今日は、前に満席で入れなかったリベンジで、
「土家」さんのランチを頂こうと、お友達二人と待ち合わせ
時折、雨が落ちてくるどんよりとした中に、風情溢れたしっとりと佇む古民家。
東村山 「手打蕎麦 土家」
門にかけられた暖簾を潜り、扉を開き店内へ…
高い天井に、すっと落ちていくようなこの空気。
肌にしっとり馴染むような、古民家ならではのこの風情に、
何度か伺っているのに、やはりしみじみとぐるりと眺めてしまう。
今日は、3人で頂く「蕎麦懐石」。
カウンタにしか座った事がなく、今日は初めて奥のテーブル席に通される。
窓からは小川が眺められ、古い柱に囲まれたこの小部屋も心地いい。
こっちから眺めるカウンターの様子を眺める景色も、又いいなぁ…
と揃ったところで、ハートランドで乾杯し、前菜の「蕎麦豆腐」が出される。
とろりとした蕎麦豆腐の上に里芋が載せられ、上品なえのき餡がたっぷり。
上に天盛りされた、干し柿はまったりとして、三層の素晴らしいハーモニー。
このお料理を口にし、早速お酒に切り替えて。
中から、まだ飲んだ事のなかった、島根の「天隠」(純米にごり)を選びお願いすると、
うっすらと白濁したにごり酒は、ふわりとしてキレのいい味わいで、これは美味しい。
ゆっくりと口に含み、蕎麦豆腐を味わったところで出される、
「土家」さん特有の、大皿に盛り付けられた「旬の料理盛り合わせ」。
ひとつづつ丁寧に説明して頂いたお料理は…
まったりと濃厚な湯葉に、たっぷり盛られたいくらの「湯葉のいくら添え」
ぷちぷりと弾けるいくらに、味の濃いまったりとした湯葉がとてもよく合う。
それに、「間引き蕪のおひたし」。
「渋皮栗の甘煮」は、さっぱりとた甘みで、栗そのものの豊かな風味が広がり・・
添えられた「つる菜」が、乙な味わいがあり、これがお酒にたまらない。
「秋刀魚のとろとろ煮」は、骨までホロホロと崩れる程で、味が染み旨みが凝縮。
それに、ほこほこっとしてこれも素材の甘みがうれしい「さつま芋のレモン煮」に
「むかごと銀杏の塩焼き串」。
それに爽やかに仕立てられた、「巨砲と洋ナシのおろし和え」。
ほんのり甘酢仕立てにされた大根おろしがとてもよく、ゆっくりとこれらを味わい
続いて出されたのは、「秋鮭と蕪と、蕎麦がきの粕仕立て」のお椀。
鮭の風味がじわ~っと溶けた、熱々の粕汁がたまらない。
それに、とろ~りとした蕎麦がきが絡まり、口の中で溶けていく。
鮭は、ほろほろと崩れ、臭みなど全くなく、鮭の旨みがしっかり。
・・・と、このお料理を前にして、お変わりのお酒は「天隠」をお燗で。
手にしっとりと馴染む徳利が心地よく、軽い濁りのお酒は燗でも旨い。
そして、出された最後のお料理「鴨そぼろ団子」。
ほこほことろ~っとした、どこか洋風のバターの風味のあるじゃが芋饅頭の中には
甘めに味付けされた、鴨そぼろ餡がたっぷり。
これも、な、なんて美味しい~
掛けられた餡まで、すっかりと頂いてしまう美味しさ。
一連の、丁寧に作られたどれもがそのレベルの高さを伺えるお料理に、
すっかり満喫した後は、いよいよ〆のお蕎麦。
私は、前回頂いてすっかり気に入ってしまった、「辛味大根おろしそば」で出して頂く。
ぴりり~っと辛い、大根おろしがたっぷりと盛られた薬味が添えられ
盛られた蕎麦は、以前からさらに繊細な面持ちを感じさせる粗挽きの蕎麦。
茨城筑西の常陸秋蕎麦を、すべて手挽きして打たれた蕎麦は、
手繰り上げた途端に、もう、うっとりしてしまう濃厚な蕎麦の香り。
口に含むと、しなやかな心地の蕎麦は、噛みしめた途端にほどけるように溶け
その中で、広がって行く蕎麦の香ばしさに、心奪われるよう。
ん~…、今日も又美味し~い
初めて訪れた時の、まだ粗削りな荒々しさ感じた蕎麦もそれは良かったが、
月日を重ね、まるで下流へと行きついたような、優しさが加わってきた…
土家さんの蕎麦は、食べる毎に次第に変化し、品格のような物が携わって行くよう。
と、そのままの蕎麦を味わった後は、
たっぷり添えられた大根下ろしを盛りつけ、それに汁を注ぎ入れ…
ざっくり混ぜ頂くと、ぴりり~っとくる辛味大根と蕎麦の風味が交わり、これがたまらない。
この、土家さんの蕎麦で食べる、辛味大根蕎麦は、やっぱり美味し~い。
食べ終えた頃合いみて出された、これも手作りの素焼き風の湯桶に
優しく白濁した蕎麦湯を注ぎ入れ、これもゆっくりと頂くひと時。
最後には、これもうれしいデザート。
今日は、「信濃ゴールド」で作られらた、「林檎のシャーベット」。
さっぱりとした酸味に甘み、これが食べた後に心地いい。
これで二度目の「土家」さんの蕎麦懐石に、今日も大満足
この空間で、この蕎麦、それにこのお料理。
又、ぜひ・・・、頂きたいとすぐに思ってしまってる。
ご馳走様でした~
今度は…、「温もりそば」も、頂いてみたいなぁ…
Oさん、KKさん、ありがとうございました
*お品書き
粗挽き田舎蕎麦 850円、辛味大根おろし蕎麦 900円、釜あげ蕎麦 900円、かけそば 850円、鰊そば 1,350円
そば豆腐 680円、そばがき 860円、つけもの 630円、旬の野菜の炊き合わせ 730円、蕎麦懐石(要予約)昼3,500円、夜5,000円
「手打蕎麦 土家」
東村山市野口町4-18-1
042-392-9457
11:30~14:00 / 17:30~20:30(売切仕舞い)
水曜定休 禁煙
2009年 7月21日 「辛味大根おろしそば」
2009年 4月13日 「季節の焚き合わせ」に「ざるそば」、「半かけそば」
2008年11月21日 「昼の蕎麦懐石」の美味堪能
2008年 8月29日 「つけもの」に「粗挽き田舎そば」
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私は、今のところはふらりでも行けていたのですが、うーん。
私も天気の悪い時を狙って、行きたいなーと思っているところです。
あ、はい。
だって、これもyukaなので、
本になっても、やっぱりyukaです(^^;
編集者に言っておきましたです!
