午後から目黒での所用で移動するがてら、
前にtatenonさんが紹介していた、中目黒のお店でお昼を頂いて行こうと、急ぎ向かってみることに 。
中目黒駅下を走る、山手通り。
そこから行くほどか歩いた左の路地を入る、前に「東山 織田」さんがあった場所。
が、看板も何もなく、分からない…
も、もしかしてここっ??
まるで高級な料亭の入口かのような、格式高いオーラが漂っている…。
目黒東山 「波心 HASHIN 」
少々不安に思ったが、すでに2時。
これから移動するも、後にない、と、この門をくぐり、しんっと静まった長い石畳を歩いて行く。
ドキドキしながら向かうエントランス。
お店の入口まで行くと、やっと「波心」の文字が見え、ほっとし、扉を開くと程なく花番さんが顔を出して下さる。
…がっ
「あの…、すみません。ラストオーダー2時で、もう終わってしまったのですが」
と。
ええええええ~っっっ
見ると腕時計は2時5分。
お店の前でうろうろ迷っていたのが、悪かった…
「もう、だめ、なんです、よ、ね…」
と、がっかりとしながらつぶやくと、ちょっと待って下さい、とおっしゃり、一旦中へ入り、
「あ、大丈夫です (^^)。どうぞお入り下さい」
と、受け入れてくれ、中へと案内して頂けることに。
よ、よかったよぅ…
ほっとして、花番さんについて入った店内は、うんと照明が落され、昼間であることを忘れてしまうような、しっとりと静まった空間。
黒木板の床に、所々に落された間接照明の明かり。
いかにも、大人が憩うために作られた空間と、隅々から伺える。
やや緊張しながらいる私に、案内して下さったのは、4人掛けのテーブルが2つに、2人がけのテーブルが一つ置かれた小さな一室。
その窓際の席を勧められ、腰を下ろして、改めてほっと…。
ふと横を見ると、これもなんて素敵な演出・
広く取られた大きなガラス窓からは、小さな箱庭のような中庭が眺められる。
ほおっと見つめていると、お茶と共に一枚の紙に書かれたランチメニューが置かれる。
グランドメニューも他にあるのだろうが、出された品書きはランチのみ。
せいろ、とろろ、鴨せいろに、小鉢と炊き込みご飯がつくお膳に、親子丼などがすらりと書かれてる。
この空間からするとリーズナブルな事にほっとし、中から「せいろご膳」をお願いすることに。
しばしして、桐のお盆に載せられた「せいろご膳」が配置よく目の前に置かれる。
まずは、白木の、どこか神器のような趣きを感じる蒸篭に盛られたお蕎麦から。
二段重ねの蒸篭に盛られた蕎麦は、すのこが透けるような上品な薄盛り。
角が立ち、表面には蕎麦の欠片の埋もれた丹精な細切りの蕎麦は、手繰り上げるとほのかに干し草のような香りが立つ。
口に含むと、冷水でしゃきっと〆られた感触が心地いい。
噛み締めると、初め穏やかな気がしたが、食べ進めるに従い、じわじわと蕎麦の香ばしさが広がってくる。
するりと喉を通り落ちていくのど越しも爽やかで、あっという間に二枚食べてしまう。
添えて出された小鉢は「菜の花のお浸し」。
茹で加減も程良く、上品な出汁のかけられた一品。
丁度いい量で盛られた「炊き込みご飯」は、ひじきと牛蒡で炊かれたもの。
じっくりと味が染み、もちもちとしたご飯が美味しい。
それに付けられた漬物は「白菜の浅漬け」。
これもさっと漬けた具合が、白菜の甘みを感じさせ、しゃきしゃきと瑞々しい美味しい漬物。
湯桶は、これも蒸篭と同じ、真白の白木で作られた、神々しさ感じる湯桶。
さらさらとした熱々の蕎麦湯をもり汁に注ぎいれると、やや甘めの出汁の奥深い汁は素直に伸び、お吸い物のように、するすると入る。
これもたっぷりと頂いたら、お腹もようやく一杯に…。
本当だったら、この素敵な空間、ゆっくりとした気持ちだが、お店ももう閉店時間。
すぐに席を立ち、お勘定を。
とどの店員さんもにこやかなのもうれしく、カウンターの中のお兄さんに
「遅くにすみませんでした」
と通りがけら伝えると、
「いえいえ、ありがとうございました。又、ぜひいらっしゃって下さい」
と笑顔でおっしゃって下さる言葉に、じ~んとしてしまう。
無理言って入れて下さった上に、こんな暖かいお持てなし。
素敵な空間だけじゃない、「心」をも感じられ、いつかゆっくりと改めて訪れよう、と心に思う。
ご馳走様でした~
波心・・・「湖面にうつる月の如く、くもりなき心」、素敵な言葉だなあ…
ランチ品書き
親子丼セット 1,050円、せいろご膳 940円、とろろ(山かけ)せいろ膳 1,140円、鴨せいろ(鴨南蛮)膳 1,470円
「くおん東山 波心 HASHIN」
目黒区東山1-17-3
03-5724-3113
11:30~14:00 / 18:00~24:00
年中無休
禁煙(と思う)
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蕎麦、なかなか美味しいものでした。
ぜひ、夜のお料理も頂きたい…と思っていたところです。
行かれる時、ご一緒できたらうれしいです(^^)
知り合いの打ち手が入った店で、
何かのおりいこうかと思ってました。
ありがとうございます♪
ちょっと、神棚にお供えされたものを思い出してしまったり…(^^;
前に、「東山織田」さんがあったところに、できたお店なんです。入口もそうですが、中の雰囲気も、本当に素敵でしたよ…。
もり汁、確かにやや薄めの、上品なものでした。
乾かすのが大変でしょうね、盛り付けの時も濡れぬようにと。
入り口の佇まいは良いですね、
東山の新店でしょうか、上品なお蕎麦、汁はやや薄めなのでは?
しかも、外にはどこにも看板がなかったので、余計に…(^^;
はい、平日のこのセットは、なかなかいいいと思いました。少々男性には量が少ないかもしれませんが、大盛り(あるのかしら?)にすれば、いいかと…。
親子丼も、絶品らしいそうです。
平日の昼はお得なセットがあるんですね。何かの折りに行けたらいいなあ。土曜日は昼でも夜のようなメニューでした。
巫女では、なかったです。。(^^;;
(あ、私高校生の時、巫女さんのバイト、年末年始にやってましたよー)
って趣ですな
蕎麦の器って塗りがおおいですからね
器が白木だとなんかすげー高そうに
見えます
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