外はこんなにいい天気♪
ちょっと気分転換も兼ねながら、お昼を食べに外に出よう
…と、又再び訪れたくて向かった東村山。
駅南口のゆるい坂道を下り、細い路地を入った、小さくせせらぐ小川のほとり。
ちょっと人目を引く、黒木で覆われた風情ある佇まい。
どこか、だんだんと風景にもしっとりと馴染んできたような…
東村山 「手打蕎麦 土家」
1時を回った昼下がり。
暖簾をくぐり扉を開いて入った空間は、ああ…、いいなぁ。。。
いつ来てもこの空間に踏み入れた途端、ほっと和んでしまう、懐かしさ感じる空気に満ちている。
自然と一体化したような空間を肌で感じていると、すぐに優しい笑顔でご主人が迎えて下さる。
他にお客さんのいない店内で、贅沢にもこの空間を独り占め。
すぐに椅子を引き、ゆったりとしたカウンターに腰を下ろす。
やっぱり、ここに座ったら、まずはちょっとお酒も頂きたい。
と、品書きを見つめていると、
「今日はその他に、山形の「鯉川」の薄濁りがあって、それもすっきり!ですよ」
との事。これはまだ飲んだことがないお酒、とそれを頂いて見ることに。
注ぎやすい酒器に出されたお酒を、出された切子の猪口に注ぎいれると、これが切子に透かしが入ったようで何とも美しい。
うれしく口に含むお酒は、すっきり!としてキレがよく、旨みの乗った美味しいお酒。
それに、あてに出されたのは金平牛蒡。
繊細に切られた牛蒡には味がしっかりと染み、上品でとても美味しい金平牛蒡。
さすがご主人のお料理、これはやっぱりお料理も頂きたい、と品書きを吟味。
絶品の「蕎麦豆腐」に、丁寧につくられたさまざまなお漬物、出し巻きも食べてみたいなぁ、と迷ったが、前回、ぜひ食べてみたいと思っていた、「旬の野菜の炊き合わせ」をお願いする事に。
程なくして出されたお料理は、花器にもなりそうなどっしりとした陶器の片口器に盛って出される。
新若布とお揚げの炊いたんに、新きゃべつは薄味で炊かれ、キャベツの甘みが濃い。
菜花は心地のいいしゃきしゃき感を残し、清々しさ感じるもの。
その上にちょこんっと乗せられた蚕豆は、ほっこり甘く炊かれてる。
甘く炊かれた蚕豆は初めてだけど、上品な甘さの蚕豆、これはいいなぁ。
さらに、新じゃがはほっこりとして、崩れるように柔らかく、新じゃがらしい味わい。
そして、丁寧に炊かれた蕗に、鰆がしっとりとして味が染み、これが又とても美味しい。
それぞれ、ひとつづつ異なる味付けで丁寧に炊かれたお料理。
どれもが野菜そのものの味わいを生かした、体にも優しいお料理に満足しながら、カウンター越しにご主人と交わす会話が又楽しく、ゆるゆると過ぎてゆく時間が何とも言えない・・・。
この空間で、このお料理、それにゆっくりと頂くお酒。
なんて贅沢なひと時なんだろう…。
お料理にお酒を満喫した後には、これも楽しみな〆のお蕎麦を。
「やはり、手挽きが一番蕎麦の事が分かるんですよね…」
と語るご主人の蕎麦は、すべて手挽き。
今日は、前回頂いたかけの美味しさをもう一度味わいたくて、お願いして「もり」と「かけ」を半々で作って頂く事に。
まずは、「もりそば」から、と出された薬味にもり汁。
この繊細で丁寧な葱のしつらいも、うれしい限り。ちょっと舐めてみる山葵が又旨い。
そして、程なく出された「粗挽き田舎そば」。
殻ごと挽きこんだ挽きぐるみの蕎麦には、びっしり覆う蕎麦の欠片。
以前よりやや細めになった蕎麦は、手繰り上げるとふわぁ…っと、深く香ばしい蕎麦の香りが鼻腔に入りじわ~っと広がってくる。
何て深い香り、とそれだけでも、もううっとり
口に含むとしっとりとした腰加減。
以前に比べ、しなやかさが加わった蕎麦は、さらに美味しくなっている♪。
噛み締めると、じわじわと広がる穀物の香ばしさ。
まどろみながら、喉元を落ちていきながらそれが次第に広がり、込み上げてくるよう。
こ、これは美味しい…
初めた頃の、やや荒削りな感じの蕎麦が、しっとりと穏やかな落ち着いた蕎麦に進歩しているよう。
と、何も漬けずそのままで、まろやかでしっかりとした汁をちょっと浸し、とするすると食べてしまう。
そして、次はこれも楽しみな「かけそば」。
うれしい事に、「もりそば」とは又別に、薬味の葱に、一味が出される。
さすが…、葱の切り方も、「もり」とは違う葱の薬味。
と、感心していると程なく、小さめの陶器の器に「かけそば」が出される。
野趣さあふれた蕎麦が透けて見える、美しい澄んだかけ汁。
そっと口に含むと、さ~っと広がり、すぅ~っと体に染み入る、優しい味わい。
柔らかくてまろやか、それでいて出汁が上品に引かれた奥深さ。
そして、蕎麦を手繰りこれを口に含むと、穀物感をさらに増した蕎麦の感触。
噛み締めると、熱を浴びた事で、含んだ途端に広がる穀物の風味。
