開店してもうすぐ2カ月。
前回は、開店早々だったので、、そろそろ落ち着いた頃かな…
と思ったら、もう行ってみたくて、花活けの仕事を済ませた後に、
仲良しご夫婦と一緒に再び浦和へ 。
浦和の駅から程近く。ロータリーの裏側のレンガ通りの端に立つ、
ちょっとレトロな建物、「ナカギンザ」の中の一角に、
明るい空気が漏れこぼれ、すっと下ろされた純白の暖簾。
浦和 「庵 浮雨 - un peu - 」
a few…の意味のフランス語。
ゆったりと浮遊しながら、落ちていく雨粒のように…と。
お昼時の喧騒が丁度終わった辺りの昼下がり。
にこにこと迎えてくれるハルちゃんの笑顔を見ながら、厨房に面してあるカウンターに、3人で並んで腰を下ろす。
まずは、ビールで乾杯しようと、ハートランドを頼もうと思ったら、
「今日はベアレンビールがありますよ」
との事でこれはうれしい 、早速それで乾杯~♪
岩手の地ビールベアレンビールの「小麦のビール」と「クラッシク」を飲み比べ。
お通しに出して下さったのは、ハルちゃん特製「ちくわの燻製」。
歯ごたえのある質のいいちくわに、ふわっと広がる薫香がたまらない。
と、このちくわでくぅ~っと喉を潤わせ、味の違いを楽しみながら…
早速、置かれている品書きを開いてみると、おっ、メニューが増えてる 。
お勧めを聞きながら、頼んだお料理は…
カウンタなので、と小鉢に分けて出してくれるのもうれしく、
まずは、「ブロッコリーとタコのガーリックマリネ」。
和風テイストの出汁を思わせるドレッシングにガーリックの風味がアクセント。
蛸とブロッコリーの歯ごたえも楽しく、このビールにぴったり
それに添えて出されたのは、「トマトと水菜のおひたし」。
トマトを鰹出汁で漬けられたお浸しは、その汁まで飲みほしてしまう程。
そして、やっぱりここに来たら食べたい燻製料理は、魚を選びお願いすると、
ぶりとタラコが併せて出され、しゃきしゃきとした玉ねぎがよく合う。
粒々感たっぷりの、上質のたらこに、ふわ~っと香ばしい薫香。
これは、もう…、タラコに目がない私には、たまらな~いっっ
この品々には、やっぱりお酒♪、と「本日の地酒」の中から、まずは「磯自慢」。
これで、じっくりと楽しみ、「鴨の燻製」をも。
旨みたっぷりの椎茸のマリネが添えてあるのもうれしく、
ふわりと柔らかく、噛みしめるとじわ~っと鴨の風味が広がり、これは美味しい。
と、お話など聞きながら頂いていると、
「まだ試作なんだけど、近々メニューに載せようと思っているのがあって…」
と、自信感じる笑顔で、にこっと出してくれたのが…
これはびっくりっ 、何と 「鰊のトマト煮」。
たっぷりのトマトがとろりとかけられ、ケッパーが散らされた様は、
まるでフレンチの魚料理の一品かのよう。
箸を入れると、柔らかく煮込まれた鰊は、口に入れるとほろほろと溶けていく。
それに、このとろりとしたトマトソースに鰊が、実によく合う!。
こ、これは、美味しい~っ
さらに横に添えてある、蕪にレンコン、ヤングコーンも味が染み、これも旨いっ。
何だか、フランスパンを頂きたくなってしまいそう~。
フランス料理を習ってきた土台があるハルちゃんのお料理の実力を改めて感じ、
鰊をトマトに合わせる、発想の豊かさにも感心してしまう。
ワインにも合いそうなこのお料理に、「モヒカン娘」(青森)の熱燗を頂き、
さらに頼んだ「海老天ぷらの盛り合わせ」。
ナス、レンコン、インゲン、人参、それに立派な海老の盛られた天ぷらは、
どこか家庭的な風情ある、懐かしいほっとする味わい。
と、Sさんが、お隣の人が食べていた「掻き揚げ丼」が気になる♪・・・と言い、
単品でお願いした、ミニ「海老掻き揚げ丼」。
角切りにされた玉ねぎなどの野菜に、海老がごろごろ。
ちょっと味見させてもらった天丼は、カラリとした衣に、野菜の甘みがあり、
何よりも、かけられた「丼汁」がとても美味しい。
お聞きすると、ご実家のお店(お蕎麦屋さん)で作っている、
年季の入った、秘伝(?)の「丼汁」との事。
天ぷらとご飯に、その味、濃さ、どれも申し分ない汁で、さすが老舗の貫録。
