とお声がかかり、今宵はいざ、十条へ出陣~

十条駅前から四方に伸びる賑やかな商店街。その中のひとつの商店街の左へと案内され、歩いて行くと程なく。
周りの様々なお店に並んで、小さなお店に行き当たる。
その名も・・・、「出陣」


横には品書きのサンプルの置かれた小さなお店だが、明るく清潔感の感じる店構え。一瞬路麺と間違えそうだけど、凛っと垂らされた暖簾に蕎麦屋としての意思を思わせる。
十条 「そば処 出陣」
4人ぞろぞろと暖簾をくぐり店内へ。
入った先は、厨房を囲んでコの字のカウンターだけの小さな空間。
一人のお客さん、二人づれ・・・と、何人かが既に寛ぎ賑わっている。
明るく活気がある雰囲気は十条の町の雰囲気そのもので、なんだかわくわくしてしまう。
カウンターに並んで腰を下ろし見上げると、目の前には達筆で書かれた品書きがずらり。
どれもとっても美味しそう~
出されたビールには、ちょこんと盛られた「胡瓜の糠漬け」のお通しが出される。
食べてみると、この漬物がとても旨い!
黙々と仕事をこなしている、職人堅気っぽいご主人の仕事ぶりを見つつ、品書きを開くと・・・、これもなんってうれしい ちょこちょこと書かれているお料理はどれもこれもリーズナブル。
まずは・・・、お通しの糠漬けがあんまり美味しかったので、さらに「糠漬け」(100円)をお願いし・・・
銘々好きなものを注文~。
まずは、ゆっくりと揚げて作って下さった、「カツ煮」。
サクサクの衣に、とろ~りとかけられたまだ半熟状態の卵。しっとりとした玉ねぎなど、甘辛の味付けもいい、ほっとする一品。
それと・・、壁に貼られていて気になった「東京湾産 穴子天(大)」。
(ちょっと前までは鱧だったそう~・・・)
出された穴子を見てびっくり。で、でか~っっ
20センチ大の長さの穴子に目を見張っていると、一人一人銘々に、天つゆを出して下さる、うれしい配慮。
切り分けて頂くと、衣が香ばしくカラリと揚げられたサッックサクの天ぷら。中の身はほろりとして柔らかく、穴子の旨さが堪能できるもの。
となったら、早速お酒を頂こうと、壁に貼られている「南」を。
南があるなんて、それも400円で?と思っていると、
「いや、私が好きなもんで・・・(^^;」
と、照れくさそうに笑顔で答えて下さるご主人。
そして、穴子の天ぷらがとっても美味しかったので、単品で頼む天ぷらの中から、茄子と掻き揚げも追加で注文。
茄子も掻き揚げもこれまた見事!
切り込みの入れて揚げられた茄子は、表面はカラリとし、中はとろ~り。
掻き揚げにも、ごろごろと海老にイカが入った贅沢なもの。
敷き紙に、油染みのつかない見事な天ぷらで、ご主人の手さばきに感心してしまう。
そして・・・、どんなのかな?と思っていた、「揚げだし煮おろし」。
これが、目の前に置かれた瞬間にうれしくなってしまった一品。
ふわっふわの絹ごし豆腐をさっくりと揚げ、それをたっぷりの大根おろしとさっと煮たもの。
ほろほろっとした豆腐に、出汁をたっぷりと吸った大根おろしがからまり・・・
こ、これは美味しい~っ
豆腐好きとしては、たまらない幸せ。
さらに、皮がカリカリに焼かれた「鶏肉の香味焼き」。
皮が苦手な私でさえも、カリっとした皮は香ばしく美味しいと思ってしまう。付けられた味付けも程よく、中はしっとりと柔らかい鶏肉でこれも旨い。
そして、「これこれ、これがいいんだよ~」と友人の言う一品は、漬け汁を添えた何やら蒸篭のようなもの(いや蒸篭だが・・・)。
蓋を開けると、とたん、ほわ~っと湯気が立ち込めた中には、豚肉が表面に敷き詰められている。
「もやしと豚バラのセイロ蒸し」との一品で、脂身が程よく乗った薄切りの豚肉に、もやしが敷かれて蒸されたもの。
とろりとした豚肉に、もやしのしゃきしゃきとした歯ごたえが美味しく、これは冬もいいだろうな~。
と、話弾む中、たっぷりのお料理にお酒もたっぷりと頂いたので・・・、
そろそろお蕎麦をも。
お蕎麦は、普通の蕎麦は機械切りのものだが、それとは別に「手打ちそば」があり、ご主人が自ら打たれているとのこと。石臼挽き蕎麦粉で打った二八蕎麦。
もちろん、そうなったら是非それを頂きたい。
