診察の順番を待ちながら、しみじみと思い、診察を終えると咄嗟にバスに乗り込む。
久々に保谷に行ってみよう♪
今日は、抜糸の日取りも決まったことだし、と心も晴れやか。
保谷の駅前のごちゃごちゃした通りを抜け、閑静な住宅街へ。
相変わらず、ここにお蕎麦屋さんがあるとは到底思えないよねぇ、と思いつつ、おとぎの国のような幼稚園のまん前に、ふと佇む素敵な建物。
白いコンクリートの壁に、ボケの花が生けられ、朱色の暖簾がなびく。
「季彩 蕎麦切り すゞ木」
ちょっと病院で待ってしまったこともあって、昼も当に過ぎた時分。すでにお客さんはない。すっきりと無駄なもののないシンプな店内は相変わら大人の空間。。
すぐに行ける・・と思いつつ、ほぼ一年ぶりの訪問。
柔らかく外光が差込み、落ち着いたシックな空間。蕎麦屋のそれとは大きく離れた雰囲気の、和モダンの店内は、温かみにも満ちている。
今日もまた、窓際の席に腰を落ち着け、ほっと息を付ける。
お願いしたのは、ここに来るまでにすでに決めていた「蕎麦三昧」。
うずうずしていた「蕎麦屋酒」。
ここでは、頼まずにはいられないでしょうっ
ってことで・・・、
お酒のメニューの中から、
「澤ノ井」の奥多摩仕込辛口
をお願いする。
美しい切子のグラスに、アテは高菜漬け。
非常に軽やかな、すっきりとした辛口で、昼酒にもってこい。高菜漬けの塩加減も美味しく、これだけでも飲めてしまいそう。
でもっ これからがお楽しみ♪
まずは・・、「前菜です」と、二品出される。
どっしりとした器に、透き通った厚切りの「大根のコンソメ煮」。
風呂吹き大根とは又違う、和風なコンソメスープでこっくり煮込まれた大根は、箸を入れるとすっと通るほど柔らかい。コンソメの味の奥に大根そのものの甘みがじわっと溶け出し・・、これは、美味しい♪。コンソメで炊く大根もいいなぁ~・・
もう一品は、「椎茸の含煮」。
身厚の食べ応えのあるどんこ。しっかりと含み煮された味付けは、上品な出汁の引かれたもの。これは・・、熱燗にもよさそう~。
続いて・・「蕎麦豆腐」。
もっちりふわ~とした蕎麦豆腐とは、又違う、ちょっとさっくりとした感触。口に含むと、さくっとした舌触りの上で解けていく。蕎麦と胡麻のほどよい甘みが合わさったもので、これは美味しい!純粋な蕎麦豆腐とは又異なる、蕎麦豆腐と胡麻豆腐の融合したような・・、これもまた、すこぶる上品で食べ応えのある一品。いやぁ~・・幸せ
これで、ゆっくりと堪能していると、軽快に鍋を回す音がし、「暖かいうちにどうぞ」と、
「ミニ蕎麦掻き」。
小さくても丁寧に作られ、きれいにまとめられた一品。
ここ独特の蕎麦汁が敷かれた蕎麦掻は、見た目にも分かる粗挽き仕立て。
一口大に箸を入れると、そのもっちり感がうれしい。口に含むとふわりとした蕎麦の香りを携え、ゆっくりと溶けていく。口のなかでまどろみながら、ざらりとした蕎麦の粒が心地よく舌を掠める。それが・・、喉元に降りながら、ゆっくりと蕎麦の風味を残していく。これは・・、旨い。暖かい蕎麦の優しい風味がじんわりと染み渡る。
「通しの営業ですから、ごゆっくりどうぞ」と言って下さり、
十分すぎるお料理をお酒と共に堪能しつつ、ゆったりとこの空間の中で楽しむ。もう一合いけてしまいそうなところだけど・・、
メインのお蕎麦がやっぱり楽しみなので、押さえて・・
そろそろお蕎麦を♪
お願いすると、まずは蕎麦汁と薬味が出される。
一口舐めてみる蕎麦汁は、たまり醤油のしっかりとしたとろりとしたもの。とは言え、見た目と違いキツさのない、まろやかな深みのある汁。
薬味は大根卸しと、ちょっと珍しい青ネギの小口切り。
「蕎麦三昧」の蕎麦は二種。まずは「細打ち」の蕎麦から。
かなり細きりの蕎麦で、ほのかに緑がかった美しい十割の蕎麦。茨城産の常陸秋蕎麦。
つながりも見事に、手繰り寄せるとふわりと青っぽい清々しい蕎麦の香りがかすめる。口に含むと心地よい腰が口の中でまとわり、かみ締めると爽やかさを感じさせる蕎麦の風味。
