そのロケ-ションの素晴らしさと、蕎麦の旨さ…。
その記憶をたどる度に、もう一度行きたい、と常々思っていたお店。
今日は、仕事でこっち方面に行くついでに…、という友人のお誘いで、
ぱあっといつもの仲良し蕎麦お友が賛同し、4人で憧れのお店へと…。
谷和原ICから降り立ち、鬼怒川に掛る赤い橋のたもとの、目立たぬ看板。
その細い細い、川へと降り立つ砂利道を降りていくと、ふと現れる、
草庵を思わせる、しっとりと落ち着いた屋根付き門。
暖簾の奥の細道には、品良く竹を始めとする木々が植え込まれ…
もう、このアプローチだけで、わくわくする気持ちでいっぱい
守谷 「鬼怒川 竹やぶ」
前回訪れてから、早くも4年ぶり…。
暖簾を潜り、しっとり木々の間を抜けると、入口へと続く回廊があり、
突き当たりの扉を開き、入った店内は…
ああ、変わらない、この素晴らしい風景が目いっぱい広がった空間。
大きく開けた窓からは、雄大にせせらぐ鬼怒川の下流が見渡され、
そろそろ色づいた木々が自然の姿でそこにある、この風景だけでうっとりとしてしまう。
程なく、にこにことした感じのいい奥様がお茶を出して下さり、
しばし、皆、ぼおっと…
この空間、この景色、それだけでもご馳走だ、
と、ゆっくりと見入り、落ち着いたところで品書きを。
「限定20食」の手挽き田舎は取り置いて頂いているので、いくつかのお料理をお願いし、
このぽかぽかとした陽気に喉を潤わせたく、エビスでぷはっ。
(ここには低アルコールビールもあり)
充てに出されたのは、角切りにされた「揚げ蕎麦」。
軽やかで、塩加減もばっちりのこの揚げ蕎麦を頂いていると…
程なく、蓋つきのお碗と、「葉山葵醤油漬け」が出される。
いかにも掻き立ての鰹節がふりかけられた「葉山葵の醤油漬け」。
出汁醤油にしっとり漬かった葉山葵。
風味といい香りといい歯ごたえもよく、これは美味しい。
そして、塗りの湾の蓋を開けると、見目にもしっかりとした「生ゆば」。
歯ごたえのある湯葉は、まったりとして濃厚。
と頂いていると、二人前で頼んだ「玉子焼き」が、人数分に取り分けて出される。
熱々出来たての玉子焼きは、甘さ控えめのふわふわジューシー。
ちょっと甘めの玉子焼きも好きだけど、この味わい、これは流石に美味しい
ビールでなくて、日本酒を頼めばよかった~っっ。
と、4枚の取り皿が出され、広げてみるとそれぞれに違う一文字が。
そして、出されたのは、「にしん」とだけ書かれていた、「にしん煮」。
くたくたに煮込まれたのが見て分かる昆布がたっぷりと添えられて。
箸を入れ取り分け頂くと、これが、溶けてしまうかのようにふわっとしてとろ~り。
上品な味がじっくりと染み入った身の鰊で、こ、これは極上…
と、注文したお料理をすべて堪能したところで、
いよいよ、取り置いて頂いていた、「田舎蕎麦」を出して頂く事に。
程なくして出された「田舎そば」は、高足の笊に盛られて出される。
新潟の蕎麦を十割で打った、外殻をも挽きこんだ粗挽き蕎麦。
角が立ち、その繊細な細切りの蕎麦は、挽きぐるみでありながら上品。
手繰り上げると、途端に込み上げる、深く香ばしい香りにもう、うっとり。
口に含むと、もちっとした腰があり、噛みしめようとすると感じるざらりとした感触。
殻の粒が掠めるそのざらつきがたまらなく、噛みしめるとじわじわと広がる香ばしさ。
後には、穀物のもつ甘みを残し・・、、繊細でいて、野性味も併せ持つ、
こ、これは、美味しい~
そのままで食べつくしてしまいそうな蕎麦だが、汁も又美味しい。
かなり濃いめの汁でありながら、まったりとしてまろやか。
この田舎に負けず、合わさる事で蕎麦の甘みを引き立てる。
添えてある、辛味大根おろしを加えると、さらに輪郭を感じさせ、
二度の楽しみを味わい、官能しながら食べてしまう。
そして、まだまだ食べ足りない我々は・・・
Tさんのリクエストで追加した「鴨つくねせいろ」。
鴨肉だんごがごろんっと入ったもので、これも美味しそう~。
さらに、一枚「汁なしせいろ」をお願いすると、これも蒸篭に盛られて出される。
一見、微粉で打たれたきれいな蕎麦に見えるのだが…
良く見ると、丸抜きを粗挽きされたもので、これも香りが濃い。