さらに、うれしいのは「手打ち冷かけ」まであったので、もりそばと冷かけをそれぞれ一つずつお願いすることに。
頼むと程なく、まずは「手打ちもりそば」が、笊に盛られて出される。
がっしりとしたご主人が打ったとは思えないような、繊細で瑞々しい細切りの蕎麦。どこか透明感のある蕎麦は、角もきりりと立っている。
手繰り口に含むと、しなやかな腰。噛み締めるとほどけて行くような蕎麦で、喉越しがとても爽やか。するすると、優しく通り過ぎていくもので、これは美味しい
さすがにこの時期的、香り風味は強くはないが、それでも噛み締め喉元を過ぎる辺りには、ふわりと蕎麦の風味があがってくる。これは、いいじゃないの~♪。
取り分けて頂いていると・・・、続けて「冷かけ」が置かれる。
琥珀の汁の蕎麦には、刻み海苔三つ葉が飾られ、澄んだ汁に横たわった蕎麦が何とも清らか。
まずは一口汁を頂くと、これが旨い!。
すぅ~っと、体に染みていくような柔らかく優しい、きれいな汁。
鰹のほかに、宗田節、鯖節なども加えて作られたそうで、飲んだ後には、とかくたまらない優しい味わい。
そして・・・、中の蕎麦を手繰り上げ頂くと、汁に浸されさらにしゃきっとした蕎麦がいい。絡まる汁との相性もよく、美味しい冷かけそば。
お料理だけでも感心していたのに、改めてご主人のすごさを感じてしまうよう。
と、食べていくと、中にひもかわの様な、幅広の蕎麦が混じってる。
「もしかして、わざとですか?」
とお聞きすると、悪戯っ子のような笑顔をして
「んふふ、面白いでしょ」
とおっしゃるご主人。こんな遊び心もたまらなく、この幅広の蕎麦が又美味。
すっかり、取りっこしながら頂いた、美味しいお蕎麦に大満~
無口そうでありながら、はにかんだ笑顔でちょこちょこっと話しかけて下さるご主人も愛らしく、一人でもひょこっと入れそうなお店もうれしい。
ご馳走様でした~
又近くに来ることがあったら、いや、わざわざでも来たくなってしまいそう、などと思いつつ、気分良~くお店を後に。。。
こんなお店が、我が駅にもあったらな~・・・
*お品書き
石臼びき手打ちもり 600円、手打ちもりと掻き揚げ 760円、手打ち冷かけ 600円、(手打ち大盛130円増)他ざる 500円など、種物豊富、丼とのセットなど650円~
月見とろろ 300円、かつ煮 450円、牛皿 300円、ぬか漬け 100円、大根おろし 100円、天盛合 630円、揚げ出し煮おろし 350円、鶏肉の香味焼き 400円、もやしと豚バラのセイロ蒸し 450円
海老天 200円、掻き揚げ 160円、穴子天(大) 350円、(小)280円、春菊、ピーマン、げそ、なす、イカ、玉ねぎ、さつまなど 100円
純米酒(南) 400円、ビール 500円、蕎麦焼酎 400円
「そば処 出陣」
北区上十条2丁目27-6
03-3906-5476
~20:30
Mさん、Tさん、Mちゃん、ありがとうございました~♪
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なんでも、ご主人はもう20年ほどやられているそうです。
天麩羅も美味しかったです♪
冷かけも美味しかったです♪
まがりさん、十条へGOGOです(^^)
こんなCPのいいお店ないですよね~。
しかも、どれもがきちんと美味しい!
実は、「もりそば」にオプショナルで、「たぬき汁」をも付けてもらったのですが、これも美味しいんです。
また行きたい・・
でも、ここは何人かで行った方が、いろいろ食べられていいかもしれないですね(^^)。
次は、「ひろと家」目指します♪
しかし、店名は咄嗟に
鶯谷の立ち食いの「本陣」を思い出してしまった
立ち食いとしては美味しいらしいが
入ったこと無いんですけどね
関係は・・・無いよねぇ~
美味しい天婦羅食べた~い
そのまま友人の家にお泊り。
翌日もまだお腹一杯なので、昼酒しに行こうと決めていた「ひろと家」はパスして帰ってしまったのを覚えています。
それが残念で、去年の蕎麦三昧ポタの中に強引に「ひろと家」を入れたのです。
どちらもコスパ抜群。また行きたい。王子十条恐るべし。
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