初めて降り立つ糀谷駅は、商店街が目の前に広がる活気のある下町風情。
その横に線路に沿って続く「西糀谷商店街」を入ると程なく、真っ赤な暖簾が目に飛び込む。
正面に立ちはだかるようなコンクリの壁に、目を引く緋色の暖簾のコントラスト。
粋で、和の雰囲気とモダンさの両方を感じさせる、センスのいい佇まい。
糀谷 「粋場 ひさ奈」
壁の横の敷石の敷かれたちょっとしたエントランスからは、ふっと大人のムードが流れてきているよう・・ 。
石畳の小道を入り、すぐの扉を開く。
その先へと、一歩踏み入れた店内は、うんと照明を落とした、しっとりとした空間。
やわらかい色合いの土壁に、すっと伸びた木のカウンター。そして木肌の優しさの伺えるテーブル席が4卓ほど。どのテーブルにもダンライトが落とされ、ほんのりと灯る優しい明り。
蕎麦屋とは思えないような、素敵な雰囲気、「まさに粋場だ・・・」と見入っていると、笑顔で出てきて下さる花番さんに「お好きなところにどうぞ」と迎えられ、窓際のテーブル席に腰を下ろす。
この窓が又、不思議な感覚を思わせる素敵な演出。このすっと明りを落とされた暗い店内に、まぶしいような外の明りが優しく差し込んでくる・・・ 。
午後1時をすぎた昼下がり。
カウンター席に一組、そしてテーブル席で女性がゆっくりと寛いでる様も心地いい。
こんな空間で、この雰囲気、これはすぐ出てしまうのはもったいない。ちょっと寛ぎ楽しみたいな、とまずは蕎麦前を・・・。
いくつか並んだお酒の中から、雄町というのが目を引き「東北泉」純米を冷でお願いすると、素敵な陶器の器にガラスの猪口、蕎麦味噌が添えて出される。
すっきりとした軽やかな口あたり。それでいてふっとふくらむ旨さのあるお酒は、心地よく頂く昼酒にいい。
こってりとした蕎麦味噌を頂きながら、それと何か・・・と、品書きを開くと豊富なお料理の数々。
焼き味噌、蕎麦豆腐、玉子焼きなど蕎麦屋の定番メニューの他に、いくつも書かれた美味しそうな品書きに迷ってしまいながらも、ここはまず定番の、「焼き味噌」を。
程なく出された「焼き味噌」は、かなり厚みがあり思ったよりもたっぷりの量。
西京味噌をベースに、葱や蕎麦の実が盛り込められたこってりまろやかな味わいで、お酒にぴったり。
焼き味噌にお酒、そして心地よく流れるジャズのBGMに耳を傾けながら、この空間でゆっくりと楽しむひと時 。なんて心地がいいんだろう・・・。
お昼の営業が3時までというのもうれしく、十分に満喫した後には、いよいよお蕎麦を。
改めて品書きを開き見ると、蕎麦は二八の「せいろ」に十割太打ちの「田舎」それに変わり蕎麦。
その他冷たい蕎麦も温かい蕎麦も、これも豊富な種類で並ぶなか、「冷かけ」の文字が気になって仕方がない。
花番さんにせいろの「小」の量を尋ねると、一人前二段のせいろの一段のとのこと。
だったら・・・ と、「せいろ」の小と、「冷かけ」の小の両方をお願いすることに。
程なくして、まずは「せいろ」の小が置かれる。
小さめの蒸篭に盛られた蕎麦は、きれいに切り揃った瑞々しい細切りの蕎麦。
手繰り寄せ口に含むと、香り風味はやや穏やかなものの、しっかりとした腰加減につるりとした表面の喉越し爽わかな蕎麦。後から、ふわりと漂ってくる甘みがうれしい。
鰹の風味がしっかりと香るまろやかなもり汁もよく、するすると手繰ってしまう。
・・・と、タイミングよく「冷かけ」小が置かれる。
やや濃い目の色のたっぷりの汁に浸された蕎麦。
まずは、とこの冷かけ汁を口に含むと、これがいい
きんっと冷された汁は、心地よく、見た目程濃くないすっきりとした汁。鰹だけではない、鯖節だろうか、コクがありまろやか~な甘みが実にいい。
せいろ同様しっかりとした腰の蕎麦は、汁をまとった事で又違った風合いを感じられ、非常に満足な思いで喉元を過ぎていく。
この冷かけがすっかり気に入ってしまい、青葱とたぬきの辛味大根おろし、や、しらす豆腐蕎麦なども食べてみたくなってしまう。
などと思いながら、さらさらとした熱々の蕎麦湯を頂き、満足な思いでお勘定を。
始終笑顔のうれしい花番さんの応対もよく、顔を出されたご主人も素敵な方。
お昼のランチのメニューもあったりと、こういうお店が近くにあったら、昼夜共にいいだろうな~と思ってしまう。
念願のお店に伺えたこともとてもうれしく、お店を後に。
ご馳走さまでした~
今度是非、何人かと訪れてお料理ももっと頂いてみたいな・・・
みんちょる様、行ってきました~♪
*お品書き