噛みしめると、これもしっかりとした腰があり、田舎よりは上品に、
これもしっかりと広がる、「田舎」とは又異なる穀物の風味。
せいろも美味しいな~…
さらに、私のリクエスト、「かけそば」もお願いすると、全くシンプルに出される蕎麦。
透けて見えるような美しいかけ汁。
この汁を口に含むと、なんて上品な味わい。
鰹だけではないのだろう、複雑且つ奥行き深い、まろやかで染み入るようなかけ汁。
しばし飲みふけりそうになりながら…
静かに横たわる蕎麦を手繰り上げると、これもしっかりとした腰。
かけ汁をまとった蕎麦は、上品でありながら、まるで湯豆腐のような良さがあり、
これが又美味しい。
手繰りながら見つめる、この「せいろ」も又美しく、すっかり夢中で食べてしまう。
(みんなで…、です )
頃合い見て出された、年季の入った湯桶の中は、
ほわほわと湯気の立った、泡立つような白濁した蕎麦湯。
これを汁に注ぎ入れ頂くと、すぅ~っと素直に伸びる汁に、その旨みを実感し、
これもたっぷりと頂いたら、もう、心から大満足
が、これが最後に、皆全員気になってしまって…
銘々頼んでしまった、「甘味 栗の茶巾しぼり」。
地元茨城の栗で作られた、ほっこり丸められた栗は、秋の装い。
口に含むと、ほっこりとして、栗意外の一切を混ぜ込んでいない、
そのままの栗の甘みだけで作られたもの。
自然のこの甘みに、栗の風味いっぱい味わう、最後の幸せ。
同じ「竹やぶ」のお店でも、懲りすぎず、自然と一体になったこの風情。
そして、丁寧なもてなしに、記憶以上に美味しいお蕎麦に改めて感動したひと時。
都心からも、程近く。
そして、この素敵な風情の中頂ける蕎麦。
又…、是非訪れたい、としっかりと胸に思いながらお店を後に。
ご馳走様でした~

そして今回も又、やっぱり皆さんと一緒だったからのこの楽しみ、大感謝です♪
*お品がき
せいろ 750円、汁なし630円、田舎(現地20食)850円、辛味おろし、とろろ、納豆 1,070円、揚げなすそば 1,180円、鴨つくねそば 1,380円、天せいろそば、鴨せいろそば(冬季限定)2,100円
かけ 750円、山かけ 1,070円、にしん 1,580円、天ぷら、鴨そば 2,100円、そばがき 1,070円
玉子焼き(二人前から)、豆腐、板わさ、焼きみそ 530円、生ゆば 500円、焼きのり 370円、葉わさび醤油漬け 370円、にしん 840円
低アルコールビール 420円、ビール 630円、焼酎 530円、燗酒天狗舞 840円、天狗舞、菊姫 1,050円など

「鬼怒川 竹やぶ」
茨城県守谷市板戸井1917-1
0297-46-0088
11:30~17:00 (16:30LO)
月曜休
禁煙
2005年 6月25日 「田舎そば」に感動
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うれしい、お言葉に、涙です。
私も、載せられなかったお店や、
東京限定、と言われて、やむなく載せられなかったお店がいっぱい。
そういうお話なったら、
うれしい、のです、が…(^^;
今回は 多分…都心のみの掲載制限があったと思いますが
次回は「つれづれ蕎麦 わざわざでも行ってみるお店」なぁ~んて言う 埼玉 千葉 茨城…それと…何とか山梨!の ご主人を 中心にしたっ(^-^) 人物中心のお蕎麦屋さん紹介 よろしくお願いしまぁ~すねっ(>_<)
そう思って頂けただけで、とてもうれしいです。
不安いっぱいで、いろいろと満足のいかないところもあったのですが・・・
はい、体、気を付けなくちゃ、ですよね(^^;
元気じゃなくちゃ、お蕎麦も食べられない。
お気づかいもうれしい・・・
これからも、どうぞよろしくお願い致します。
本日 埼玉のド田舎で…やっと「つれづれ蕎麦」本 購入しましたっ(^O^)
感想は…派手でない見かけだけど シックで 写真も美しい…。
サイズ 手触りもちょうどよく 内容も読みやすい。それでいて 真面目な内容でありながら…小説のようで写実的。
カラーページと白黒ページの割合もよく…yukaさんの 心持ちが…流れてくるよう…素晴らしい。素晴らしいです!
