と、蕎麦お友からのお誘いを受けて、浅草橋へ。
何度か前を通りながらも、なぜか伺った事がなかったお店なので、とても楽しみ

浅草橋駅前の江戸通りを、その裏道にも通り沿いにもいくつも点在する、ビーズショップの誘惑を振り切り、歩くこと数分。
賑やかな大通りの前に、ここだけ切り抜かれたように、ふっと風情ある江戸情緒溢れたお店に行き当たる。

創業江戸安政元年。150年余りの長い歴史を持つ、老舗のお蕎麦屋さん。
浅草橋 「江戸蕎麦手打処 あさだ」
暖簾が掛けられるのを待って入った店内は、
これも老舗の蕎麦屋らしい、落ち着いた清潔感漂う空間。
にこにことした女将さんに丁寧に通され、
ゆったりとしたテーブル席に腰を下ろすと、ほっと寛げる空気が心地いい。
まずは…、と私も久しぶりにお会いしたかったお客様を囲んで、
ビールで乾杯~
あてに出されたのは、胡麻だれがとっても美味しい「加賀太胡瓜」。
美味しい~とビールで喉を潤わせている間にも、ぞくぞくとお客さんが入り、
まだ開店間もない時間にもかかわらず、あっという間に席が埋まっていく。
これはすごいな~…、と人気の程をしみじみと感じながら、
置かれている品書きを手にすると、ずら~りと並んだお料理。
中の定番の品書きも豊富に揃っている上に、
「本日のお勧め」までが豊富に書かれているのはすごい。
と眺めながら、ご主人が手書きで書かれた文字の美しさにさらに感動してしまう。
と、あれこれめくっては迷いながら、お願いしたお料理の数々。
まずは噂を耳にしていてぜひ食べてみたかった「あさだ味噌杉板焼き」を。
これを二つお願いすると、人数分に分けて出してくださるお心遣いに、又感動♪。
珍しい、杉の板に塗りつけられた「焼き味噌」。
頂いてみると、成る程、これは確かに美味しい~
柔らかい風味の西京味噌に、練りこまれた様々な食材。
蕎麦の実初め、胡桃に、時折ふっと香る茗荷に海老の頭。
お聞きすると、春にはふきのとうなど、旬の野菜も混ぜ込んでいるとの事。
これにはやっぱりお酒が頂きたく、早速お酒に切り替えて。
地酒も季節のお酒を初め、豊富に揃っているのもうれしく…、
「石鎚」、「小佐衛門」、銘柄失念…などをお願いする中で、
運ばれてきたお料理は…、
まずは、やっぱり食べたい「旬の漬物盛り合わせ」。
瓜に胡瓜、キャベツの浅漬けに大根に新生姜。
それにしゃきっとして瑞々しい茗荷の浅漬けが盛られたもので、
どれもが上品でとても美味しいお漬物。
それに、蕎麦屋ならではの串のささっていない、「若鶏照り焼き」。
しっとりとして身のふわりとした鶏肉で、これも旨いっ。
4切れ出してくれるもうれしい、燻香が香ばしい「鴨ロース」。
しっとりとして身が柔らかく、私でもこれは美味しく食べてしまう。
てかてかと美しく照り輝く「にしん西京煮」は、
身がほろほろっと崩れる程に柔らかく、しっかりと味の染み入り、
これもレベルの高さが伺えるもの。
それに、カットして出して頂いた、今だけしか食べられない立派な「岩がき」。
ミルキーで濃厚な牡蠣のエキスが口に広がり、たまらな~い美味しさ 。
と、こちらのお料理に堪能し始めているところに、
お友達のMさんは、こちらのご主人と親しいそうで、
お忙しい中、顔を出してくださった、まだお若いご主人。
にこにことした優しそうなご主人が、なんっと
「コースに出しているものなんですが…」
と出してくださった、「からすみ蕎麦」。
からすみ大好きな私としては、なんってうれしい~
M様ありがとうございます♪
蕎麦猪口に盛られた蕎麦に、ふりかかった黄金の粒、からすみ。
手繰り上げると、下にもまんべんなくからすみの絡まった蕎麦は、
口にすると、蕎麦と共にからすみの風味がふわ~っと広がり、
こ、これは美味しい~っ もう、これにうっとり。
そして、最後にゆっくりと出された「丸茄子田楽」は、こってり濃厚な味わい。
これに合わせたくて、熱燗をお願いして。
冷酒にはガラスの徳利、
熱燗にはこれも赴きあるチロリが燗付け器に入って出されるのは、
飲んでいるのも楽しいもの。
と、様々なお料理にお酒ですっかり楽しんだところで…
早速〆のお蕎麦を、と、各々好きなもの注文~。
まずは、基本の「せいろそば」。
皆でも頂こう大盛りでお願いした蕎麦は、角がきりっと立つ丹精な細切り。
手繰り上げると、香り風味は穏やかではあるが、
強すぎない適度な腰があり、喉越しがさわやか。
飲んだ後にも、心地よく手繰れる、江戸蕎麦独特の良さを感じるもの。
ただ、もり汁は、私にはちょおっと甘すぎるかな~・・・
続いて夏限定の「冷やしたぬき」。
胡瓜に揚げ玉、若布に、千切りされた茗荷と葱がふわっとかかった、
定番の「冷やしたぬき」のレイアウト。
が、これも小鉢に取り分け頂いてみると…、お、これはっっ
かけられた汁はそば汁のそれかと思いきや、きりっと酸味の立つ酢醤油仕立て。
かりかりっとした揚げ玉に、この酸味が爽やかで、
すぅ~っと喉を通る清涼感が夏にうってつけ。これはいいな~。
さらに、「黒豆」の文字に興味惹かれて頼んだ「黒豆納豆そば」。
予め海苔と和えられたたっぷりの納豆に、浅葱、鰹節が盛られ、
真ん中にはこれもたっぷりの大根おろしに、うれしい卵黄♪。
これを豪快に混ぜ混ぜし…
頂くと、これは美味しい
しっかりと歯ごたえのある納豆は大豆の濃い味わいが感じられ、
大根おろしがさっぱりと、それに卵が融合した、まろやか且つコクのある甘み。
これだったら、ねばねば苦手な人でも喜びそう、と
もう、止まらずずずずずっと、一気に食べてしまう。
最後は、美しく澄んだ汁のかけられた「かけそば」で。
柔らかく上品なかけ汁は柔らかくく、飲んだ後の体にすぅ~っと入っていく旨み。
さすが、老舗の蕎麦屋ならではのかけ汁のうまさに堪能し、
中の蕎麦を手繰ると、しっかりと歯ごたえを残した蕎麦は、
温蕎麦ならではの美味しさを感じさせる。
食べ終える頃あいをきちんと見て出された蕎麦湯は、
立派な南部鉄瓶で。
優しく白濁した蕎麦湯を、もり汁に注ぎいれ頂くと、
甘めのもり汁も、どこかお吸い物を頂いているよう。
これもたっぷりと頂いたらお腹いっぱ~い
そして、最後の楽しみは…、「桃のコンポートの蕎麦茶ジュレ」。
とろりとした桃に、蕎麦茶の香ばしいジュレがさっぱりとした美味しい甘味。
豊富に揃う、しかもどれもがきちんとして美味しい満足なものばかり。
ゆっくりとお料理をたっぷり楽しみ、最後に江戸蕎麦で〆られる。
しかも、女将さん初めどの花番さんの応対も丁寧でにこやか。
長年の歴史を元にし、今もきちんと人々に愛される理由が分かったよう。
楽しいひと時も兼ねて、すっかり満足してお店を後に。
ご馳走さまでした~

