昨日は、青春18きっぷを使って、群馬前橋へプチトリップ 。
前々から行きたいと思っていたお蕎麦屋さんへ、お友達3人と蕎麦旅行。
前橋に降り立つと、まず向かったのはローカルな電車に揺られた「江木駅」。
自転車も載せられる(羨ましいっっ)列車で、降り立った駅は、
懐かしい気持ちにさせられるほのぼのとした小さな駅。
そこから歩くとすぐ。大通り沿いに面した、日本家屋の立派な建物に行きあたる。
前橋に行くなら、ここも是非、とお友達が勧めてくれた、大好きな「せきざわ」さんが修行したとのお店。
広々と取られた駐車場に、どっしりと構えた佇まいは、威厳に満ち、悠然と佇んでいる。
前橋 「会席そば 草庵」
暖簾をくぐり扉を開き入った店内は、しんっと落ち着いた年季感じる風情たっぷり。
12時丁度の店内は、まだ混雑前の静けさで、すぐに出てきて下さった女将さんに迎えられ、ゆったりとした小上がりの席に4人で腰を下ろす。
出されたお茶を頂きながら、品書きを眺め…、
まずはこちらのお酒「鶴の友」を、冷と熱燗を一本ずつお願いすると、
程なく、「椎茸軸と昆布の佃煮」に、ガラスと陶器の猪口が置かれた盆が出される。
さすが…、「会席」と名乗っているだけあっての丁寧なお持て成し。
お料理の品書きは、「板わさ」と「ひとひらの雪」のふたつのみ。
「板わさ」は、大胆に厚く切られたもので、しっかりとした歯ごたえがあり、味わいの深い質のいい板わさ。
そして、
「この『ひとひらの雪』って何なんですか?」
とお聞きすると、にこやかに答えて下さった
「雲丹と蕎麦粉を練り込んで作った、お酒に合う一品なんですよ」
との、何とも美しい名前の「ひとひらの雪」。
しっとりねっとりと練り込まれた「ひとひらの雪」は、雲丹の味わいが凝縮している。
ちょこっと口に運ぶだけで、お酒がすすんでしまいそう。
これは…、酒飲みにはたまらないな~…。
それに名物の「花衣」と名付けられた天ぷらがあるとの事でそれもお願いすると…
いわゆる天ぷらとは、まったく異なった、繊細で美しい網の目の衣。
さらしな蕎麦粉で細く作られた衣は、まるで芸術品のように美しく、崩してしまうのが惜しくなってしまう程。
箸を入れると、さくさくさくっと崩れるこの美しい網目。
その中には、しっかりとした身の車海老が横たえ、この海老の旨みがとっても濃い。
かりかりサクサクとした衣も楽しめる天ぷらで、これは美味しい。
お蕎麦は、「せきざわ」さんの「蕎麦三昧」などの品書きを思い出される、「三昧」と名付けられた三種の蕎麦のセットがいくつも並び、とっても豊富。
それぞれの内容を丁寧に女将さんに説明して頂き、我々が今回頼んだのは、「穴子三昧」。
それに、単品で「醍醐蕎麦」と、「せきざわ」さんの独特の「玉子とじ」の由来をも、と「玉子とじ」をお願いする事に。
頼むとまず、始めに出されたのは「玉子とじ」。
こ、これこれっ…。
「せきざわ」さんで食べた「卵とじ」と同じ姿の、ほっこりふんわりと綴じられた玉子。
その下の汁は、ほとんど透明な澄み切った美ししいかけ汁。
箸を入れ崩すと、ふわっふわっの溶けていくような優しい卵。(湯気で曇っちゃったっっ)
汁は、すぅ~っと体に浸みこんでいく、すっきりとして出汁がしっかりと取られたどこまでも上品な汁。
それに、ほんのり玉子のコクが染みいり、これは流石に美味しい
蕎麦は、繊細な細切りの蕎麦。
温蕎麦らしい、しっとりとした心地の蕎麦に、この汁、そして玉子を絡め頂くと、ほっとしてしまう美味しさ。
これを回し食べているところに…
「穴子三昧」につく変わり蕎麦用に蕎麦汁に、
「醍醐蕎麦」用の、又違うもり汁に、辛味大根が出される。
それぞれ食べ方を説明され、蕎麦猪口に辛味大根を入れ、それに盛り汁を言われた量注ぎいれ待っていると…
程なく、蒸篭に盛られた「醍醐蕎麦」が置かれる。
白めの蕎麦は、丹精に切り揃い、凛として盛られた醍醐蕎麦。
香り風味は穏やかながら、程よい腰加減に、きちんと真面目に作られたのが伺える、正当な蕎麦。
順番に、この辛味大根の入った汁に浸し頂くと、ぴりりっと辛みのあるおろしの汁が、この蕎麦に実によく合う。
