どし~とした板にしっかりとした文字で書かれた
「産地厳選十割そば」の看板が目に入る。
この先には、何度か訪れている大好きな粗挽き蕎麦を出す「山泉」さんもあるのだけど・・・、
今日はこちらに伺ってみようとの心づもり。
西国分寺 「潮」
このお店の姿勢すべてがこの暖簾に表れているかのような凛々しく、どこか厳格さをも思わせる、純白な暖簾。
「ここではお料理を食べてこそ」と言われたこともあり、今日は昼蕎麦屋酒をと、決め込んで・・・
最近つくづくと思ってしまう、月日の経つ事のなんてが早いことか。考えてみたら、つい先日のようで、たっぷり2年ぶり。やや緊張しつつ扉を開き、何となく確認するように目を落とすと、変わらず手彫りのやさしい顔をした仏像が並んでる・・。
1時になろうかという時分、店内はほぼ満席。なんとか空いていたテーブル席に相席で座らせて頂き、相変わらずの人気の程をしみじみと感じさせられる・・・。
すぐに、お弟子さん?の若い男の人が丁寧にお茶とお絞り、そして品書きを出してくださり、開いた品書きがほぼ記憶と変わらぬのがちょっとうれしい。
お酒は・・・、と見渡し壁の端に貼れた中から、「黒帯」を選んでお願いする。
ええと、お料理、お料理。
品書きを広げると、定番の「焼き味噌」や「玉子焼き」が書かれているが、「玉子焼きはお受けできないこともございます」の付箋にたじろいで諦め・・
横の壁に貼られた絵入りで書かれた品書きをひとつひとつ眺めてみる。
・・・と、「茶碗蒸し」の文字 。それをお願いすると、「今はできません・・」とのこと。
ん~、じゃ・・と、再び見つめると、「焼きたけのこ」が妙に気になる。悲しいかな、「たけのこ」の文字を見ると反応してしまい、まさか今の時期で・・・?と思いつつお聞きすると、「出来ますよ」とのことで、とっさにそれを頼んでしまう。
やっとほっとし、お酒を手にしていると、「カウンター空きましたので、よろしかったら・・・」とおっしゃって下さり、そちらに移らせてもらう。
移ったカウンター席は、一人身にはテーブル席よりもすこぶる心地がいい。テーブルの高さと椅子の按配もよく、ようやくほっと寛いだ心地に・・・
と、和んでいると程なくして「焼きたけのこ」が出される。成る程・・、この時期だもの、焼き姫竹が塩を添えられて。皮を剥き頂くと、甘みが強くまるでとうもろこしのよう。しかも瑞々しくすこぶる満足。
・・・が、お酒一合にはちょっと物足りなく、ふっと後ろを振り返ると、これまで見えなかったところに、食べてみたかった品書きがぞくぞく・・・
「もろこしの掻き揚げ」や、「油揚げの鬼おろし和え」なんていいなぁ~・・と思ったが、(2時の時間も迫ってるし・・・)、ちょっと興味を持った「鰊昆布」を追加でお願いする。
程なくして出された「鰊昆布」は、しっかりと固められたような艶々としたもの。これを一枚はがして頂くと・・・、す、すごいっ 。まったりと柔らかく炊かれた昆布が、実に鰊煮そのものの味わい。甘辛さの加減といい、このじんわりと滲んだ鰊の旨味が何とも言えない・・・。これだけで、たっぷり一合はいけてしまいそう~
もう、これだけでかなり満足してしまって残りのお酒を楽しみ・・
何となく、お店も中休み近くのそわそわした空気が感じられてきたので、私もお蕎麦を。
テーブルにはきちんと「本日の蕎麦」が掲げられ、何てうれしい♪今日の蕎麦は福井大野の蕎麦とのこと。
お願いすると、まずは蕎麦猪口と薬味が置かれ、程なくして高足のザルに盛られた、十割の蕎麦が出される。
そうそう、この蕎麦だった・・、とふっと思い出す蕎麦は、かなりの細切り。蕎麦の星はなく、均一に切り揃った蕎麦は、ぴかぴかと輝きを見せている。美しい・・、思わず思ってしまう繊細な蕎麦。
手繰り寄せると、ふわ~と上がってくる蕎麦の薫り。それを、おずおずと口にすると、しゃきっと冷水で〆られたその感覚が清々しく気持ちいい。かみ締めると、これも一本筋の入ったような、稟とした腰。強烈ではないが、かみ締めていくと、さわやかな蕎麦の風味を感じ、後にゆっくりと甘みを感じてくる。
薬味は山葵のみ、の拘りで、この山葵が又非常に香り高い。
蕎麦汁は、かなりすっきりとした辛口のもの。なのだが、出汁が一人歩きしたような突出したもののない、深みのある汁ですべて一体化し調和した汁。蕎麦屋の汁というよりは、日本料理に通じるものがあるような・・。あまり濃い目でないのも、この超細切りの蕎麦の為なんだろう、蕎麦にからまる、そのバランスがぴったり。
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頃合を見て出された蕎麦湯は、優しく白濁したもの。蕎麦湯で薄め、改めてこの蕎麦汁をじっくりと味わい、ほぉっとしつつ前を見ると・・・、
七味入れが茶の湯の「湯釜」のミニチュア。柄杓まで添えられて、かわいい~っ
・・・と、そろそろ中仕舞いが始められようとしている。
ううむ、ここでゆっくりとお料理にお酒、そしてお蕎麦を楽しむのは、週末か夜の方がいいかもなぁ~。
まだまだ頂いてみたいお料理もいくつもあり、是非、いつか誰かと誘い合わせて来なくては・・と。
それでも、始終丁寧な接客に、心地よい空気の漂う店内は、ひと時ではあったけど思っていたよりもずっとお店の魅力が見えてきたよう・・。
ご馳走さまでした~・・
一度、こちらの「蕎麦会席」も頂いてみたい。誰か付き合ってくれる人、いないかしらん・・・
今度の昼酒は、「山泉」さん、かな・・・
*お品がき
そばぎり(150g) 800円、大盛り 1,100円、おかわり600円、おろしそば 1,000円、鴨汁そば 1,300円
玉子やき 550円、そばがき 800円、生ゆば 800円、にしん棒 650円、鰊昆布 200円、このわた 1,000円、やきみそ 500円、焼きたけのこ 650円その他、
蕎麦会席 4,000円~
浦霞、黒帯、天狗舞、一の蔵 600円~、ビール(エビス、スーパードライ)
「武蔵国分寺 潮」
国分寺市西元町 2-18-11
042-359-2898
11:30~14:00 / 17:00~21:00
(土日祝)
11:30~15:00 / 17:00~21:00
火曜定休
店内禁煙 P2台
帰りは、やっぱり♪
「CAMPAGNE」に寄って・・・
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初めてくぐる暖簾・・
どこなのかしら??
しかもそんなイカス食べ方
お酒にあいそー
週末初めての暖簾をくぐってみようか
・・・
給料日前じゃん
2軒っていうのは、潮さんと山泉さんのことかしら?
どちらも対照的ですが、すばらしいお店です。ちなみに、山泉さんは中休みがないので、ゆっくりできますよ(^^)
・・・と、それとも、パン屋さんのCAMPAGNEさん?ここもとっても美味しいパン屋さんなので、併せてぜひぜひ♪です。
駐車場があるんですね。 今度、行ってみようっと。
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