と、週末聞いた永六助のラジオの投稿で、
「西荻窪は、自動車よりも自転車、自転車よりも歩行者がいばってる街です」
というのを思い出したら、何だかとっても西荻窪に行ってみたくなってしまってる
西荻窪・・となったら、そりゃあ、と、久しぶりに駅ほどなくのお店へまずは。
ん・・?、壁に掛かる看板が修理中?
西荻窪 言わずもがなの名店 「手打蕎麦 鞍馬」
確か、中休みを取るようになって昼は3時までの営業のはず・・と、2時ぎりぎりに入った店内。
扉を開くと、これはびっくり。
夏休みの時期とは言え、店内はほぼ満席・・
少々待ち、何とか空いた大テーブルの一角に腰を下ろす。ほっとしてまずは・・、やや、まだ本調子とは言えないけど、ここに来たらやっぱり頼みたい、と、「四季桜」をお願いしちゃう。
程なくして出されるお盆には、お決まりの「焼き味噌」のお通しと、フラスコのようなガラスの徳利。
お料理はほとんど置かないお店だけど、この「焼き味噌」が、なんだか非常に美味しくてさびしさを感じない。やや甘めの、蕎麦の実などが練りこまれた焼き味噌は、本当にお酒にうれしい一品。しかも、丁度一合のお酒をゆっくりと頂くのに丁度いい量なのもうれしい限り。
携えた本を読みつつこれをゆっくりと頂きながら、ふとぐるりと回りを見渡すと、天井下に貼られた張り紙に、「営業時間が変わりました」との文字。製粉の関係で、これまで中休みを取っていた営業時間を、11時から18時までの通しの営業にした(戻した?)らしい。
そうだったんだ・・。どうりで来ているお客さんも皆、慌てる様子もなくゆったりと寛いでいる。
私もなんだか、ちょっとうれしい
さて・・・、〆はやっぱり「箱盛り」を。季節の「とろろ蕎麦」にもちょっと心が動かされるものがあったけど、久しぶりなので素で頂きたい。
気持ちのいい花番さんにお願いすると、程なくして蓋のかぶせられた蒸篭が出され、目の前で空けて置かれる、文字通りの「箱盛りそば」。この一瞬のパフォーマンスが、わくわくする儀式のようで密かな楽しみ。
蓋を空け、盛られた蕎麦はグレーの丹精な細切りの蕎麦。たえず回されている石臼には、「有機栽培で作られた常陸秋蕎麦」と書かれた紙切れが貼られている。
手繰り寄せ、顔を寄せるとさすがにこの時期故、強烈とはいかないが、ふわりとしみじみとした穀物感のある蕎麦の香りが漂う。
蕎麦の粒のない、微粉で挽かれた美しさ・・なのだろう。均等な蕎麦のひとつひとつが美しく、かみ締めるとしっとりとした腰。初めはやや穏やかに。それが次第にじわじわと、蕎麦の風味を増し、しっかりと感じさせてくれる。
一方の汁、これが又旨い。
一口舐めてみて、はっとするような鰹の風味が喉からすうっと体中に染み渡るような、上等の汁。でいて、蕎麦の風味を損なうことなく、合さりさらにお互いの旨さを尊重していくよう。
すっかり満足に浸り、優しく白濁した蕎麦湯をゆっくりと頂きながら、しみじみと余韻に浸ってしまう。
そろそろ3時・・。
あれだけ賑わっていた店内も、今は、人を待つ静かな空間へと移ってる。
ご馳走様でした
と、満足な思いで席を立つ。
帰りしな、偶然にも初めてお話できたご主人は、もう、見るからに懐の大きく落ち着いた、本当に素敵な方。「又、いらっしゃって下さい」との言葉が、ずっとずっと胸に残って・・・。
今日も又、かけがいのないような暖かいものを感じながら、熱風の街中で、自然に微笑みがこぼれ抑えられずに・・。
お品がき
箱盛そば 940円、甘皮そば 990円、鴨汁 1,440円、天盛そば 2,100円、
とろろ蕎麦 1,440円、鴨南そば 1,890円、たまごとじ 1,410円、
天種 海老 1,000円、穴子 1,100円
四季桜、田酒、豊の秋、菊姫、菊の城 730円~(焼き味噌つき)
「手打蕎麦 鞍馬」
杉並区西荻南3-10
03-3333-6351
11:00~18:00
水曜定休(祝日の場合は翌日) 禁煙
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老舗のうちに入るであろう、ここの蕎麦、本当にすばらしいです。
あの、箱の蓋を開けてくれる瞬間が、何よりも好きで・・。
今は、冬限定の「たまごとじ蕎麦」も楽しみにしているところです。
食べに行きました
ここは、とってもおいしいですね。
こんなおいしい蕎麦屋は、はじめてでした
また行ってみたいと思いました。
成る程、さすが「鞍馬」さんのご主人だ・・と思った次第。
はい(^^)。弾む心を、笑顔がこぼれそうになっちゃうのを押さえながら、歩いてました。
いい店です。「凛」とした空気が、静かに流れていました・・・
ゆっくり話すともっと魅力的な方ですよ、ヤッパリ此処は「箱盛り」ですね♪
満席でも静かにお蕎麦を手繰っている人ばかりだったのでは?
不思議に「凛」とした風が流れているお店ですね。
お店を出てからのyukaさんの弾む心が見えますよ♪
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