この丼と蕎麦のセットなんて、ランチにはいいだろうなぁ、と思わせる。
と、すっかり堪能したところで、そろそろお蕎麦を頂こう 。
初めて来たので、とお二人の頼んだのは、「おろしせいろ」。
私は…、前回来た時から、とっても気になっていた、これこれっ♪
カレーせいろはあるけど、これも又珍しい、「カレークリーム鴨せいろ」。
是非ともこれを食べてみたい、と早速、これをお願いすると…
蒸篭の横には、蕎麦屋のカレーの概念から外れた、
ほかほかと湯気を立てた、イエロークリームのスープが置かれる。
とは言え、やっぱりまずは十割で打たれたお蕎麦から…
蒸篭に盛られた、ほんのり緑色した蕎麦は、くっきりと角が立ち、
その表面の中には、ところどころ埋め込まれた透明な蕎麦の欠片。
手繰り上げると、ふわ~っと香ばしい穀物の香りが豊かに漂う。
口に含むと、しっとりとして心地のいい腰加減。
噛みしめると、これもしっかりと広がってくる香ばしさ。
前回同様、本当に開店間もないというのに、この蕎麦は美味しい。
とそのままで、ちょっと横に添えてくれる「もり汁」で、と蕎麦を堪能し…
いよいよ、気になる「カレークリーム鴨汁」を。
クリームイエローに散らされたグリーンの浅葱の色合いも見目に美しい。
これにそっと蕎麦を手繰り、絡め頂くと…
こ、こ、これは美味しいっ
様々な香辛料の奥の深さがあり、それがクリーム仕立てになった柔らかさ。
その裏には、きちんと和のベースが存在するので、蕎麦との見事な相性。
しかも中には、ごろごろといくつもの鴨肉が入っていて、
カレークリームにまとわった鴨は、ふわりとして柔らかく、
蕎麦と一緒に噛みしめると、鴨のコクにカレーの交わりがたまらない旨さ。
途中で、薬味(?)のパルメジャーノチーズも、振り入れると、
さらに、チーズのまろやかさにとろりとした風味も加わり、うっとりする旨さ。
斬新的でありながら、蕎麦の風味をきちんと生かした素晴らしいヌーベル漬け汁。
これには、すっかりはまってしまいそう~…と、夢中で食べてしまう。
最後には、熱々の蕎麦湯をこれに注ぎ入れ頂くのが、又最後の楽しみ 。
心から、満喫した思いで、ほお~っと余韻に浸ってしまう…。
ゆっくりと頂きながら、ハルちゃんの豊かな発想とセンスの良さが、じわじわと開花しているのが目にう見えるなぁ…と、しみじみと。
「だんだんに、もっとお料理も種類を作って行く予定で…」
と、話す生き生きとしたハルちゃんを見ていると、ますますこれからが楽しみ。
ご馳走様でした~

人柄が人を呼び、蕎麦に又足を運ぶ。
素敵なお店になってきているな~…と、しみじみと思いながらお店を後に。
今度は夜に、もっとゆっくりと訪れて、
お料理に蕎麦に…話もいっぱい聞きながら、又クリームカレーを食べに来たいな

Sさん、Nさん、楽しかったですね~


「庵 浮雨 - un peu - 」
埼玉県さいたま市浦和区高砂2-8-11
ナカギンザ内
048-825-0468
11:00~14:00 / 17:00~21:00
日曜定休
禁煙
2009年 9月29日 祝!開店。「燻製」に舌づつみ、香り高い「おろしそば」
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これは絶品です。是非とも頂いてみて下さい。
もちろん丼も素晴らしい。ご実家の老舗蕎麦屋ならではの丼汁はやっぱりいいですね。
狐丘、私も気になっていたんです。ブログ拝見させて頂いたら、急に行ってみたくなりました。情報ありがとうございます(^^)。
これからもよろしくお願い致します。
海老掻き揚げ丼も気になる一品です。
あとこの近くで与野に「狐丘」という落ち着いた蕎麦屋がありますのでお勧めしたいです。
やけどの状況が直れば、すぐ開店すると思います。
私も、行きたくてうずうず…
再開は何時になるのだろう。
あの、燻製、美味しいですよね~。
そして、「カレークリーム鴨汁」。
私も、本当に感動してしまったので、喜んで頂けてうれしいです。
こちらこそ、又よろしくお願いします♪
コメント、うれしかったです。ありがとうございました(^^)。
浦和の庵 浮雨さん、行ってきました!