せいろ 682円(小)525円、田舎 787円(小)577円、変わり 840円(小)530円、二色 945円、三色 1,050円、辛味大根、とろろ 1,050円、野菜天せいろ 1,260円、天せいろ、穴子天せいろ 1,680円、鴨せいろ 1,890円、冷かけ 682円(小)525円、青葱とたぬきの辛味大根 1,050円、揚げなすそば、しらす豆腐そば 1,260円他まだまだ
かけ 682円(小)525円、たぬき 735円、ちから、鳥南蛮、肉南蛮、カレー南蛮 945円、鴨南蛮 1,890円ほかまだまだ
カツ丼、親子丼、カレー丼、天丼 892円~ お昼のセット 1,207円~
東北泉、あけぼの、丹沢山、王録、神亀、志田泉、菊正宗 577円~945円
焼き味噌 472円、そば豆腐、山芋ざくざく、煮やっこ 525円、板わさ、お新香 577円、そばのお造り 630円、揚げたてがんも、玉子焼き、親子煮 735円、天ぷら各種などなど
「蕎麦 ひさ奈」
大田区西糀谷4-21-17
03-3742-0616
11:30~15:00 / 17:30~23:00
日曜定休
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行ってみたいなー、と思いつつまだ伺っていないんです😢。
機会見て是非訪れたいです。
ところで…《喬肆 浅野屋》さんはご存知ですか?
オイラ的にはかなりお薦めだと思うのですが……
私も又行きたくなりました(u_u*)~
書きこみ、ありがとうございます♪
いいお店ですね(^o^)/
何もかも食べてみたくなっちゃったほど。
駅からもすぐなので、是非いらっしゃってみてください(^^)
「小菅」の錦蕎麦、是非、今度食べてみますね♪
さて、「たか志」。
もうもう、読んでいて、情景が目の前に見えるようでした。そうなんです、あのおばちゃん、いいでしょ~、あったかくーて、もう、本当に大好きなんです、私も。。
ご主人(おばちゃんの息子)も、素敵な方ですよ。ご主人は、ふらっと自転車で山梨まで行ってしまう程、乗り屋さんみたいです。又、ぜひいらして下さい・・・。なんだか、私まで心温かくなってしまいました。コメント、ありがとうございました・・・。
粋な雰囲気に、豊富な品揃え。美味しい蕎麦に、かわいい花番さん♪
しかも駅からすぐ!
是非、行かれて見てください。ブログ楽しみにしてます(^^)
港めぐり、いいじゃないですか~♪
何か戦利品、ありました?
私としては、又そちらにも伺いたいと思ってしまってます(^^)
冷かけ好きでしたら、是非♪
いつか訪ねてみます♪
はるばる大田区へようこそ。目黒からはまだ大分ある蒲田まで本当に行動範囲が広いですね。ひさ奈は昼酒にはぴったりのふんいきですよね。ちょっと前に津右衛門が臨時休業のときに行ったのですが、こちらもお休みで入れませんでしたした。
みんちるは、つい最近目黒の小菅にはじめていってきました。地下なのでちょっと入りずらかったったですが、非常に家庭的な雰囲気でとっても良かったです。ゆーかさんが食べそこねた錦蕎麦を温蕎麦で食べてきました。語彙の少ない小生としては中々うまく説明できませんが、「今まで食べたことのないとてもおつなそば」といった感じです。そう、それから、府中のたか志にも初めていってきました。みんちょるは半年前に自転車を始めまして、多摩川を良く走っています。その日もはるばる自転車で行ったのですが、やっとたどり着いて蕎麦を食べてるうちに雨が降ってきてしまいました。大田区から来たというと、カッパも持たないみんちょるにおばあさんがとっても心配してくれて、何度も何度も気をつけて帰れと言ってくれました。帰りには雨でぬれたサドルを拭いてくれたり、本当に親切な心温まるおばあさんでした。びしょびしょになりながら帰りましたが、おばあさんのやさしさが心を暖めてくれました。あめやジュースまで持たせてくれて、ほんとに商売にならないんじゃないのといった感じです。ここには是非是非また行って、そのときのお礼を言いたいものです。
城南地区にこんないいお店があるとは!
これは行きたーし!
こういうところが近場にあると助かる人が多いででしょう!!(ま、たまにオノボリで都心に行く場合、イキナリ大御所は辛かったので)
今日は天気が良いのに、港めぐりで終わってしまいましたよ(大笑
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