又、是非伺いたい…、と思っていた立石の「玄庵」さん、。
「江戸東京蕎麦の会」出身のお店が好きな私としては、ご主人ともお話してみたい
と、常々思っていたところ、お親しい御仁がお付き合い下さる事に…
奥戸街道沿いに建つビルの入口に、がしっと下ろされた白ぬき文字の暖簾。
そのがっしりとした大きな文字からは、
多くのお弟子さんを全国に飛び立たせた、度量の広さを感じるよう…。
京成立石 「手打そば 玄庵」
暖簾を潜り、奥のエレベーターで二階に上がると、
そこは、蕎麦屋とは思えないアンティーク家具に囲まれた、シックでレトロな空間。
奥には、様々な個室が作られ、掘りごたつの少人数の小部屋から、
北欧家具で統一された、鍋もできる部屋など様々。
そしてメインの客室には、元家具屋さんだったご主人ならでは、
素敵な骨董の家具のコレクションが所々に置かれ、思わず見入ってしまいそう。
と、ぐるりと回りを眺め、まずはビールで乾杯~
ビールに出されたサクサクとした「揚げ蕎麦」を頂いていると…、
何ってうれしい 、お会いしたかったご主人が顔を出して下さる。
にこにことした笑顔が、とても素敵なご主人にご挨拶などさせて頂き…
ぜひ、こちらを食べてみて下さい、と薦められたコースのお料理を。
まずは、陶器に美しく盛りつけられた「先付け」の盛り合わせ。
丁寧に切りこまれた胡瓜に、柿、梨の酢味噌和え。
それに、松茸型に切り抜かれたさつま芋に人参の素揚げに…
添えられた揚げ物を食べてみたら、これが美味しい
紫蘇で巻かれて揚げられた、「牡蠣の天ぷら」。
お豆は甘さ控えめのほっこりとし、「海老と野菜の卵巻き寿司」。
ご主人も一緒に加わって下さり、このお料理を前に熱燗を。
話題の豊富なご主人のお話を聞きながらの、お酒は楽しく…
程なく、二枚目の盛りつけ料理のお皿が置かれる。
丁寧に巻かれ作られた出来たての「出汁巻き玉子」は、
ほんの~り甘みのある、出汁がしっかり感じる正当な蕎麦屋の出汁巻き。
それに、焼き目も美味しそうな、厚めの「鴨焼き」があり、
鴨には定番の葱に、インゲン、しめじが添えられて。
どれもが、きちんと美味しいお料理に、熱燗がススムススム…。
ゆっくりと二枚のお皿を食べ終えた頃合いに、すっと出されたのは
透けるような大根がふりかけられた、「蕎麦サラダ」。
菊の飾り盛りも美しく、ざっくりと混ぜ頂くと…
さっぱりとしたドレッシングのかけられた蕎麦がとても爽やか。
しゃきしゃきとした大根の歯ごたえも心地よく、
しっかりとした腰の蕎麦にこの和風ドレッシングがとてもよく合う。
するすると頂いてしまった後には…
薄い衣をまとったさっくりと揚げられた「天ぷら盛り合わせ」。
茄子にシシトウ、ほっこりとした南瓜に、ジューシーで味の濃い海老の天ぷら。
蕎麦談義から、山談義…、話は尽きる事無く、お酒も進む中、
いよいよ、最後のメイン「せいろ」をお声かけで頂く事に。
程なくして出された蕎麦は、「蟻巣石製石臼」で製粉したばかりの常陸秋蕎麦。
角が立ち、端正に切り揃った蕎麦は、流石に美しい。
前回は「粗挽き」蕎麦を頂いたので、初めて頂く「せいろ」は、
微粉の中に、丸抜きの細かな蕎麦の欠片が浮く細切り。
手繰り上げるとふわりと蕎麦の香りを感じ、
噛みしめるとしっとりと歯を包み込むような腰が心地いい。
するりと落ちる喉越しもよく、するすると入っていってしまう。
出汁の香りがふわっと立つ、まろやかな汁も美味しく、
さらに、ぴりっと辛い、辛味大根を加えぴしっとした味わいが又美味しい。
飲んだ後に心地のいい蕎麦で、最後に辛味大根を加えた汁に、
適度に白濁した熱々蕎麦湯を頂くと、すっかり満足な心地に浸ってしまう。
最後に、こちらの製粉所も見学させて頂き、何台も回っている石臼や、
製粉したての蕎麦粉を拝見させて頂き、
「江戸東京蕎麦の会」本山のすごさが目の当たり。
その後で、のぞいた、生徒さんが学ばれる「お教室」。
ここから、これからも又何人ものお蕎麦屋さんが誕生するんだ…
と思ったら、なんだか感慨深く、じわっとくる思い。
すっかり長居して、ご主人のおっきくて温かいお人柄に触れられた事、
そして、優しい女将さんの笑顔に、これが、「江戸東京蕎麦の会」なんだなぁ…
と、あったか~い気持ちになりながら、お店を後に。
本当にありがとうございました~

又、ふらりと訪れたい。
もちろん、出来る事なら、こんな時間が又もてたらいいなあ、と…


葛飾区東立石3-24-8
03-3694-1241
11:30~15:00 / 17:00~20:00
火曜定休(祭日営業)
P8台
お店のHP
2007年 6月13日 出汁巻きに天ぷら、そして「粗挽きそば」
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お見苦しいもの、すみませんでした…。
農家さんが、出し控えしているというのもあるようです。
ゲットしているなんて、いいですね♪
とにかく、今年一年も美味しいお蕎麦が食べられる事を祈っています(^^)。
感激です!!
そば文化若者にも知ってほしいですね。
そば粉の不足で中国産に目を向けているとか。
夏そばに出番はないでしょうか。
3町歩ほどの種をかくほしました。
そんなっ
全く、全く気になさらないでください♪
私は、うれしかったですよ~(^^)
ぜひ、伺って見て下さい。
お蕎麦も、十割、粗挽き、田舎と三種あるおで、楽しめます。
ぜひぜひ、おすすめです。
それと…、
ありゃりゃ、見られちゃったんですね(^^;
お目を汚してしまって、すみません…
そして、ご主人の御心の大きさに、お弟子さんが皆きちんと育っていくのが、理解できるようでした。
土日庵もいいですよ♪
兎月は、知りませんでした…
私も、今度伺ってみます。
でも目的ある通り道だったので、お蕎麦好きですが、気がつきませんでした。
今は東京を離れてしまいましたが、春に帰京したときは、蕎麦好きの主人と行ってみたいと思います。
このお料理拝見したら・・・一度仲間を誘って行きたくなりました!
たまたま、昨日めったに更新の無い玄庵のご主人のブログ拝見して・・・おお(@@)!
と感激したsinoでした(^^)
京成立石に行くときは、3軒梯子かな(^^;
ちゃんと、仲店ものぞきながら伺いました。
今回は、ちょっと特別で…
今度は、お隣にも行きますよん。
なんだ、立石に来ていたのか・・。
隣の高砂には行かなかったようで(笑)。
ココはおいしいんだけど、どうも敷居が高くって・・・(汗)。
真向かいにあるお煎餅屋さんの割れ煎がお土産にもってこいですよ~~。
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