ちょこっと浸し頂くと、蕎麦の甘みを感じ、喉越しよくするすると頂いてしまう。
そして、続いて出された「穴子三昧」のひとつ、「紅蕎麦」。
櫻葉が一片載せられた蕎麦は、鮮やかなピンク色。
手繰り上げると、桜の葉の香りがふわ~っと漂い、口に含むとぷりぷりとした腰。
続いて出された「山葵蕎麦」は、これも鮮やかな緑色。
真ん中に、ちょんっと盛られた山葵菜に、これもぷるぷるっとした腰加減。
あまり山葵の風味というのは、感じられないが、この歯ごたえに、するりと通り喉越しの爽やかな蕎麦。
ただ残念なのは、ちょっと水切りが弱いかな…
などと思う間もなく、これをみんなで食べたらあっと言う間
そして、「穴子そば」というのが珍しくて選んだ、メインの「穴子蕎麦」が出される。
こ、これは美味しそう~っ
一度炊かれた穴子の切り身が、艶々と輝き蕎麦の上に盛られてる。
それぞれとりわけ頂くと、この穴子がとても美味しい!。
ふわっふわの身で、口に含むとほろほろとほどけていく。
焚き加減、そして味付け加減が素晴らしく、蕎麦と共に頂くと又美味。
しかも、この穴子の出汁が汁にまで沁み入り、流石老舗の貫禄を思わせる一品。
まだまだお腹に余裕はあるけど、しっかりと満足した後に、
こちらには何度も通っている友人が、これは是非食べないと、と頼んでくれたこれも名物との「むらくも」。
幸い一切れだけ残っていたものを頼んだら、きちんと四人分に切り分けて出される。
ほっこりとした栗に、蕎麦粉を練り込んで作った羊羹で、これはしみじみと美味しい。
改めて入れなおしてくれたお茶と共に、ほっとしたひと時を頂き…
ここが、あの「せきざわ」さんの由来のお店なんだなぁ、
などとしみじみと思いながら…
ご馳走様でした~
さて、いよいよ、お目当てのお店へと…。
*お品書き
花衣 1,275円、三昧そば 1,120円、醍醐三昧 1,530円、とろろ三昧 1,635円、花衣三昧 2,350円、霙三昧 1,680円、時雨三昧 1,680円、茜三昧 1,785円、穴子三昧 1,785円、茶漬け三昧 1,785円、醍醐そば 785円、天南 1,735円、鴨南 1,380円、親子南 1,175円、地鶏南 1,020円、しいたけ、釜揚げ 815円、月見、卵とじ 715円、かけ、もり 610円、とろそば 1,020円
板わさ、ひとひらの雪 410円、鶴の友 700円、むらくも 400円
「会席そば 草庵」
群馬県前橋市荻窪町1230-1
027-269-0936
11:00~14:00 (月曜)
11:00~17:00 (水曜~日曜)
火曜定休日 P多し 禁煙
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この穴子蕎麦には、私もとろけそうでした~(^^)。
三里さん!
わたしもご無沙汰になっちゃってます。
寒いうちに、ぜひ、こちらの鴨せいろを食べておきたいところです。
「せきざわ」さんで・・・
す、すみませんっっ、調べておきますっっ。
今日、行けなかったお店に挨拶してきましたよ~。
(イロイロ話お聞きしました^^)
あの、「せきざわ」さんが修行なさったお店。
変わり蕎麦は、ちょっと色が鮮やかすぎたのですが、流石に老舗の貫禄。
玉子とじ、穴子蕎麦は本当にすばらしいものでした(^^)
私も見入ってしまいました。
満足してもらえたの、とてもうれしです。
又、ぜひいらして下さい(^^)
会社の近くにもあるので
草庵にお蕎麦あったっけ~?
ってすぐ違うのはわかりましたよ
天婦羅凄いっすね
確かにこりゃぁ箸を入れるのを
躊躇われますな
美味しそう
穴子蕎麦!心がとろけしまいそうです
拙者も、土曜日はお蕎麦
久々の根津の三里さんへ
小さなお店に友人と4人で行ったので
ぎゅうぎゅうになってしまいました
いいですね、蕎麦行脚~次も楽しみにしています♪
数々の素晴らしい写真に何度も生つばゴックン!こんなに目で満足できるなんて(^^)
ありがとうございました!
ごちそうさまでした!
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