今日も天気が悪いのにコンスタントにお客
さんが入ってきて、安泰ですねぇここは。
朝日新聞出版社ですか。なかなか素敵な
装丁ですね。ペンネームは本名じゃなく
ハンドル名なんですか。
>編集上のミスです
そうでしたか。広いエリアのくくりで立川
に入ってしまったのかと思ってたのですが。
ええっと~(^^;;
紹介するようなシロモノではないのでうが…
ブログの左上にアマゾンの窓でちょこっと紹介しちゃってるのですが、
タイトル、まんまの、「つれづれ蕎麦」。
朝日新聞出版社
です。
土家さんにはとても申し訳なく思っています。
編集上のミスです…
ああ、私もそばがき食べたい・・・(憧)
ぶりに。ここでは初めてそばがきを頂きまし
たが、フワッとしていて軽くて美味しかっ
た。そばがきって、もっとベッタリしてて重い
イメージだったのですが。
お蕎麦も初めて温かいかけそばを食べま
した。つゆは案外甘めで濃い目の味つけで
した。そのせいか、かけそばなのに最後に
蕎麦湯が出てきました。
ところで、yukaさん、本を出されたのです
か?ぜひ題名と出版社名を教えて下さい。
土家さんが、立川に分類されているらしい
という噂で、土家さんが気にしてましたよ。
甘口でありながら、キレのある…
わたしもとても気に入ってしまったお酒です。
本当に、土家さんのお酒は楽しめる。
美味菜酒、そして蕎麦。
ああ、又行きたくなってしまいました(^^;
がとても美味しくてびっくりしました。かな
り甘口だと思うのですが切れも良く、誰も
がハッキリ美味しいと感じるようなわかり
やすい美味しさでした。女社長が杜氏と
共同で開発したとのことですが、なにか
屋守と通ずるものを感じますね。
こういった美味しいお酒との出会いも
土屋さんの楽しみのひとつです。
今度は、ぜひ!お電話して行ってみて下さい。
(平日はだいたい大丈夫みたいなのですが…)
でも、「はや川」さんもいいですよね。
おつまみの種類も多く、廉価なのもうれしい。
どれもが、きちんとしたお料理で美味しいんです。
堪能できたようで、私もうれしいです。
又、ぜひ、いらして下さい(^^)。
一駅歩いて 東村山でお蕎麦をと グーグルストリートビューで
事前チェックし、たどり着いたら 残念 お昼「貸切」でした・・・・
人気なんですね。
この辺が混むのは北山公園の菖蒲の時期だけかと思ったら甘かった。
気を取り直して イトーヨーカド先 線路沿いの「はや川」さんへ
三種盛りつまみに昼酒してきました。
天気も含め、ここの情報のおかげで良い日でした。
ありがとうございます。
よしのさんのコメントで、ほっとし、とてもうれしく思っている私です。
よしのさんは、
多摩蕎麦の私の師でもあると思っているんですから…。
それはそうと、
こんなお話をしていたら、
隣の真面目~に石臼に向かっているご主人に会いたくなってしまいました(^^;
「潮」さんは、そば切りも見事なものがありますが、「会席(懐石?ではないな)料亭」という当方なりの認識があります。
(お好みで、使い分け、でしょうかね)
余計な一言でした。
開店してから、何度か伺っていますが、
だんだん、土家さんの目指す蕎麦の完成に近づいているような気がしました。
この蕎麦懐石は、おすすめです。
ぜひ!
蕎麦だけだったら、お隣のお店の蕎麦の方が私は好み。
こちらのお店は、開店して1年ちょっと。
行くたびに、どんどん変化しています。
でも、実直なまだお若いご主人が、とても丁寧にやっていて…。
(すべて手挽き)。
ぴらぴら…、私も今回ちょっと思ったのですが、
香り風味、十分満足できるものでした。
了解です♪
進化中のお店もまた醍醐味。
喜んでご案内いたします。
(粕汁と蕎麦がきの相性はばっちり、と私は思いました)
木賊の店のほうが 私の好みです。(汗)
蕎麦が 幅広で べっとりした写真に見えるのが 少し残念。(笑)
天麩羅系が無いのも 嬉しいコースで またまた 好みです。
蕎麦掻の 粕汁仕立ては まだ聞いたことが無い。
次回 ここは是非お伺いしたい
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