冬もまっただ中の、今日この頃…。
そろそろ、冬ならではのご主人のお料理を頂こうと、再び集まる夕暮れ時。
この日の為に、体調も整え、わくわくする気持ちを抑えながら、扉を開く。
西国分寺 「手打十割そば 武蔵国分寺 潮」
夜の営業すぐに入った店内は、しっとりとした静寂に満ちている。
ご主人と新年のご挨拶などかわし、ぐるりと見渡す年季の入った店内は、
優しい木々の温もりに溢れ、手書きされた品書きが素敵なインテリア。
んー、これも何としてでも食べてみたい…
など見渡しながら、まずは、ビールで乾杯し喉を潤わせていると、
「先付」の、「鱈白子 柚子茶碗蒸し」 が置かれる。
繰りぬかれた柚子の器に、ふるふるとした裏ごしされた鱈の白子。
口に含むと出汁の風味に白子の味が交わり、もう、唸ってしまう程の美味しさ。
すぐに熱燗をお願いして、始めの一品からもうノックアウトしてしまいそう~
と、堪能しきったところで、銘々に出される、見ているだけでもうれしい
「旬の前菜盛り合わせ」。
何度見てきても、この盛り合わせの美しさには、息を飲む。
ふきのとうを鶯に見立てた 「鶯ふきのとう」。
ふきのとうの皮の中には、蕗味噌を包み込んだ柔らかな白玉餅。
ふわりと香る、蕗の香りに味わいに、もちもちっとした食感がたまらない。
「からすみ、黒豆の松葉刺」
ウドや金時人参の豆腐の味噌漬け和え、が添えられ、
ほっこりと、甘さ控えめに上品に炊かれた黒豆に…
この「からすみ」がすごすぎる
口に入れた途端に、ぱらぱらぱら…と、こぼれるような粒々感。
まったりとしながら、これだけ「魚卵」というのを感じさせるのは初めて。
ひと粒、ひと粒の卵が生き生きとしているような感じを味わい、
もう、これにクラクラしてしまいそう~
そして、真ん中に貝殻を形造った器に盛られた 「このわた蒸し」。
「よく混ぜて、飲んで下さい」と言われ、箸を入れ混ぜてみると…
柔らか~な出汁玉子蒸しの中に埋まっていたこのわた。
これをすするように飲むと、こ、これがなんてオツな味わい。
お酒がススんでススんで、仕方ない~…
千枚漬けで巻かれた、「蟹 奉書巻」 に、
「原木椎茸 明太子黄金焼き」。
かぶりついてみたら、キッシュ風に焼かれた椎茸の中には、
これも粒々がたまらない、明太子。
この前菜の一皿だけで、幾度も盃を重ねながら堪能した後は、
上品な、漆塗りの蓋つきの器が出される。
蓋を開けて、見るのも幸せな、「梅に鶯」。
グリーンピースの擦り流しの中に浮かんだ、百合根饅頭。
もっちりとろ~とした中には、海老が込められ、
擦り流しに沈んだ焼き穴子は、溶けていくふっくらとした身の焼き穴子。
そして…、今日のメイン「アンキモ」の、向付 「活あんこう」
山ウドと和えられた、湯引きされた鮟鱇の共味噌和え。
と、さらに何度めかの「熱燗」コールをした後に
出された、器の蓋を開けてみると…
これも何とも贅沢な、「鰻まんじゅう蒸し」。
ふっくらと蒸された鰻に、蓮根に蕎麦の実が重なるミルフィーユ。
口に含む感触も楽しく、かかった銀餡がとても上品。
これをゆっくり頂いてていると…
大好きな、ことことと丁寧に炊かれた「海老芋」の含め煮。
箸を入れる間もなく崩れる程に、ほっこり柔らかく、
口に含むと、途端にとろけ、素材の甘みがじわ~っと広がる。
そして…、いよいよ、今日のメインの「鮟鱇鍋」 。
我々が飲み寛いでいる横で、ご主人自ら作って下さる、
その、手際のよい手さばきを見ているのも、又楽しく…
ぐつぐつとい~い匂いが漂う、経過を見ているだけで生唾もの。
ぐつぐつぐつぐつ… 出来あがり~
銘々に、ご主人がよそって下さるのもうれしいな~
ほとほろほろ…と、ほどけるような身の鮟鱇もたっぷり。
骨をしゃぶって味わい、とろ~っとした甘い白菜に、京菜もたっぷり。
肝の溶け込んだ、上品かつ味わい深~い汁もたまらなく、
もう、幸せ~~~
さらに、表面が香ばしく、とろん…と、と蕩ける「炙りアンキモ」に、
