高田馬場から見知った早稲田通りを下り、馬場口の大きな交差点へ。
この辺りなんだけど…、と伺いつつ歩くと今まで知らずに通り過ぎていた小さな路地が。
大通りの喧騒とは打って変わって、ひっそりとした暗がりの奥に、ぼんやりと灯る明かりが目に入る。
その横上にはくっきりと明かりのついた看板に「蕎麦」の文字。
こんな所に、こんなお店があったなんて…
半地下は居酒屋らしく、目指す半二階のお店へと階段を上がろうとすると、外にまでしっとりとした空気が漏れ出でているよう~。なんだかとってもいい感じだ…
「蕎麦・旬菜 浅野屋」
階段脇には、品書きのかかれたボードが置かれてる。やっぱり、初めて入るお店はこの気遣いがちょっとうれしい。
一通り目を通して階段を上り、黒木で作られたしっかりとした扉を開くと・・、そこはしっとりとした大人の空間。
ほどよく落とされた照明のオレンジ色の柔らかな明かりが店全体を包み、落ち着いたしっとりとした和の作り。清潔感があり、和食の職人魂のような気骨感も又どこか感じられるような・・・。
4人がけのテーブル席が二卓と、厨房を囲んだコの字型のカウンター席が6席ほど。
これは…、一人ででもふっと立ち寄ってしまいたいような、そんな雰囲気 。
先に着いてしまったので、テーブル席の一つの椅子を引き、とりあえず瓶ビールを頼んで待つことに。
おお、最近ではちょっと珍しい、「サッポロの黒ラベル」。このビール、一時すごく好きだったなぁ。
と、冷たい風に吹かれて来たけど、やっぱり♪かけつけのビールは美味しい
お通しの揚げ蕎麦は、かなり細い。
ぷはっ、としたところで、友人も到着したので、お料理を…。
開く品書きはどれもがリーズナブルなのに、うれしくびっくり。
まずは、「煮びたし」に「海老のあぶり焼き」。
葱と油揚げをさっと炊いた煮びたしは、上品さのある美味しい味付け。海老も殻がカリカリに焼かれていて、そのまま齧ると海老の香ばしさがよく、これ、ちょっと病みつきになりそう♪
どちらの小鉢も、一人か二人で頼むのに調度いい量で、安く設定されているのがとてもうれしい。
・・・で、ビールからお酒に変えて。
まずは、「黒龍」を二人で。
びいどろのような厚みのあるガラスの徳利に出される。
と、なぜか??大きめな猪口(ぐい呑み?)。
なんだか、ちょっと不思議な感じも~
お料理も追加して、季節ものの「蚕豆」に、350円っ?とちょっとためらいつつも「厚焼き卵」。
蚕豆は小笊にたっぷり♪。ちょっと不安だった厚焼き卵だけど、ちょっと甘めのしっとりとしたきちんと手作りのものが二切れ。後でお聞きしたら、一人でも頼みやすいように、と小さめに出しているそうで、「その代わり、大根おろしはたっぷりにしてるんです」との事。こりゃいいなぁ~
お酒のお変わりは、花番さんのオススメで「明鏡止水」を熱燗で。
おちょこは、籠にいくつか盛られた中から選べる遊び心のある心にくい配慮。
また、この明鏡止水の熱燗がとってもおいしくて、お変わりをしつつまったり~と。
いやぁ、落ち着いていてしっとり…、これはなかなかいい空間だなぁ、とすっかり憩いでしまってる。
〆には、やっぱりお蕎麦も。
冷たい蕎麦も、温かい蕎麦も種類が豊富にそろっていて、そのどれもがとてもリーズナブル。それどころか、丼のメニューも豊富な上に、それぞれが小そばや小丼もあるのは素晴らしい!セットの充実さにも目を見張るほど。これは…、近くで働くサラリーマンなんかのお昼にもとても良さそう。
で、私は、今回は「季節の蕎麦」の中から、「鳥きのこせいろ」を頼むことに。
残りの熱燗を飲みながら待ち、ほどなくして目の前に出された「鳥きのこせいろ」。
たっぷりの熱々そうな汁に、蕎麦は朱塗りの四角の蒸篭に盛られて。
極細と言ってもいい程のかなり細切りの蕎麦は、切り幅にむらのないぴんっと張ったもので、たっぷり盛られてる。
まずは蕎麦を…と、手繰りよせると、強烈とは言わないが軽やかにかすめていく蕎麦の香り。口に含むと、キリっと冷水で〆られた感覚が喉に心地よく、細切りながらもしこしこしたようなしっかりとした腰加減。
穏やかではあるがかみ締めると蕎麦の風味もほのかに感じられる。
何よりも喉越しがとても爽やかなので、これはとりわけ飲んだあとには気持ちのいいもの。