それに、このかけ汁が加わり…、もうたまらなく止まらず手繰り続けてしまう。
汁も飲み干し、ほっとしたところに出された蕎麦湯は、優しく白濁した熱々のもの。
これをゆっくりと頂きながら、蕎麦について、お店について、語るご主人のお話。
すっかり満喫し、心からゆっくりと楽しめたひと時に今日も幸せを感じてしまう。
ご馳走様でした~
東村山にこのお店が出来てくれた事を、改めてうれしく感じながら駅まで。
今度は…、鰊蕎麦を頂いてみようか、…な
*お品書き
粗挽き田舎蕎麦 850円、辛味大根おろし蕎麦 900円、釜あげ蕎麦 900円、かけそば 850円、鰊そば 1,350円
そば豆腐 680円、そばがき 860円、つけもの 630円、旬の野菜の炊き合わせ 730円、蕎麦懐石(要予約)昼3,500円、夜5,000円
「手打蕎麦 土家」
東村山市野口町4-18-1
042-392-9457
11:30~14:00 / 17:30~20:30(売切仕舞い)
水曜定休 禁煙
関連日記
2008年11月21日 「昼の蕎麦懐石」の美味堪能
2008年 8月29日 「つけもの」に「粗挽き田舎そば」
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いいな~、ご主人といらっしゃれるなんて。しかも、ご主人もこんなプレゼントしてもらえるなんて、うれしかったのでは、と思います。
そうそう、こちら、お料理もどれも美味しく、デザートまでほんっとに素晴らしいですよね。
蕎麦も、行く度に進歩しているのが、私もとてもうれしくて…
又、行きたくなっちゃいました(^^)
旦那の誕生日だったのでサプライズ(自分も食べたかったのでかなり便乗)で蕎麦懐石を予約して行ってきました(*^_^*)
筍の季節ということで、筍料理が盛りだくさんでした。なのでいつもより量が多めとの事で大食漢の私たちでもかなりお腹がいっぱいになりました。もうそろそろ筍も終わりと言うことでラッキーでした。
お料理もとんがってなくて、どれもこれも優しい味で幸せな気持ちになりました
衝撃的だったのがデザートの筍羊羹!!
食感がとても良かったし、意外な組み合わせなのにおいしかったですww
お蕎麦もすごく良くなってました
主人はいつも、そばつゆにたっぷり蕎麦をつけて食べるので、つゆが足りなくなるのですが、ちょっとで十分おいしいと感動してました。
今度は旦那に昼懐石おごらせます(*^^)v
だったら、お話できればよかったな、なんて・・・(^^)。
御主人にちょこっとお聞きしました。
又、お会いできるといいですね♪
> うる覚えですが、なんか綺麗な方だった
> ような…。
はい!それは、うろ覚えですねー(^^;
たと今日知りました。こんな良い店を紹介
してくれた御礼を一言言いたかったです。
うる覚えですが、なんか綺麗な方だった
ような…。
やりましょかっっ♪
あ、ふるふるさん、この「もり」は、半分の量ですよん。今回は、半もり、半かけにしたので…。
あ、でも、それでもふるふるさんには少ない、かぁあ。
うふふふふふ、楽しそう~♪
ほんっとにここ、いいですよね。
私もだーい好きなお店です。
近くなので、とても幸せに思っています。
そういえば、「おろしそば」もありました!
確かに、それはぜひ食べてみたいです。
感想、ありがとうございました。oyoyo様もぜひ、次回はこちらのお料理も♪
ぜひ、ポタで♪
でも、できたら、こちらのお料理も少しでも食べてほしいです(^^)。
お店の雰囲気もいいですよ~
なんてyukaふるたぬき!
なぁるほど(笑)。
でも、「粗挽き田舎蕎麦」の量があまりにも悲しい・・・・。
5皿がお代わりしたいなぁ~~~。
定額給付金が出たら頼むぞぉ~~!!
「土家」さんなのだ♪
yukaさんほどの有名人になると迂闊には
「一番」何て言えないでしょうね☆
ふるふるさんとの三つ巴勝負は「土家」さんがいいなあ♪
近くにこんなお店があったら・・と思います。
丁寧そうですね
ポタリングで行ってみようかな
ここも、すべてご主人が手で石臼を挽いて打っているんです。
お料理も、きちんと日本料理を学ばれてきただけあって、素晴らしいです。
鯉川、いいですね♪
これの燗も、飲んでみたくなりました。
いいでしょー、この佇まいに雰囲気。
そして、このお蕎麦、です!
なあに、電車に乗ってしまえばあっという間ですよん(^^)
荒削りの蕎麦からしっとりとした蕎麦に、って。
それにしてもうンまそうな挽きぐるみですねえ。
鯉川は正月に飲みましたが、おっしゃるように
すっきりと雑味なく旨味はあって旨いですよね。
行って見たいなぁ~~~。
でも遠いしなぁ~~~(笑)。
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