(撮影:Mr.Chun)
酒の肴にたまらない、自家製「ゆべし」まで(一人一切れ)。
これで最後の余韻のように、お酒にまったりとしていると…
自家製の美味しい「糠漬け」が出され、
(撮影:Mr.Chun)
タイミングぴったりに、「あんこう鍋」の雑炊が出来上がる。
これも銘々に持って頂き、こ、これが又しても美味しい~っ
すっかり宴もたけなわになった頃…そろそろ、最後の〆、お蕎麦となる。
(撮影:Mr.Chun)
茨城境街の常陸秋蕎麦、十割で打たれた丹精な細切り。
手繰り上げると、ふわりと漂う香ばしい香りに、しっとりとした心地のいい腰加減。
じわりと広がる穀物の風味に、喉越しのいい蕎麦はするする入ってしまう。
そして、ひとつだけ作ってもらった「かけそば」。
澄んだ美しいかけ汁は、すぅ~っと体に染みていくよう。
上品な出汁の味わいは、さすが料理人の上等な味わいで、
それに浸る蕎麦がたまらなく、手繰る手を止められない。
さらに、これも楽しみにしていた、最後のデザート。
(撮影:Mr.Chun)
大好きなプチシュークリームがまず出され(写真なし)
その後で、二人で一つずつ出された、カスタードプディング。
玉子の味がしっかり感じる濃厚な味の、贅沢プリン。
(撮影:Mr.Chun)
さらにこれも二人で一つずつの、「フォンダンショコラ」。
濃厚なチョコレートの味わに、しっとりとろける、ガトーショコラ。
潮さんは、お料理から蕎麦に、デザートまで素晴らしい…
と、今夜もすっかり味わいつくして、幸せな心地でいっぱい。
ご馳走様でした~
今度は、春、かな…
*お品がき
そばぎり(150g) 800円、大盛り 1,100円、おかわり600円、おろしそば 1,000円、鴨汁そば 1,300円
玉子やき 550円、そばがき 800円、生ゆば 800円、にしん棒 650円、鰊昆布 200円、このわた 1,000円、やきみそ 500円、焼きたけのこ 650円その他、
蕎麦会席 4,000円~ (頂いたコースは10,000円)
浦霞、酔鯨、春鹿、八海山 600円~、ビール(エビス、スーパードライ)

「武蔵国分寺 潮」
国分寺市西元町 2-18-11
042-359-2898
11:30~14:00 / 17:00~21:00
(土日祝)
11:30~15:00 / 17:00~21:00
火曜定休 店内禁煙 P2台
2009年11月 1日 「秋の夜の蕎麦会席」
2009年 8月10日 「夏の夜の蕎麦懐石」
2009年 3月23日 「春の夜の蕎麦懐石」
2007年11月23日 「秋の夜の蕎麦会席」
2007年 6月20日 「焼筍」、「鰊昆布」、「そばきり」
2005年 3月18日 「そばきり」
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もちろん、お蕎麦だけでもいいのですが、ここにきたら、ご主人のお料理をぜひとも食べたいお店です。
それが…
雪にぬられたのが悪かったのか、
又、ぶりかえし気味なんです・・・・(涙)
ケーキは、ご自分がお好きなんだそうで…(^^;
ここは季節ごとに訪れたいお店です。
又昨夜から、ちょっとおかしくなってきてしまっています(涙)
今度は、鼻にきています。今年の風邪はちょっとしぶとそう…。
まあやんさまもお気をつけて下さい。
潮さんは、ほんっと、もう、素晴らしいのひとことです。
お蕎麦とはジャンルがかけ離れますが、ケーキも美味しそうですねぇ~
今回の記事も、美味しく頂きました。
ご馳走様でした
次回も楽しみにしてます。
ということは、お元気になられたようで、何よりです。それにしても潮さん、どれもこれも魅惑的な料理の数々~よだれもの(失礼)です。美味しそう(^^)
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