本を読みすすめると…
ウキウキしながら…
青空に浮かぶ雲を見上げて…
お店に迎うyukaさんの姿が…浮かんできますっ!
それに…毎回毎日レポートをUpするのは 大変でしょうっ!
でも…きっと読者は レポート待ってます。
これからも 無理せず 頑張ってください!頑張ってくださいねっ(^-^)
追伸…時々 体調を崩されるようなので…飲み過ぎには 気をつけてっ(^_-)!
出版 おめでとうございます!
ロキュータス
全然…、違う、って私もしかと…。
それよりもっ!
大丈夫ですか??????
交通事故?どこかお怪我はないですか?
私も以前骨折していただけに、すごく心配になってしまいました。
「大椙」さんに行けたとなれば、深刻なようではないので、ちょっとほっとしていますが…。でも、でも・・
(それはそうと、「大椙」に、行きたい…)
すず季さんにも、又行きたくてうずうずなんです。ご主人によろしくおっしゃって下さい。
でもってでもって、
くれぐれも、くれぐれも、お大事になさって下さい…

因みに…今 交通事故にあい自宅療養中なので…自分を元気づけるために 「大椙」で 冬期限定「牡蠣そば」を食べてきました!
プリプリの牡蠣が…確り蕎麦に馴染んで 幸せです (^-^)
しばらくは 暇になってしまったので(>_<)…明日は「すず季」の ご主人のお顔を拝見に行きたいと思います!
また ご報告しますね(^-^)
私も、はまっているので、最近見つけては買って、ちりめんじゃこで食べたり、小平の「吟」さんの真似をして、野沢菜と混ぜて食べたりしています。
(これ、ものすごく美味しいです)
あと…、鍋に入れると、甘みが出て、これも美味しいんですよね♪
(でも、ちょっと羨ましい…^^;)
いえ、まだ…(焦)。
早く、新しく購入しようと思っているところです。
写真の謎は…、ええっと(^^;
常磐高速に乗ったらあっと言う間です。
ぜひ、ここは訪れて頂きたい…。
私は、本店よりこちらの方が好きなんです
眺めも雰囲気も蕎麦も、オススメです。
(あ、あの、きっと岡崎さんもどちらかで、食べた事のある部類かもしれないですが…^^;)
水気が出ないのですよ。
だからしぼらずともそのまま使える。
久しぶりに見させていただきましたが、すごくおいしそうに撮れていますね。
まだカメラのマクロのピントの距離感が微妙ですから、ひょっとして ? ?
葉山葵って出始めたばかりじゃないですか?
玄蕎麦の挽きぐるみが上品でもあるって
僕のまだ知らないカテゴリーの蕎麦かも知れません。
料理自慢の伯母さんが煮物作ってきて
くれるんだが
「全部鰊入ってるな」
って文句言ってたのを思い出す
かけそば美味しそう
鰹以外って鯖節とかですかね
実家の蕎麦つゆの出汁が
煮干とミックス削り節だったから
もしや、拙者の実家のお汁に近いのかしら
あーお蕎麦食べたい
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