すっかり涼しくなり始めた夜風の中、心地よく駅まで…
A様、M様、T様ありがとうございました~

*お品書き
せいろ 680円、大もり、おろし 890円、とろろ 945円、鴨せいろ 1,470円、夏野菜天せいろ、穴子天せいろ 1,360、車海老天せいろ 1,570円、仕上げそば 500円
かけ 680円、きつね730円、椎茸そば 945円、若鶏そば 890円、にしんそば 1,260円、かも南蛮、掻き揚げ天 1,470円、納豆そば 945円、冷やしきつねorたぬき 840円など
刺身ご膳 1,050円、天ぷらご膳 1,260円、あさだご膳 2,100円
あさだ味噌杉板焼き 730円、旬の漬物盛り合わせ 630円、若鶏照り焼き 730円、丸茄子の田楽ステーキ 600円、岩かき 730円など

「江戸蕎麦手打処 あさだ」
台東区浅草橋2-29-11
03-3851-5412
11:30~14:30 / 17:30~22:00
(土曜~21:00)
日曜・祝日、1,3土曜日定休
禁煙(と思う)
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そう、ここはお料理を食べるべきかもしれないですね。
それと、種物がとても美味しかったので、次回はぜひ(^^)。
お漬物に日本酒~
どんだけ飲んだの?笑
私も秋になったら来てみようかなぁ…
お料理、どれもが素晴らしかったです。
さらに、女将さん始め、花番さんの応対がとても細やかで優しく、とても心地のいいお店でした。
是非…
老舗ならでは、の良さ、種物作りの旨さを楽しんでみてください♪
お店の前を通りましたらお休みでした。
こんな素晴らしい料理を出していただけるなら、
お伺いしたいねと夫婦で拝見して溜息。。
情報有り難うございました。
こんなに深く読んで下さって頂けただなんて、
もうそれだけで涙がでそうです。
ありがとうございます♪
私も岡崎さん、どんな方なのかしらん~
なんて思っているこの頃です(^^)。
岩牡蠣、ぜひぜひ食べてきて下さいね♪
でも、蕎麦屋でこれだけ質のいいものをそろえているのもすごいと思いました。
でも、4人なので、一人分はそれほどでも…
ですよ~。ま、普通に食べますが・・・。
<旧仮名遣いの本
ええっ、どうして?(好きですが…?)
あの子達は引き取り手が見つかったのか居なくなってとんと行ってない
こんな素敵過ぎるお蕎麦屋さんがっ!
岩牡蠣食べたしっ
月末に秋田料理屋行くのであるかなあ
シーズン的にはややギリっぽ
からすみ蕎麦もまぜ蕎麦もうまそう。
yukaさんも結構お食べになるのですね。
あ、あと昔の旧仮名遣いの本とかも
お読みになります?
→ yuka (01/20)
→ yuka (01/20)
→ 多摩市民 (01/19)
→ yuka (01/10)
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