燻製おいしかったです!
念願の、カレークリーム鴨せいろも絶品で、
大満足でした!
店主さんとどうしてこの店を知ったのか?
とお話ししていたら、カウンターのほかのお客さんも
こちらのブログを読まれていたようです。
さすがですねー!
また参考にして蕎麦屋さん行ってきます!
そのように感じる方もいらっしゃるでしょうね。
小さいお店だし、場所も、なのかしら?
でも、私は応援したいお店です。
それに…場所が落ち着きません。
頑張っていると思いますが…。
私も、今度はぜひ、夜に行ってみたいと思いました♪
関西に行ってしまうんですもの、ね…。
もう一度、伺いたかったです。
こちら、お近くだったら、ぜひぜひ♪
カレークリームにも、もり汁は付くので、普通にも食べられるので、おすすめです。
燻製もいいですよ~(^^)。
ますます今後が楽しみ。
新浦安の芦屋亭さんに何度か通わせて頂いていた者です。
芦屋亭さんが9月に閉店して落ち込んでたら、私の地元の
近くにこんな素敵な蕎麦屋さんが開店したんですね~。
嬉しくなって初書き込みしちゃいます。
是非行って見ます。カレークリーム鴨絶対に食べたいです。
そんな、度なんぞと言わずに~(^^;
(私が行ってるんですから)
是非、行かれてみて下さい♪
これもやっぱり、ご主人のセンスの良さですよね(^^)。
カレーせいろは、結構ありますよん♪
私も、いくつかのお店で頂いていますが、これもなかなかいいんです。
カレーもお店によって味が違うのが楽しいところ…。
静岡の蕎麦度行脚、楽しんできて下さい♪
楽しみにしています。
一人での蕎麦屋めぐりも、
友達との蕎麦屋めぐりも、
どちらも、私も大好きです。
これ絶対美味しいですもん。
浦和となるとちょと旅ですけども
ぜひ伺ってみたいですわ。
「庵 浮雨 - un peu - 」
なんて素敵な店名なんでしょう。
最近のお蕎麦屋さんは個性的になって、いいなって思います。
カレークリームじゃないですが、私も昨日行ったお店が「カレー南蛮せいろ」っていうのがあって、カレー汁にせいろをつけて食べるようです。
(注文しなかったけど・・・)
今回も、お連れの方がいらしたようですが、
yukaさんは蕎麦友さんが沢山いらしゃって、羨ましいな~っていつも思ってました。
そんな私にも、蕎麦店関係ですが、知り合いができ、今度、藪蕎麦宮本→ソビスケ
(HP見てみてください。凄い面白いお店です。) に行くことになりました。
遠出は一人ではさみしいので、yukaさんみたいに蕎麦友を沢山作りたいです!
燻製がお好きなんですね♪
だったら、こちらはぜひともです。
これから、いろいろな燻製を作っていくそうですよ(^^)。
カレークリーム鴨も、これは美味しかったので、合わせて…
浦和の駅からは近いので、機会あったら訪れてみて下さい。
ブログ、いろいろ読ませて頂きます♪
(私も燻製好き…♡)
「カレークリーム鴨汁」に、思わずコメントしてしまいました。
ここはぜひ訪れてみたい、興味津津のお蕎麦屋さんですねー。
浦和・・・というのが遠いのですが、
いつか埼玉近くにいくことがあれば、必ず寄ってみたいと思います。
そばそのものも、おいしそうです。。。
ぜひ、食べてもらいたい。
出汁の根底は和、なので、蕎麦にあうんですよ、これが。
蕎麦の風味に、この汁が絡まる絶妙さ。
蕎麦はなんでもアリなのかも!
と思わせてしまいます。
が、これは、やっぱり、きちんと蕎麦を修業してきたならでは、の味なのだと思います。
鴨も美味しいんですよ~
(鴨苦手の私が言うんですから♪)
ぜひぜひ、訪れてみて下さい。
フレンチも修業されているハルちゃんのお料理も一緒に…(^^)。
どんな味なのか 想像できません。
チーズが合いそうなのは 分かりますが、蕎麦とも合うのでしょうか。
→ yuka (03/21)
→ さやか姫 (03/21)
→ yuka (03/13)
→ yuka (03/13)
→ yuka (03/13)