずはハートランドで乾杯
あてに出された、蕎麦味噌を添えた、瑞々しい胡瓜をかじり、
喉を潤わせた後は、「天ぷら」を頼んで、早速お酒を。
「醸し人九平次」山田錦 純米吟醸「EAU DU DESIR」。
日本語だと「希望の水」と名付けられたお酒は、
口に含んだ途端に、ふわ~っと柔らかく、爽やかに広がるな果実の香り。
すっきりとして、旨みがしっかりと味わえる美味しいお酒 。
これに出してくれたのが、「きぬたや」さんの美味しい「つぼ漬け」に、
すっきりとしてこれも美味しい「磯自慢」には、らっきょうも。
さらに、これは…?と、お聞きした、初めて見る、蕎麦湯に入った蕎麦刺身。
「あれ?初めてだった?今、いつでも出しているんだよ」
だそうで、優しく白濁した蕎麦湯の中に、様々な蕎麦の切れ端が入ってる。
ひとづつ食べてみると、これが、美味し~い
温まった蕎麦の刺身は、ふわ~っと香ばしい香りが漂い、
もちもちとした歯ごたえがたまらなく、広がる味が実に濃い。
微粉、粗挽き、挽きぐるみと、味の違いも楽しめ、これはいいなー。
と、すっかり気に入り、味わい食べていると、出された「天ぷら」。
かぼちゃに茄子、蓮根に人参、そしてピーマンにさつま芋。
野菜の優しい風味が楽しめる、からりと揚げられた天ぷらを頂いて…
蕎麦談義など交わしながら、ひとしきり楽しんだ後で、
そろそろ、メインのお蕎麦を頂く事に 。
「今日は、量は少ないんだけど、6種類打ったから、一通り食べてみて」
とのうれしいお言葉。6種類も打ち分けるのがさすが山中さん。
薬味に蕎麦猪口に続き、程なく一枚づつ笊に盛られた蕎麦が出される。
一枚目は、「福井の蕎麦」を生粉打ちで打たれたもの。
ぴしっと角の立った蕎麦には、透明な蕎麦の粒々がぎっしりと詰まり、
手繰り上がると、濃厚に立ち込める穀物の香り。
しっとりと歯を包み込むような、穀物感溢れた腰加減。
噛みしめて行くうちに、じわじわひろがる甘みに、しみじみとした芳ばしさ。
もう…、一枚目にして申し分のない旨さに、うっとり。
久しぶりに食べた山中さんの蕎麦、こ、これは又さらに進歩している
と、続いて二枚目 「福井の蕎麦」外一で打たれた太打ち蕎麦。
太打ちとは言え、劇太ではなく、これも香りが濃い。
噛みしめると力強い腰があり、つなぎ感は全くなく、
やや太めに打たれていても、ざらつき感を残しながら心地よく喉を通って行く。
そして、待っていましたっ、福井の蕎麦の、手挽き蕎麦 。
以前はすべて手挽きしていた山中さん。
あの蕎麦が途端に脳裏に蘇る中、置かれた蕎麦はやはり美しい…。
びっしりと埋まった様々な蕎麦の粒々の、生きているかのようなざわめき。
手繰り上げるまでもなく、立ち込める穀物の持つ芳しき香り。
口に含むと、もちもちとしながらしなやかで、温もりがあり、
何とも言えない、手挽きならではの人の暖かさが蕎麦に伝わる。
広がる風味を楽しみ、飲み込んだ後に再びすぅ~っと鼻に抜け、
ああ、何て美味しいんだろう…
と、余韻に浸っている間にも出される四枚目に、はっと目を引く。
「北海道の蕎麦を玄ごと挽きこんだ外一、40メッシュ」。
濃いグレーの蕎麦は透明感があり、その中に透け見える蕎麦の欠片。
しっかりとした腰に、飲み込む瞬間に掠める蕎麦のざらつき。
噛みしめると、玄ごと挽きこまれた香ばしさが深く、これも美味しい~
五枚目は、「長野の伊那、玄ごと挽いた32メッシュ」
同じ粗挽きとは言え、こちらは焙煎したかのような深い香り。
噛みしめると、さらに味が濃く、口いっぱいに広がる蕎麦の味わい。
ん~、たまらな~い
そして、最後の一枚は、「常陸秋そば」丸抜きの粗挽き蕎麦。
見るからに堂々としたものを感じる、蕎麦の粒の埋まった凛々しい姿。
手繰り上げると、常陸秋そば特有の、馥郁たる香りをしばし楽しみ…
口に含むともちもちとした腰が何とも言えず、
噛みしめるそばから広がる、蕎麦という穀物の濃い味わい。
それが、じわじわと甘みになり、すっかり虜になってしまいそう~
食べ終えたら、まるで夢から覚めたような感覚を覚え、
優しく白濁した蕎麦湯で、その余韻を噛みしめながら、