一方、鳥きのこ汁、これが旨い!。熱々の汁は、やや濃い目仕立てで、きのこと鳥の出汁のよく出た、旨い汁。一口大に切られた鳥肉の身もふっくらと柔らかく、しゃきしゃきっとした何種類かのきのこ類がよく合う。
しかも…、細切りの蕎麦ならではの、汁によく絡み、一緒に頂くと汁をまとった蕎麦がとてもいい。
たっぷ~りの鳥きのこ汁だったのに、ナチュラルに白濁した蕎麦湯を注ぎつつ、すっかり頂いちゃった
友人は、というと、やっぱり「季節の蕎麦」の中から「牡蠣蕎麦」。
んんん~、牡蠣蕎麦って何度見ても、やっぱり美味しそうでそそられてしまいそう。
見た目にも、ぷりぷりの牡蠣を食べる友人も、「熱燗にあう~♪」とのこと。
打ち合わせも一通り、すっかり満足な夕餉のひととき。
これは、またひとつ、一人でも訪れてみたいようないいお店を教えてもらったなぁ
帰り際、ほかにお客さんもいなくなったこともあり、ご主人も出てきてくださり、ちょっとお蕎麦について尋ねると…、
こちらでの蕎麦は、手ごねのあと、のしと切りを機械でやっているとのこと。蕎麦教室もやっているほどのご主人なのに、ちょっと不思議な気持ちもしたが、「暖かい蕎麦には、機械でしっかりとのした蕎麦の方がむしろいいと思って」と…。その分、安価で提供しているとのこと。
以前は、下落合で普通の町蕎麦やをご両親とやっていたそうで、3年前に一人でこちらに新しくお店を出したそう。その上で、ご主人なりの考えがあって、こういう蕎麦にしているんだろうな…。
いろんなお店があり、そしていろんな蕎麦があるんだなぁ、と改めて感じる。それぞれに、ご主人なりの考えや拘りが含まれているとなると、それはやっぱり素晴らしいと思う。
今日もまた、そういうお店に出会えたようで、なんだかとてもうれしい。
きちんと料理について修行したというご主人の、小さな小鉢料理のそれぞれもとても美味しく、落ち着いてゆったり寛げるお店。
今度は、暖かい蕎麦をも頂いてみたい。もちろん♪、蕎麦前とお料理をいくつか頂いて…。
今夜もとても満足な夜。ご馳走さまでした~
*お品書き
せいろ 500円、おろし 700円、とろろ 850円、鴨せいろ 900円、天せいろ 1,000円 黒豚カレーせいろ 900円、たぬき、きつね、花巻 600円、卵とじ 700円等、
鳥南蛮 750円、山菜、きのこ 800円、けんちん、おかめ、天ぷら 900円k等
丼類各種 650円~、小丼 500円~、小丼と蕎麦のセット 900円~
(今月のお勧め)卓袱、牡蠣そば、ゆば天そば、鳥きのこせいろ、けんちん 900円
厚焼き卵 300円、煮びたし、枝豆、焼味噌 350円、板わさ、焼き海苔、海老あぶり焼き 400円、揚げなす肉味噌かけ、さつま揚げ三種、赤鶏タタキ 600円、天ぷら盛り合わせ 1,000円、鴨ぬき、天ぬき 600円など
瓶ビール 600円、明鏡止水 600円、黒龍 900円、天法 900円など
「蕎麦・旬采 浅野屋」
新宿区西早稲田3-27-4
03-3205-3557
11:30~15:00 / 17:30~21:00
日祝日、第二土曜定休
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お昼のセット、とってもたくさんあって楽しそうでした。
夜もいいですよ~(^^)
是非行ってみます!ありがとうございます!
もりさんとの、目と鼻の先です。
(もりさん・・、ここずっと、シャッターが降りたままらしく、とても心配なのですが・・・)
ぜひぜひ、お勧めいたします。
なかなかどうして、いいお店でした(^^♪
いい意味で(?)個性の強いお店しか
浮かばなかったのですが、
こういうお店も有るんですね。
なかなか使い勝手が良さそうなお店。
しっかり記憶に入れました。
私的には、今年の牡蠣はなんだかとても美味しいように思ってるのですが・・
マターリしないとな
鳥きのこのつけ汁がんまそーですなぁ
そろそろ牡蠣もラストスパートです
本来3月頃の雪解け水で育った牡蠣が
んまくなるらしいのですが
雪の少なかった暖冬の
今シーズンはどうなんざんしょね
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