喉越しもよく、そのままでもたべてしまえそう。あっと言う間に食べ終えちゃったっ。
その頃合ぴったりに、二枚目の「粗挽き蕎麦」。
やや太めに切られた蕎麦でその断面はざっくりと鋭い。表面には、透明感のあるそばの粒がびっしりと込められている。
うれしくなりながら、手繰るとこれが、濃い~・・っ深い蕎麦の香り。そのまま口に含むと、しっとりとした腰が歯に返り、かみ締める途端にじわじわと、これまた濃く焙煎したかのような香ばしい蕎麦の風味がいっぱいに広がる。前回訪れた時にちょっと感じた硬質感が消え、新たにしなやかさをも携えたよう。
お、美味しいっ~っ。
食べ進めるに従い、どんどん蕎麦の濃さで口いっぱい、体じゅうに広がっていくかのよう。
そのままでも美味しいが、蕎麦汁にちょこっとつけるとさらに蕎麦の風味を濃く感じさえる。次いで大根おろしを加えると、これまたきりっとした清涼感を増し、これも旨い。
あまりに密度の濃い蕎麦に、すっかり大満足~。
頃合を見て、急須で出される蕎麦湯。
そっと、蓋を開けてみると、しっかりと白濁したとろみのあるポタージュ仕立て。
しかもっ♪
うれしい「塩昆布」まで添えられて。
塩昆布の上に注いで飲む、この蕎麦湯がこれまた非常に美味しい!
蕎麦汁を薄めるのとは又違う、すっきりと味わい深いもの。これだけでも頂きに来たくなっちゃうなぁっ。
塩昆布で、そして蕎麦汁で十分に堪能したら、汗ばんできそうなほどぽかぽかに・・。
そして・・、最後に
暖かい蕎麦茶と共に、
デザートの「そばぼうろ」まで。
素朴な味わいが妙にほっとさせてくれる。
前菜からすべてにおいて、非常に満足度の高い「蕎麦三昧」。
すっかり満喫し、お勘定をしつつお聞きすると、こちらではすべて手挽きなので、それぞれ一日20食ほどとのこと。ん~、今日は食べられてほんっとにラッキー♪
それにしても・・、美形で素敵なご主人に、愛くるしい奥様。ため息のつきそうなほど、素敵なご夫婦・・。
最後に二人息のぴったりと頭を下げてくださった様子は、まるでペアのダンスの最後のように美しくて・・。
ご馳走さまでした~。
久々の昼蕎麦屋酒を、すっかり満喫~・・。
今度は、暖かいそばも食べてみたいな
「蕎麦三昧」1,500円、澤ノ井 奥多摩仕込辛口 400円
季彩 「そばきり すゞ木」
練馬区南大泉4-43-32
03-5387-2010
11:30~20:00(売り切れじまい)
月曜休
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練馬区なんですよね~。
いい蕎麦です。
そして、素敵なご主人に奥様。。
ああ、私もまた行きたくなってきてしまいました(^^)
そうそう、ここのCPのよさも、申し訳なくなってしまうくらい・・・。
お料理も美味しい上に、あの蕎麦が、しかも蕎麦掻まで・・。うれしいお店です。
奥様、きれいですよね~~(^^)
女の私が見ても、うきうきしちゃいますもの。でも♪ご主人もまた、素敵な方で、ドキドキです。
ただこちらは、内装は飾り過ぎない、手作り感のような温かみがあるので、ほっとできます。
そうなんですよ・・。このCPのよさ。
この三昧が1,500円とは、申し訳なくなってしまいます。
蕎麦湯も、とろっとろ♪
もし、こちらにいらっしゃる事があったら、ぜひ、予約していらしてください♪
このお蕎麦屋さんの外観、町田のもち月さんや三鷹の吉田屋玄庵さんに通ずるイメージですね、RC打ちっぱなしと和のコラボってニューウェーブ系?お蕎麦屋のスタイルの一つとして定着しつつありますね、それよりこの粗挽きの挽きぐるみ蕎麦と白濁した蕎麦湯!理想です!メニューも三昧とお酒で2.000円以下とは素晴らしい。
ああ、これで横浜北部、南多摩にお店があれば自転車で通うかも、、、
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