にこにこと出てきて下さった、ご主人山中さんを交えての話が尽きない。
もうすぐ、再開して1年経つんですよ…
としみじみとおっしゃりながら、もう迷いはないような余裕を感じるよう。
「やっと二階にも客席が完成して…」
と見せてもらったお二階も、すっきりとして明るい空間に
テーブルがふたつ置かれた客室で、ここもゆっくりできそう~
…と、帰り際、横の打ち場、作業室まで見せて頂くと、
手挽きの石臼が二台に、様々な目の篩いが置かれ…
ここで蕎麦を挽き、打っている山中さんの姿を思ったら、感慨もひとしお。
ご馳走様でした~
心から満喫した蕎麦三昧に、又貴重なお話しができた事が何よりうれしく、
いつしか降り出した雨に濡れながらも、心は満たされほぉっと暖かで…
Mさん、Aさん、ありがとうございました~

「きぬたや」
国分寺市東元町3-19-34
042-326-7399
11:00~16:00
月曜、第1,3火曜定休
禁煙
2009年 9月 9日 「天ぷら」に絶品6種の蕎麦
2009年 8月19日 再び訪問、6種の蕎麦を堪能
2009年 6月24日 「『きぬたや」にて、野菜天ぷらにせいろ三種」
移転前のお店
2006年 9月13日 「賛・きぬたや」最後に頂く蕎麦三種
2006年 2月23日 私の為に打ってくれた蕎麦
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すべて、ではないようですが、やっぱり山中さんのお蕎麦は手挽きが光ります。
内側暖簾のサイン♪、あ、それ、さらに懐かしくっていいかも♪♪
手挽き始められたんですね~♪
これは頂きに参らねば♪
手挽きせいろがある時はサインとして
暖簾を内側に掛けて欲しいカモーン♪
成程、びっくりしたけど、納得です。
はい、きっとこのお二階の席だったのかと…。
何人かで行く時なんか、ゆっく~りできそうでいい感じでした。
maboさんも、恋ヶ窪時代からのファンなのかしら・・。
『5月の連休に(潮さんに行く途中で)きぬたやさんの前を通ったのですが工事中でした』という意味です.
たぶん このきぬたやさんの2階をつくるのに関連する工事だったのかなと思います.(^_^;)
それは知りませんでした。
こないだお邪魔した時も、聞いていなかったのですが・・
お二階席。
これは興味しんんしん。近いうち行ってみます(^^)。
情報ありがとうございました。
もう一年、いや、もう一年以上経ったかのように、すっかり落ち着いたお店になってしました。
手挽きのお蕎麦、ぜひ!
事前にお電話しておくと、確実かと思われます。
ここしばらくご無沙汰しているので、近々伺いたいと思います。
特に手挽き粉による蕎麦はぜひ食べてみたいですね。
「きぬたや」さんは私が蕎麦にハマるきっかけになったお店で、すごく好きです.
5月の連休に(「潮」に行ったときに)前を通ったのですが工事中でした(お店の写真の左側).厨房を広くされたのかなと思っていたのですが、そこが2階に上がる階段になったのでしょうか.
今度は2階で蕎麦をいただいてみたいです.
はいっ♪
すーんごい、美味しい!
香りも味も濃くて、とても感動しちゃいました♪。やっと頂けてよかったです。
この日も手挽きのものを頂いたのですが、やはり何とも言えない旨みが違います。均一でない、手のぬくもりが、蕎麦の実を通して漂い…
一年、じわじわと、蕎麦が生き生きとし始めてきていますよー(^^)。
蕎麦のひろひろ(蕎麦刺身って名前なの?)最高ですよねー。
手挽き臼が使われているような(使用感)が見えます。
味はわかりませんが(笑) とても綺麗で 美味そうな雰囲気を感じますね。
移転開店1年の変化はいかに・・
どれもが素晴らしくて、どんな言葉でも本当は表しきれないものでした。
う~ん、ですよね(^^)。
もう、どれもが甲乙つけがたい美味しさに、うなるばかりのひと時でした。
蕎麦湯に入った蕎麦刺しもそうですが、6種類の蕎麦も・・・。
う~ん・・・。
落ち着いた生活がしたいです(笑)
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